カッチ式でビリヤニを自炊調理してみました!! やってみたら意外と簡単で美味しいものができました!!

 先日、自炊ビリヤニ(パッキ式)とお店ビリヤニ(カッチ式)を並べて比較するという記事を投稿しました。実際に食べ比べてみて今まで避けてきた「カッチ式ビリヤニ」も自炊してみる必要があるなと思い、今回は重い腰を上げて作ってみることにしました。詳細は後述していきますが、実際にやってみたら思ったよりは簡単で自画自賛ですが十分おいしくできました。

カッチ式とは?

 「カッチ式ビリヤニ」はスパイス、ヨーグルトなどで作ったマリネ液で漬けておいた生肉と下茹でしたバスマティライスで炊いたものです。後述のパッキ式と異なり、具材に火が入りすぎないのでよりジューシーかつ旨みがお米に移りやすいというのが特徴です。

 ちなみに以前のブログ記事で何回か出てきているビリヤニは「パッキ式」という調理方法で作ったものです。予め作っておいた濃いめのグレービー(カレー)と下茹でしたバスマティライスで炊き込んでいます。大雑把に言えば「生肉」から炊くかどうかの違いということです。

今まで避けてきた理由

 今までカッチ式で自炊してこなかったのは手間と調理難度が理由です。パッキ式は一度カレーを作ったり、バスマティライスを七分茹でにしたり、全体的にだいぶ火が通った状態で炊きます。それゆえに水分量さえ気をつければ割と食べられるものが完成します。一方のカッチ式はマリネした「生肉」から炊き込みます。具材の大きさや加熱時間をミスると具材が半生ということもあり得ます。特にチキンビリヤニの場合は食中毒の原因となるカンピロバクターのリスクがあるのでしっかり火が通ることは重要。これに加えてバスマティライスの茹で加減によってはお米がグズグズになったり、芯が残って硬いままだったりすることもあります。そう考えるとある程度火がしっかり入った状態で炊くパッキ式の方がまだ作りやすいかなと思い躊躇していました。

カッチ式で調理開始

 本腰入れてカッチ式ビリヤニを作ります。レシピはYouTube動画やビリヤニ太郎氏の本などを参考にしました。ボールにヨーグルト、カレー粉、クミンパウダー、カルダモンパウダー、クローブ、シナモン、塩、少量の油、おろししょうが、おろしニンニクを入れて混ぜ合わせます。これを半日ほど冷蔵庫で寝かせます。(最低30分〜可能なら一晩漬けておく)

 バスマティライスを湯取り方で茹でる間に炊飯用鍋にマリネした具材を平たく敷き詰めていきます。気持ちマリネ液が多い気がしないでもないか(フラグ)。

 4分ほどの茹で加減のライスを薄く具材の上に敷き、さらに5・6分で火が入ったバスマティライスを乗せます。今回はフライドオニオン、ミント、パクチーを上にファサッとばら撒きます。パクチーは普段使いませんが、スーパーで半額になっていたのを見つけたので調達。

 パクチーは好き嫌いがわかれ、使うだけでガラリと香りと味わいが変わりすぎる葉物食材です。私は食べられるんですが正直なところ無くても良いかなと思います。それよりはフライドオニオンが優先です。

 準備ができたので炊飯開始。生肉なのでパッキ式よりも最初の中火の時間を長く取ります。鍋から聞こえてくる音、わずかに漏れ出る蒸気で様子を見ますが「中火10分→弱火10分→蒸らし10分」をベースに炊飯しています。最初の中火については使用する具材、分量、鍋からの音などを考慮して調整した方が良いです。

 蒸らしまで終わって炊き上がりました。底の方からざっくりと混ぜて底と中間層を確認。ちゃんと火が通っています。ただ、なんとなく水分が多いような……。

初めての自炊カッチ式ビリヤニを実食!!

 お皿に盛り付けていざ実食!! ………なのですが、炊き上がりの段階で分かっていましたが水分量で少しミスっています。ぱっと見でカレーのマリネ液部分が「親子丼の卵」みたいな見た目になっているのがわかります。また、ライスを含め全体的に水っぽい印象です。うん、グチャっと混ぜた親子丼に見えなくもない……。そうなるとパクチーが大葉かな。

 これはバスマティライスより表面の弾力があるセーラ米を使用したことで水分を思ったより吸っていないこと、マリネに使用したヨーグルト(水分量)が多すぎたことが原因でしょう。

 見た目は引っ掛かりを覚えますが、食べてみるとちゃんとビリヤニです。鶏肉はしっかりと火が通りつつパサついていないというバッチリな加熱具合。味わいは異なりますが、先日の記事で触れたBABAじぃさんのビリヤニのようにカレーカレーしていないタンドリーチキンっぽいカレー味です。特に今回はパクチーを使用したのでより近い味わいとなっています。

 味に関してついでに書いておくと、私が作るビリヤニは相変わらず甘口で塩分と油分控えめになります。カレー粉とカルダモン、クミン、シナモン、クローブを使っていますが「チリパウダー」、「カイエンペッパー」といった唐辛子を入れていない上にフライドオニオンを入れているのでボンカレー甘口もびっくりなくらい甘い。さらに一般的なビリヤニのレシピやお店ビリヤニよりも塩と油が少ないのでよく言えばあっさりしています。これらは私が単純に辛い・塩辛いのが苦手なので作ると勝手にそうなるのです。おそらくそこら辺のキッズが食べても余裕でしょうし、辛さに関しては物足りなさを覚えるかもしれません。

 水分量でミスりましたが、実際に作ってみると「カッチ式」もそこまで難しくはありませんでした。もっとお米や具材の生煮えなどの失敗を予想したのですが、思った以上に蓋をしての弱火約10分と蒸らしの加熱力はすごかったということでしょう。

 それ以外にもほぼ同じ材料でもカッチ式とパッキ式でここまで味わいが変わるというのが面白いと思いました。そこまでカレーっぽくしたくない場合はカッチ式の方が良いかもしれません。また、一度カレーを作るパッキ式と比較して、キッチンに強いカレー臭が付く程度が軽減されます。

その後も再度カッチ式で調理(リベンジ)

 初めてカッチ式で調理してからリベンジも兼ねて再度調理しました。マリネ液はひたひたではなく、具材に薄くモッタリ纏うくらいで良いとわかったのでヨーグルトの量を調整。また、セーラ米を使用しているので初回より気持ち長めに炊き時間、蒸らし時間を取りました。炊き上がった段階で前よりはパサっとした印象。

 今まではざっくりと底から混ぜていましたが、お店ビリヤニを参考に混ぜずに底から持ち上げるようにして盛り付けてみることにしました。一切混ぜないことで白い部分、黄色い部分、底の具材とコントラストがハッキリした味わいになることを狙ってみました。この前のBABAじぃさんのビリヤニもそうですし、最近ネットで見かけた東京にある「ビリヤニ大澤」というお店を参考にしてみた次第。

※お店で提供されるビリヤニの中には、ビリヤニの上に「別炊きのバスマティライス」を散らすことで「むらのある見た目」を出しているところもあります。

 お皿に盛り付けたのがこちら。お米の表面を見ると初回より水っぽさはありません。それでいてしっかりとライスの白と黄色がハッキリと分かれています。バスマティライスの茹で加減、炊き込み時間で調整していく部分もありますが、だいたいの要領は把握できたと言って良さそうです。

 初回と比べると具材の周りにボソボソとした感じのマリネ液はほとんど見られません。同じチキンビリヤニですが味もこちらの方が格段に美味しいです。うまく表現できませんが具材・マリネ液・ライスの「一体感」が格段に増したような食感・味わいです。

 これを食べてしまうと前項の初回ビリヤニはやはりカレー味の親子丼みたいなものです。ビリヤニに限らずですがお米料理は「水分量」が肝なのだということがよくわかる例です。

あまり大っぴらに言えないけど……

 3回目は具材を「カレー用の角切り豚肉」を使用しました。つまり「ポークビリヤニ」ということ。ビリヤニ原理主義者や本場の方が見たら、文字通り戦争になるメニューですが、これも食べてみるととても美味しい。

 初回の時に作り過ぎていたマリネ液を流用して「タンドリーポーク」的なものを作ったのですが、これが非常に美味しかったのです。おかずでも美味しいのですが、酒のつまみでも美味しいんだろうな(私はお酒飲みませんが)という代物です。

 日本で食べられるカレーライスにおいて豚肉は一般的かつ主流な具材です。これでビリヤニを作ったら日本人の舌にドンピシャなものが作れそうだと思うのは当然の流れ。

 実際に作ってみたらとっても美味しい!! 豚肉由来の旨みもしっかり感じられます。また、意識的に少し焼き目・焦げ目が付くようにして炊いたので香ばしさもプラスされています。本場の味を志向する方には疑問符の付く存在ですが、間違いなく日本人の舌に合う味わいだと思います。

 日本だと牛・羊は高価な部類に入り、好き嫌いも出やすい具材です。宗教上の理由が無ければ、安く入手できる鶏肉・豚肉で気軽に作るくらいがちょうど良いのではないかと思います。自炊なのでその辺は厳密じゃなくても……といったところ。

カッチ式も作れるようになるとクセになる

途中で保存容器が切れた……。(残りはラップでおにぎり状にして冷凍)

 具材変えつつ3回カッチ式ビリヤニを作ったわけですが、典型的なカレー味とはまた違った味わいが若干クセになりました。あと、先述の通り、パッキ式よりもキッチン内に匂いが残りにくいのが地味に助かります。要領や気をつける箇所は把握できたので今後もアレンジを加えたりして作りたいと思います。まぁ、冷凍ストックが大量にできたので当分は作る必要はないでしょう。

 あと、今回は自宅にあるストックの関係で「セーラ米」を使用しましたが、加熱時間を通常より少し長めに取れば問題なく美味しいビリヤニができます。むしろ加熱しすぎてもグズグズに崩れにくいのでリカバーしやすいというメリットもあります(栄養価もこちらが高い)。通常のバスマティライスよりも価格が安く、弾力があり、崩れにくいのでこれからビリヤニ作りに挑戦する人にはお勧めしやすいお米です。

余談:「インドのごはん鍋」なる本場のお鍋を見つける

 「信毎メディアガーデン」1Fに入っているお店で「インドのごはん鍋」なる鍋を見かけました。YouTubeなどで本場の人がビリヤニやカレーを作る時に使用している鍋そのものです。まさかこういうところで実物にお目にかかるとは思いませんでした。売っているものなんですね。

 ネタ的には買うべきなんだろうけど値段的には買えませんよ……。そもそも家庭のガスコンロでちゃんと使用できるのかな?

 試しにAmazonで検索したら売ってる。しかもさらに高いっっ!!