県道55号(大町麻績インター千曲線)をミニベロでサイクリング 差切峡・山清路(筑北村〜生坂村)を往く

 前の記事の続きに当たりますが、長野県筑北村からお隣の生坂村までの「県道55号(大町麻績インター千曲線)」をミニベロでサイクリング。この区間は「差切峡」「山清路」が景勝地として有名です。舗装されてるとは言え、狭い山道といくつかのトンネルを抜ける必要があるルートです(2トン車以上は走行不可)。先に言ってしまうと、もし紅葉シーズンだとしても地味で花に欠ける「寂れた観光地・景勝地」というエリアです。まぁ、そういうところを自転車でゆっくり走るのも趣があるというものです。

※前の記事ので触れたボリュームあるランチのカロリーにビビって走ることにしただけです。はい……。

県道55号(大町麻績インター千曲線)をミニベロで走るよ!!

 筑北村から生坂村に向かうのに使う「県道55号(大町麻績インター千曲線)」をミニベロで走り進めていきます。道幅が狭い箇所や路面の荒れがありますが、舗装されているのでミニベロでも問題なく走れます。

 強いて言えば登り坂が若干大変なことくらいでしょうか。あとは「下り坂でもスピードを必要以上に落とす」、「段差では無理をしない」あたりを最低限抑えれば良いと思います。

 ブログの中で若干ネタ的に書いていますが、ミニベロでも山道を走るのは特段問題ありません。もちろん、その自転車のギア比などの仕様、路面環境、乗り手の体力・脚力などは絡んできます。さらに楽かどうかとなれば話は別です。比較対象でロードバイクやマウンテンバイクと比べたらもちろん大変でしょう。ただ、ミニベロならミニベロの「ハンドリングがクイック」、「段差に弱い」などの特徴を踏まえた走り方・扱い方があるので、それを踏まえれば快適かどうかは別として少なくともケガはしないと思います。(心配なら太いブロックタイヤに変えるのも手)

「差切峡」周辺エリア

迂回路(旧道)トンネルの横にさらなる迂回路が存在します。

 坂北荘を出発してすぐの差切トンネル横の迂回路という名の旧道を走ります。前に走った時と同じく通行止め看板が立っています。どんな要因で通行止めになっているのか興味があったので恐る恐る進んでみたところそのまま通過してしまいました。

 この区間に関しては、現行の「差切トンネル」は中が明るく、道幅も広いので迂回路を無理に使わなくても問題はありません。

 さらに進んで「ドの渕」というところまで来ました。トンネル横から下に降ることができます。トンネルの生坂村側には案内板が設置されています。

 川を渡った先の「熊の穴」は相変わらず橋の老朽化によって封鎖されています。

 改めて「差切峡」は犀川支流である麻績川(おみがわ)にある渓谷です。硬い礫岩や砂岩の地層に麻績川がほぼ垂直に流れ込んでできた渓谷です。

 流れ込んだ水によって小さな岩が動くことで渓谷を削ったことで丸く抉られたような箇所(ポットホール)もあります。春はツツジ、秋は紅葉が映える絶景の地とのことですが、今回は来たタイミングの関係で全然掠ってもいません……。

 注意点として柵などが無いので見物・撮影時は足元要注意です。この時も私以外は誰もいなかったので、万が一、事故ったら誰にも気づかれないまま朽ち果てるのは確定です。

複数のトンネル群を走り抜ける

 筑北村〜生坂村の「県道55号(大町麻績インター千曲線)」の区間は複数箇所のトンネルを通過します。一つ一つのトンネルは短いですが、道幅が狭くて暗い上に車もそれなりの頻度で通ります。ここに限らずですが昼間でも前後ライトの点灯は必須です。

 トンネルも外観からもそこそこ手のかかったものから、穴を開けてコンクリを吹き付けたであろう簡素なものまで個性があります。穴を開けるだけでも大変であることには違いありません。

 先に触れた差切トンネル横の迂回路にあったトンネルもですが、各トンネルの横にはほとんどの場合で迂回路らしきスペースが残っています。

 「差切3号隧道」横だと鉄柵が残っていますが今は誰も住んでいない民家に繋がっています。

 他のトンネルも迂回路だったり何らかの用途で使用されていたスペースの痕跡がちらほらと残っています。

山清路の風景

 さらに県道55号をさらに進んでいくと2020年12月13日開通の「山清路大橋」に到着。この橋を渡った先の交差点で国道19号線と合流します。

 山清路大橋のアーチ部分も下から見上げると迫力があります。

 ちなみに橋の手前には旧道区間があります。封鎖はされていますが通ろうと思えば通れます。通行止めポールに垂れ下がっている通行止めマークを見ると車とバイクの図が載っています。つまり、徒歩と自転車なら大丈夫……?

 山清路大橋からの犀川の眺め。生坂村のダムからの眺めもですが、犀川の特徴的なエメラルドブルー。

 反対側(大町市・明科方面)からの眺め。左側の山肌に沿って旧道区間と「山清路橋」が確認できます。

 一旦、国道19号線に出て「山清路橋」に移動。こちらも封鎖する気があるのか無いのかよくわからない状況。

 山清路橋からの眺め。こちらからの方が犀川のエメラルドブルーが強め。向こうには先ほどまでいた山清路大橋が見えます。

 山清路橋から入った旧道区間には「犀川線開通記念碑」なども残っています。

 車の侵入ができないようになっていますが、割と新しい山清路の案内看板が設置されているので徒歩で見て歩くには問題なさそうです。

 看板をもう少し拡大した画像。今いるのはここ。

 山清路橋側から見た「山清路2号洞門」。分かりにくいですが犀川の方に迂回路ではありませんが橋の外側に出ることができます。

 トンネルを抜けた反対側からの写真です。こちらだとトンネル左側に通路があるのがわかるかと思います。

 このように展望スペースがあります。

 こちらのスペースには長野自然100選認定記念として泉小太郎伝説の解説看板も設置されています。

 展望スペース・長野自然100選認定記念説明看板から見た眺め。先ほど通ってきた山清路大橋と山清路橋が並んでいます。

 対岸の国道19号側には展望台・休憩小屋が見えます。

 その国道19号線側の展望台からの山清路の眺め。先ほどの案内看板だと6番の位置です。もっと広角で撮ればよかったと後悔……。写真ではこんな感じですが実際は眩しくて大変でした。

※こちらは動画(音量注意)

 犀川を挟んで左側が国道19号線(明科・松本市方面)、右側は県道55号線(大町市八坂方面)。この後は右の県道55号線を少し登ってから国道19号線対岸、「山清路の郷資料館」がある道路を走ります。この坂を登るのかぁ……。

 眼下には先ほど通った「山清路2号洞門」と長野自然100選認定の案内看板が見えます。

 前に来た時より木々が生い茂って視界が塞がっていますが、山清路橋もわずかに見えます。

 この写真は先ほど触れた県道55号線の坂を登った位置から撮影したものです。山清路大橋、展望台、影に入っていますが山清路2号洞門が見えます。

山清路は安曇野市明科・生坂村方面、長野市信州新町方面、筑北村方面、大町市方面の分岐にあたる位置であり、基本的に素通りされるスポットです。ただ、これが紅葉で色づけば確かに「景勝地」と呼べる風景になるのでしょう。

 先に触れた犀川線開通記念碑や展望台、各種案内看板も残っているわけで、旧道区間も徒歩・自転車で走りやすく整えれば、派手ではないにしろ観光地として十分活かせそうに思えます。良くも悪くも各方面への分岐に位置するのでどこぞの観光のついでに立ち寄ってみるのも良いかと思います。

おまけ:生坂村から安曇野市明科へ抜けて帰宅

 帰りは国道19号線対岸の道路を使って生坂村・明科方面に向かいます。ちなみに先ほど触れた県道55号線をそのまま進めば大町市、池田町の七色カエデがあるところにもアクセス可能です。大町市までは16kmとのことですが、途中の坂道が大変なので積極的に走りたくはないですね……。

 国道19号線の対岸を走っていると頭上に大きな橋みたいなものがありました。後で調べたら「国道19号山清路防災1号トンネル(仮称)」というものだそうです。まだ完成していませんが山清路の案内看板にもこの橋はすでに載っていました。落石・災害における危険箇所回避のためのトンネルのようです。

 道の駅で休憩しつつさらに走り進めます。ダムを通過してからの登りがキツかった……。ここらへんも登るか降るかしかないです。

 雲が多めでしたが生坂ダムからの眺めも良いものです。

 そば祭りや博物館オープンで大混雑な松本市街地の様子を少し眺めて今回のライドはフィニッシュ。ライド終了時点での本日のログを確認。走行距離は約68km程度ですがアップダウンの激しいエリアをミニベロで走ったので距離の割にはなかなかの数字です。

 ここからさらに自宅までのんびりと走って戻りましたが市街地を抜けても道路が混雑して大変でした。危ないのでほとんど歩道を走って移動です。筑北村・生坂村の長閑な雰囲気と打って変わっての車と人の多さによる寒暖差で風邪引きそう……。