ロングライドのコツや準備について気をつけていること

 「ロングライド」というと「何キロからがロングライドか?」という話になりますがその辺の定義は置いておいて、長距離(輪行遠征含む)を走る際に気を付けておくことなどを紹介したいと思います。これから長距離を走りたいという場合に参考にしていただければと思います。

・20kmずつ区切って距離を伸ばす

 いきなり100km走るのは無謀。どんなことでも無理のないところから少しずつ練習をして伸ばしていかないと無理が祟って思わぬトラブルに遭遇することになります。数字については各々の体力やスポーツ歴によりますが、個人的には20km→40km→60km→80km→100km→120km・・・というように20km刻みで走る距離を伸ばしていく方が無理がないと思います。私は折りたたみのミニベロから始めていますがロードならもう少し距離を伸ばして刻んでも問題ないかと思います。その辺は体力次第です。

・休憩は約1時間ごとにとる

 休憩は可能なら最低でも1時間ごとにとった方が良いと思います。最初に挙げた20km区切りにもかかってきますが、時速20km~25kmで20kmの距離を走行すると約1時間かかります。夏なら水分補給も兼ねてもっと小まめに取るべきだと思います。

・服装に気を付ける

 「服装」には気を使うべきです。ある程度の長距離を走る場合はスタート地点と目的地の天候が違うということはザラにあります。特に夏場はゲリラ豪雨の心配もあります。全工程を同じ服装で対応するのは無理があります。今までの経験から言えば「レイヤリングで対応する」の一点に尽きます。

 「薄手の基本スタイル」に「ベスト」・「レインウェア」、冬なら「ジャケット」を重ね着するスタイルです。サイクリングに限らずアウトドア全般での服装の基本です。

 あれもこれも揃えることが資金的に難しいと思いますが晴れが確実なら「ベスト」、それ以外は「レインウェア」があれば充分です。サイクリング定番の「ウインドブレーカー」は不要です。レインウェアは防水・防風・多少の防寒は担えますがウインドブレーカーはそれと比較して劣ります。1着で全機能を担えるレインウェアに投資した方が無駄がありません(無理にサイクリング専用品でなくても大丈夫です)。レインウェアについては別記事で今後扱う予定です。

・修理グッズと輪行袋は必ず携帯する

 距離に関係なく「パンク修理グッズ」「輪行バッグ」は携行すべきです。

 持っていない人はいないと思いますが「パンク修理用グッズ」が無いと走れなくなってしまうので必ず携帯です。チューブも長距離を走るのであれば余裕を持って最低でも2つ準備した方が安心です。 

 「輪行袋」は走るエリアの状況にもよりますがトラブル等で走行できなくなった際に公共交通機関で撤収することができます。もしも電車が無くタクシーを呼ぶにしても輪行バッグに梱包せずトランクに入れることはできません。私はタクシーは利用したことはないのですがタクシー側に断られるケースが大半のようです。

 パンク修理グッズと輪行袋は「走るか撤収するかの選択肢の確保」のために必ず必携しておくべきです。

・現地情報をよく調べる

 ざっくりしていると思いますが目的地及びルート上の天候や道路状況、お店や自動販売機の有無を調べておくということです。

 「当日のせっかく準備して走り出したら大雨に降られてしんどい思いした・・・」となったら楽しめないと思います。雨予報なら素直に延期する判断も必要です。グラベルロードやマウンテンバイクなら平気と思う人もいるのかもしれませんが「雨天を走るため」に導入する人や走りたがる人がいるのか甚だ疑問です。

 道路状況についてもGoogle マップで調べるなど路面の状況や工事の実施有無など調べた方が予定を立てやすいです。荒川河川敷でも工事で迂回路を走る場面があるので出発前に調べた方が安心です。

 特に地方に行く場合は要注意ですが水分や食料を補給可能なお店や自販機がルート上に有るかを調べないと補給できなくなります。特に夏場は水分補給が生命に直結するので要確認です。

・公共交通機関の場所や時刻を調べる

 先述の輪行袋携帯の部分と被りますが「エスケープ手段」は講じるべきです。トラブルに対応できることと「心理的なプレッシャー緩和」の上で大事なことだと思います。「押して歩いて何とか駅に辿り着ける」というのが最低限の基準。

・峠道(坂道)を避ける

こういう道は峠道かどうかに関わらずロードバイクで走る所じゃない(まだマシな方だった)

 長距離走行に慣れないうちは平坦路主体のコース設定した方が安全です。坂道の上り下りがきついというだけではなく道路状況が悪いところもあるので事故を防ぐという観点でいきなり挑戦するのは避けるべきです。どうしても組み込む場合は「全力で坂道に挑まない」ようにしましょう。どうしてもキツければ自転車を押していくつもりで良いと思います。長距離を走る場合に重要なことは「5〜7割の出力で走り続けられること」だと思います。長距離マラソンと同じで低出力で走り続けられるようにしないと長距離を走りきることはできません。ある坂道で体力を使い切ってしまったら残りのルートを走れなくなってしまいます。特に最初のうちはまだまだ体力のマネジメントも難しいと思うのでリスクの塊であるヒルクライム・ダウンヒルは避けましょう。

*サイクリング系ブログを眺めていると「貧脚」アピールしている人を見かけますが、あの手の人たちはほぼ間違いなく「貧脚詐欺」なので鵜呑みにしないようにしましょう。本当に貧脚な人が峠道を走れるはずがありません。

・夜間走行は避ける

 慣れる慣れない以前に「夜間走行」は極力避けるべきです。単純に視認性が悪くなるので事故のリスクが増します。都市部なら夜でも明るいのですが田舎道・河川敷だと真っ暗です。自分が大丈夫でも自動車などの相手側がこちらに気づいていないというケースも考えられます。夜間走行を避けるべきと書きましたが季節や予想外の遅れなどで暗い中を走ることは想定されるので充分な明るさを備えたライトを準備するべきです。

準備することは登山などのアウトドアと変わらない

 実際に自分が準備することを思いつくまま挙げてみましたが多い上に「登山とたいしてやることが変わらないな・・・」と思います。サイクリングと言えど立派な「アウトドア」ということでしょう。しかも、ロングライドとなれば相応の準備をしないと峠道で途方に暮れるという可能性は十分あります。「無事に帰ってくる」のがアウトドア全般の原則だと思います。遠くまで行って事故やケガをして帰ってきたら「わざわざ遠くまで何しに行ってきたんだ・・・」となります。

 色々と前段階で準備すべきことはありますがサイクリングに限らずアウトドア全般こういった準備も含めて楽しむものだと思います。