グラベルロードの輪行やキャンプツーリングについて

 KONA ROVE STを運用してみてグラベルロードを買う前に予想していた問題点についてある程度の確信が持てたので「グラベルロードの輪行」「キャンプツーリング」について書いてみることにしました。

*先に断っておくと今回の記事はグラベルロードで「グラベルを走りに行くぜっ!!」という方にはまず関係ないと思われる内容です。グラベルロードで「キャンプツーリングをしてみたい」、「グラベルロードでロングライドしたい」という場合についての記事になります。以下のことは私の考えやら経験やらをベースに書いています。そのため非常に偏っていたり間違っている部分もあるかと思います。それを承知の上でお読みください。

 結論を先に言ってしまうと「輪行でのキャンプツーリングは現実的ではない」ということです(やる前に察しはつきますが・・・)。キャンプツーリングは「選ばれし者にのみ許された遊び」だということです。

 突き放すような結論になりますが理由は下記をお読みください。

グラベルロードでは輪行は必須

 最初に言っていた「輪行は現実的ではない」と矛盾しているようですが「グラベルロードこそ輪行が必須!!」だと思います。

 都市部に居住している人に特に当てはまる問題ですが、自宅近辺または居住している街の周辺にキャンプ場やグラベル環境がある人は非常に稀だと思います。特にキャンプはどこでも好き勝手にやって良いものではありません。キャンプができる場所はほぼ限定されます。そういった場所に行くまでに50km以上移動するというのも大袈裟な話ではありません。

 ロードバイクでのサイクリングなら「たかが50km」ですが窮屈な街中をテントやシュラフ等々パッキングした自転車で50km走るのは大変です。さらにキャンプとなれば設営やら食事の準備やら色々な楽しみが控えているのでいかに体力を温存するかが重要です。疲労困憊でテント設営しても楽しくないと思います。

 この問題を解決するための手段として「輪行」があります。もしくは車でのトランポも有りでしょう。(そもそも車でのトランポが可能なら車でキャンツーすれば良い話ですが・・・)

 輪行という手段を活用すれば目的のエリアまで体力と時間を温存しつつ遊ぶことが可能になるわけです。ただ「グラベルエリアを走りに行く場合」はロードバイクと同じように輪行すれば特に問題はないと思います。フレームバッグが付いていても写真のように輪行状態にすることはさほど問題ありません。

 ディスクブレーキモデルの輪行についてはフレームサイズや形状によりますが養生すればそこまで心配しなくても大丈夫です。フレームバッグ自体がクッションの役割をしてくれたりもします。ホイールの着脱についてもクイックリリースよりセンターにしっかり嵌るのでディスクブレーキモデルの方が楽だと思います。

 このようにただ輪行するだけなら特に問題になりません。しかし、「キャンプツーリング」となると話は別です・・・。

キャンプ装備での輪行はほぼ不可能

 キャンプツーリング装備だとシュラフやテント等々のキャンプ道具を積載しています。これらの荷物を含めて輪行バッグに収めるのはまず不可能です。荷物を抜きにしてもリアキャリアやフロントバッグ、フロントフォークキャリア等のオプション装備が付いた状態で輪行バッグに梱包するのも厳しいでしょう。

 この写真のモデルは日本では未発売のKONA「SWIFT ROVE」。Swift Industriesとのコラボモデルとのことで最初からこれらのバッグが装着されています。これらのバッグに必要な荷物を積載すればすぐにツーリングに出発できます。他メーカー品を使用してもキャンプツーリング用にパッキングすればコレに近いシルエットになると思います。しかし、これらのボリューム満点な内容で電車や新幹線後部スペースに置くのはほぼ絶望的・・・。

 さらにキャリアから外した荷物をどうするのかという問題もあります。自転車単体でも車内でこのくらいスペースを占有しています。さらに大きな荷物を追加で運びこんだら大顰蹙・・・。

 他にはアウトドアで使用する大容量バックパックも選択肢に挙がりますが今度はライド時に邪魔になります。背中に何かを背負ってのサイクリングは身体への負担が非常に大きいので避けたいところです。輪行時にバックパックになるサドルバッグもありますが容量はたかが知れているので現実的ではありません。長々と書きましたがキャンプ装備になった瞬間「輪行はほぼ不可能」ということです。

グラベルロードでロングライドは大変かも・・・

 輪行が無理なら目的地まで自走すれば・・・と思いますがロードバイクとの比較でグラベルロードでのロングライドは非常に不利です。ロードバイクは「速く走る」ことに特化した自転車です。ロードバイクでのロングライドが成立するのは「限られた時間で長距離を速く走れる」からです。

 ギア比によりますがグラベルロードはお世辞にもそこまで速く走れません。さらにキャンプ装備をしていれば重量が増してもっと遅くなります。走行時の「快適性・安定性」とのトレードオフの結果とも言えます。

 低速であれば目的地に着く前に日が暮れてしまいます。宿泊するなら問題ないと思うかもしれませんが暗い中でのテント設営等はやってみると大変です。さらに遊ぶ時間が限られる社会人にとって「時間」が犠牲になるのは死活問題だと思います。そういう意味ではグラベルロードはロングライド、長距離の移動には不向きとも言えます。

 「ロングライド」想定であれば綿密なスケジューリングと合わせてタイヤをスリックタイヤに交換したり、ギア比を見直すなどするのも一つの手段と言えます。あくまでも舗装路天国の日本に限りますが舗装路走行に振ったアッセンブリーが最適だと感じます。

つまり最適解は・・・?

 グラベルロードで目的地までロングライドは大変→輪行しよう→キャンプ装備だと輪行は無理→それなら目的地まで自走→グラベルロードで目的地までロングライドは大変→輪行し・・・

出口の見えないループ!!

 この無限ループに対する答えはほぼ出ています。

 それは・・・

車で目的地までドライブ

キャンプ場やグラベルエリアに自走で行ける場所に住む

 元も子もないですがこれが現実だと思います。これができない人は厳しいと思います。東京だったら多摩方面ですかね・・・。

 東京のサイクリストにとってメジャーな荒川河川敷エリアだと「彩湖」や「葛西臨海公園」・「若洲海浜公園&江東区立若洲公園」あたりもあります。ただ、荒川河川敷については10月の台風19号の影響から諸々難しいと思います。こう考えると自転車でキャンプツーリングをすることができる人は限られてくるように思えます。

 他の手段となると『ゆるキャン△』のりんちゃんの如く原付やらバイクに乗り換えないと厳しいと思います。そういえば『ゆるキャン△』のりんちゃんも最初は自転車でキャンプ場に行っていますが自宅からなんとか行ける場所です。それ以上の距離は原付に乗り換えてからですね。

 繰り返しになりますが以上のことはあくまでも私の考えやら経験やらをベースに書いています。そのため非常に偏っていたり間違っている部分もあるかと思います。ただ、ROVE STで実際に走ってみて「あながち間違いではないかな・・・」と思い書いてみることにしたわけです。

*ブログには出していませんがテント泊装備パッキングは一応テストはしています。少なくとも夏にはやりたくない・・・。

 色々厳しい話を書きましたがあくまで「キャンプツーリング」という部分での話です。個人的にはレースに出るということで無ければグラベルロード(もしくはシクロクロスバイク)はロードバイク よりもオールラウンダーでオススメしやすい自転車だと思います。