tokyobikeのシングルギアモデル「TOKYOBIKE MONO」レビュー 乗り心地や購入理由など

 街乗り用の自転車としてtokyobikeというメーカーの「TOKYOBIKE MONO」を納車しました。TOKYOBIKE MONOは変速なしのシングルギア (44T-18T)モデルで「シンプルでちょうど良い」というコンセプトを形にしたとのこと。変速機は付いていないので見た目も機能もスッキリとしたシンプルな自転車です。だいぶ前からデザインは気に入っていたのですが後述の理由などから購入することにしました。

デザイン以外は特筆すべき点のないシティサイクル(結論)

 先に結論ですがしばらく乗ってみての感想は「シンプルでおしゃれなデザインのシティサイクル」。そのままな表現ですがそれ以外に言えることがありません。良いとか悪いとかの話ではなく、それ以上もそれ以下も無いというのが正直な感想。

 乗り心地はどことなく「懐かしい感じ」がしたのですが幼き頃に乗っていたママチャリ……もといシティサイクルそのままです。トーキョーバイクの自転車は基本的に街乗り想定です。26インチサイズのタイヤとシングルギアというのも余計にそれを感じさせる要因なのかもしれません。ブレーキもお世辞にも効きの良くないロングアーチブレーキで総じて街乗り用途以上のことはできない設計です。これは「オシャレかつ若干スポーティーな見た目の自転車をシティサイクルと遜色ない乗り心地で扱える」ということです。見方によっては取っ付きやすいというメリットと捉えることもできます。

 正直なところデザインとシングルギアくらいしか引っかかる部分、すなわち「購入する理由」というものが見出せない気がします。MONOは税込で58,300円ですが特別安いかと言われればそうでもない価格。トーキョーバイクの他モデル(変速あり)も仕様と価格を見るに同じ感想でデザインにこだわらなければ他社クロスバイクやシティサイクルを買った方がコスパは良いです。特にシティサイクル(ママチャリ)ならカゴ・スタンド・リアキャリアが全部付いてきますし。

 褒めているのか、けなしているのかわかりにくい書き方になってしまいましたが、シングルギアという特徴もあるので街乗りかつ使用環境が合えば特段の過不足なく使える。そういうモデルだと思います。

人と環境を選ぶモデル

 わざわざここで書くこともないほどわかりきったことですがMONOはとても「人と環境を選ぶモデル」です。自分が走るエリア・ルートの環境で使えるか使えないかがはっきりと分かれます。街乗り想定が基本のトーキョーバイクの自転車の中で「変速無しの自転車」なので長距離や坂道のアップダウンのある使用環境には向いていません。

 また、「街乗り」と言ってもそれなりに路面が整備された平坦ベースな街でないと支障があります。シングルギアなので快適な走行距離もせいぜいが数キロといったところではないでしょうか。日々の通勤通学で使用するともなればそれ以上の距離は移動だけで疲れてしまいます。

MONOは後から多段化することができない仕様です。以上の部分で懸念がある人は選んではダメなモデルと言えます。

シングルギアのシンプルな構成について

 TOKYOBIKE MONOはシンプルなシングルギアです。スッキリとした後輪周りでチェーンの掃除などお手入れは簡単です。日常使いの自転車としてはこの点は大きなメリットです。

 フロント44Tーリア18Tのギア比「2.44」です。公式サイトから引用すると「踏み出した瞬間から軽く心地よい」ギア比らしいですが私には若干重いく感じます。特に漕ぎ出し。このあたりは各々の脚力によるのでなんとも言いにくいところですが、ストップアンドゴーが多い街乗り用途だともう少し軽くて良い気がします。今後、どうしても気になるようであればスプロケを20Tあたりに交換するかもしれません。

キックスタンドとペダルは交換推奨(+他パーツについて)

 トーキョーバイクの公式サイトでは各種オプション、サドルやグリップなどのカスタム事例が掲載されています。私は手持ちのpepcycles「カフェラック」を使い回しています。ラックの方が追加でカゴを付けたり、大きな荷物を括り付けるなど汎用性を持たせられます。カフェラックじゃなくてもアデプトなどからラック製品は出ているので使い方で選べば良いと思います。

 その他のパーツ・オプション類については「キックスタンド」・「ペダル」は違うものに交換してしまった方が良いと思いました。

 MONOは片脚のキックスタンドが最初から付属してきますが安定性に欠けます。スタンドの長さを調節するにしても駐輪場所や風などの要因で簡単に倒れそうです。多少、重くなりますが「ダブルレッグセンタースタンド」に交換した方が実用的です。キャリアやカゴに荷物を載せるならなおのことセンタースタンドがオススメです。

 ペダルについても最初から割としっかりしたものが付いていますが、金属製の角ばった形状ゆえに自転車を押している時など脛に当たって痛いです。よくある黒いプラ製ペダルか角が丸いタイプのペダルに交換しようか検討中です。無難かつ堅実なところで三ヶ島ペダルか。

 タイヤはある程度整備された街中の路面を走るので、標準26インチ×1.15HEでも不便ではありません。それでも車道と歩道の段差など耐衝撃性を考えるともう少し太いタイヤでも良いかなとは思います。公式の情報では1.75(泥除け併用は1.25)まではクリアランス的に対応しているそうなので1.75でそのうち交換するかもしれません。

 グリップとサドルは当面はそのままの予定。グリップはフェイクレザー?の筒状のもので快適な握り心地とは言えませんが、一度の走行距離を考えればわざわざ別グリップに交換するほどでもありません。サドルも然り。どうしても気になるならエルゴ形状グリップや穴あきサドルでしょうか。

 リムブレーキはポリッシュ仕上げのロングアーチキャリパーブレーキですが効きは良くないです。ブレーキレバーを握ってから効き始めるまでに若干のタイムラグを感じます。速度を出さない前提なので標準のままでも問題はないと思っています。それでも何かしら支障があるようならシマノのハイエンドグレードのブレーキシューに変えてしまうかもしれません。ブレーキシューなら安いです。

 最後にパーツではありませんがアウターケーブルとフレームの接触箇所にテープで養生しとくと擦れ防止になります。フレームの塗装はサビ防止も兼ねているので養生する意味はあると思います。セロハンテープだと後で糊の劣化で汚くなるので3Mテープがおすすめです。

購入した理由

 最後の方になりましたがここで購入理由。上記まであまり褒めていないのですが、その制約の多い仕様とおしゃれな見た目が購入理由です。

 当初は街乗り用として購入したライトウェイ「グレイシア」。これが思った以上に無理の効く仕様からロングライドや山道まで多用途に使ってしまっています。およそ公式サイトの使用場面とはかけ離れたシチュエーションでの運用状況です。それゆえに純粋に「街乗りでしか使えない」くらいの自転車が欲しくなった次第。

 tokyobikeのシンプルなデザインは初めて見た時から気に入っていたので見た目で選んでいます。仕様については街乗り用途なのでシングルギアという機能が絞られたMONOを選択。効きの良くないロングアーチキャリパーブレーキと相まって街乗り以上のことができないのでちょうど良いと考えました。下手にギアなんて付いていたらグレイシアと同じように街乗り以外でも使ってしまうでしょう。

 とは言え、ブレーキは重要な安全装置です。上でも触れましたが支障があるようならブレーキシューだけでもシマノのアルテグラあたりに換えるかもしれません。アルテグラと言ってもブレーキシューなら1,500円前後ですし。

 あと、ここまで頑なにシティサイクル(ママチャリ)を買わないのもそれなりの理由があり、保管と出口戦略(処分や運搬など)が難しいことが挙げられます。一般的なシティサイクルは重量が約18kg以上はあります。電動だとそれ以上です。さらに車体サイズもそこそこの大きさなので駐輪場所・保管の面で支障があります。また、引っ越しや処分などの際に非常に扱いに困ります。

それらのことを考えると10kg前後で分解がある程度可能、処分するにも買い手が付く可能性があるという条件は外せません。今回のTOKYOBIKE MONOくらいの自転車なら輪行のようにバラしてシクロエクスプレスで発送することも可能です。引越しでも売り払いでも輸送手段があります。ドライな表現になりますが自転車に限らず、道具として扱うものなのでそういう部分も含めて検討してから買うようにしています。それを踏まえるとこれからもシティサイクル(ママチャリ)を買うことは無いと思います。

なぜか松本市でよく見かけるtokyobike

 最後にローカルなネタ。名前の通り東京のような都市部での使用がイメージされるところですが、なぜか長野県松本市ではtokyobikeをよく見かけます。TOKYOBIKE26、MONO、ミニベロタイプまで割と幅広いモデルを見かけます。東京にいた頃よりも目撃率が高いかもしれません。街に取扱店があるということも大きいのかもしれませんが、市街地から郊外まで狭い範囲で見れば平坦ベース、緩やかな坂道なので無理なく運用できるのかもしれません。とは言え、蟻ヶ崎や岡田あたりだとMONOみたいなシングルギアはきついと思います(ショップのスタッフさん談)。