昨年に続き小谷村の「第44回 塩の道祭り 2023年」に参加してきました!!

 もう7月も終わろうというタイミングですが5月3日に長野県小谷村で開催された「第44回 塩の道祭り 2023年」についての記事です。忘れていたわけではなく、写真・動画の整理が追いついていなかったのでこのタイミングになりました。

 昨年の記事にも書いていますが、「塩の道祭り」はかつての「千国街道(塩の道)」を歩くというイベントです。毎年ゴールデンウィーク期間中に行われており、3日は小谷村、4日は白馬村、5日は大町市と日程をずらして開催しています(白馬村と大町市は要事前申し込み)。また、「歩く」とは言いますが山登り的な要素が強めです。

 昨年も参加しているこのイベントですが、新型感染症の扱いが5類に変わる直前の開催ということもあり、昨年とは良い意味で様子が異なっていました。この記事ではそういった昨年との違いも踏まえた感想などを書いていきたいと思います。

※ルートや各スポットについては昨年記事の方をご覧ください。

今回は車+送迎バスで参加

 昨年は「電車+駅からの送迎バス」で参加しましたが、今年は車で栂池高原まで行き、そこから出ている送迎バスでスタート地点に向かいました。スタート地点は南小谷駅から北にしばらく行った先にあるローソン付近。微妙に距離があるので送迎バスがあると助かります。

 スタートは昨年同様に受け付け後に各自バラバラに出発。今回は昨年よりも30分ほど早くスタートしたので人の大きな波を避けて歩くことになりました。道が空いているので自分のペースで歩きやすかった一方、昨年遭遇した旅装束に身を包んだ一団などはほぼお目にかかれませんでした。歩きやすかったですが寂しさも感じる何ともいえないものがありました。

 ゴール目前の未舗装区間を抜けたところで後ろを振り返ると奥の方からどんどん団体様がやってきます。どうやらあの辺からが波のピークだったっぽいです。

歩きやすくて見るものも多くあるルート

 塩の道祭りで歩くルートは「千国越えルート」という小谷村の下里瀬(ローソン付近)~栂池高原中央駐車場までの約9kmの区間です。小谷村内でも塩の道はいくつか分岐し山深いルートもあります。

 その中でも「千国越えルート」は当時の面影を残しつつも非常に歩きやすいルートです。まさに今回のようなイベント向きのルートと言っても良いでしょう。

 現在の人里からはアクセスしやすく、イベント・観光のために標識や看板もある程度整備されています。イベント当日も運営スタッフが要所要所に配置されて補給スポットも十分にあります。

 スタートからきつめの坂道があったりと決して楽な道ではありませんが、登山に比べたら遥かに難易度は低いと言えます。

……いや、やっぱりきついな。

 まぁ、街中や平地ではない場所で行われるウォーキング・ハイキングイベント(多分に山登りだが)としては子供連れでも参加しやすい方だと思います。小さな子供連れも多くいたのがその証左と言えるでしょう。

昨年参加した時のログですが区間9kmとしてはこのボリューム感です。(※クリックで大きく表示可)

 ほかにも資料館をはじめルート上には見るものが多くあります。番所の通行税など当時の様子についての解説もあります。番所の通行税に関しては解説を読んでいて「ボリすぎだろ」と思いました。いつの時代の税金もこんな感じですね。

 昨年に続き千国番所の資料館で役人から手形改を受けます。不審な動きをすれば隣の部屋に置いてあるトゲトゲがいっぱい付いた怖い道具で絡め取られることでしょう。ところで右側の人はどことなくくたびれた感じがあるのですがわざとそう作ったのかな?

 塩の道と言えば石仏は抜きにできないわけで行く先々で多くの石仏が出迎えてくれます。

 当時も今も道ゆく人を見守るように佇んでいます。

昨年との大きな違い

 昨年の塩の道祭りとの大きな違いは冒頭でも少し触れましたが「アフターコロナ」という点です。新型コロナウイルスが感染法上の扱いが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行したのは記憶に新しいかと思います。それによって2020年から続いてきた感染症防止対策のための生活様式やイベントの開催自粛・規模縮小、旅行等の移動自粛の制約が大幅に緩和されました。

こういう美味しいお弁当の準備も大変だったと思いますが感謝です!!

 5類移行は5月8日以降だったので塩の道祭りの数日後ということになりますが、この動きを受けて昨年とは打って変わって村総出のような体制での運営状況でした。これは参加していて「そう見えた」だけなので実際はどうかはわかりません。ただ、昨年よりも明らかにルート上の出店や運営スタッフ(地元民)の数が多かったのです。特に各休憩スポットにおける飲食物の「ふるまい」、それに関わる人数が昨年よりも多かったことがそれをより強く感じさせました。昨年と同じ感覚で水分と補給食を持っていったらほぼ全て手付かずの状態でゴールできました。それくらいに充実していたわけです。ありがたいことです。

 人数に関しては参加者についても同じことを感じました。ゴールの栂池高原でざっと眺めているだけでも人の密度感が明らかに異なっていたわけです。後で報じられたニュース記事によれば参加人数も昨年の約1,500人から今年は約2,500人だったそうです。それなら大きな人の波を避けて歩いていても参加者が増えたと感じるのも当然です。

村総出でおもてなししている印象

あのカーブの先でもイベントTシャツを販売していました。

 前項と同じく自分がそう感じたというだけですが「村総出で歓迎しています」という感じを強く受けました。どことなく「一体感」みたいなものを強く感じたのです。先に触れた通り各休憩スポットにおける飲食の提供、ルート上の飲食物やグッズ販売の出店、千国番所に立っていた門番さん達などなど……イベントに関わっている地元民の動員人数はイベント規模の割には多い印象。

 小谷村は人口が2,816人(2020年3月時点)で典型的な超少子高齢化の過疎地域です。言い方は悪いですが、そういう地域なので子供の数もそう多くはないわけです。イベントで見かけた子供の人数を見るに総数のうちのそれなりの人数が参加していたと思われます。うまく表現できませんが「村総出で外貨を稼がないとみんなで沈む……」という危機感のようなものから一体感が生まれているのかなと勝手に想像(決して貶しているわけではありません)。イベント実施の経費と収支がどれほどのものか不明ですがこういった地域であれば決して馬鹿にできないのではないかと推察。

 お祭りの参加者としては昨年の様子も知っている分、「歓迎されている感」があって純粋にに嬉しいものなのです。昨年は小谷村ではありませんが、感染症のことがあるとは言え不快に感じる対応をされることもあったので、非常に晴れやかな気持ちで楽しむことができました。

来年もたぶん参加する

 今回は主に昨年と違った部分についても触れてみました。やはり受け入れ側も参加する側も大手を振って動けると一味も二味も違ってくるなと言うのが参加しての印象でした。もちろん5類に移行したからと感染症そのものの脅威は変わりませんが、私たちの心理的なところで「楽しむ」ことに全振りできるような気がします。

 昨年より参加人数が増えていましたが、屋外イベントということもあり「混雑感」は無く、昨年同様快適に参加できました。今回これだけ楽しめたので次回もぜひ参加したいと思います。

※ついでに書いておくと寒くはないのですが、日差しと虫の心配もあるので「日焼け止め」・「虫除け」は持参しておいた方が良いです。