RENEGADE S2をオーバーホールに出したタイミングに合わせてタイヤをチューブレスからチューブド仕様(クリンチャー)に戻しました。2年以上チューブレスで運用していましたが後述のことから元に戻した次第。チューブレスを使い続けてのレビュー、辞めた理由、乗り心地の変化など触れてみたいと思います。
辞めた理由:面倒くささが勝ったから
チューブレスを辞めた理由は「チューブレスのメリット以上に面倒臭さが勝った」ということに尽きます。チューブレス化の様子はだいぶ以前に記事にしていますが、インフレーター・チューブレスバルブ・タイヤレバー(チューブレス作業用)・シーラントなど道具を揃えるところから乗れるようになるまでに手間・コスト・時間がかかります。
タイヤにもよるのでしょうが最後のビード上げはインフレーター無しでできる自信はありません。さらにその後も定期的なシーラントの補充、半年~1年くらいでバラして掃除する必要もあります。
チューブレス化作業の中で特に厄介なのがタイヤの脱着。チューブレス対応グラベルタイヤは気密性を確保するためなのか、やたらと固くて脱着に苦労します。非力な私にはこの作業がとにかく苦行。作業後は手が痛くて他のことができないくらいです。
後述のパンクがらみのことも含め、これらの作業が定期的にやってくることを考えると面倒に思えてきます。週に何回も乗るなら別ですが、週1かそれ以上の期間でしか乗らないホビーライダーだと手間とコストの割には受ける恩恵が少ないと感じた次第。作業をショップに丸投げする方法もありますが乗れるまでに時間がかかることは変わりません。そこまでお金と時間をかけていられないのが正直なところです。
※忘れていましたが「相性問題」なんてものもありますね。私は特に遭遇しませんでしたが、タイヤとリムの組み合わせによってはうまくいかないケースもあるそうです。有名なのは「WTBのリム×グラベルキング」の組み合わせでしょうか。走っていたら爆発したという走行場面によっては笑えない事態もあるようです。
パンク時の対応
他にも前からの懸念材料であった「パンク修理」もあります。小さい穴ならシーラントが埋めてくれますが、それ以上の穴だとチューブを入れるなどの対応が必要になります。(大きめの穴を塞ぐ補修用道具もありますがあくまで応急処置で限度はあります)
こういうやつ。
先に触れたようにグラベルタイヤは基本的に固くて脱着に苦労します。出先で作業する場合は元から入っているシーラントとも格闘する必要が出てきます。下手すればビシャビシャになります。そういった時のためにあらかじめ「タイヤインサート」なるものをタイヤに入れておくという方法もあるようです。ただ、そこまでやるのならもはや「チューブで良いのでは?」とさえ思います。
いずれにしてもチューブレスであろうがなかろうがタイヤを外す作業が発生すると「私の場合」は完全にお手上げです。何とか頑張って最寄りの駅まで行って輪行撤退するしかないでしょう。考えようによってはこのパンクした時の対処がチューブレス運用における鬼門かもしれません。
チューブレスとの乗り心地の比較
チューブレス運用時は強く意識していませんでしたが、チューブド運用よりも若干柔らかい乗り心地だったようです。オーバーホールから戻ってきたRENEGADE S2で何回か走ってみましたが、チューブレスの時よりも地面から帰ってくる感触が固くなったと思います。もちろん、タイヤの空気圧や消耗具合も影響しているはずですが、チューブレスの方が若干「グニャッ」とした柔らかさがありました。今回、チューブド仕様に戻したことで700Cホイールサイズと相まってロードバイクに近い乗り味・走行感になったと思います。
上記の乗り心地については表裏一体で何とでも言えます。良く言えば「走りが良くなった」、悪く言えば「乗り心地・クッション性が落ちた」と言えるでしょう。私の場合はフレーム素材含めRENEGADE S2を買う前からわかっていたことなので今更問題になりません。ただ、前にも触れたことがありますが、「ロードバイクも乗っている人」がこういうモデルを選ぶと差別化できなくて苦しむのかなと思います。そういう人は「ROVE ST」(650bホイールで太いタイヤ履いたモデル)みたいなモデルが良いのかもしれません。
チューブレス自体は優れたシステムだと思います
誤解の無いように言っておくとチューブレス自体は優れたシステムだと思います。小石や小さなガラス片・金属片などで空いた小さい穴ならシーラントがすぐに埋めてくれます。また、チューブが無いことからリム打ちパンクがほぼ無くなり低い空気圧での使用が可能とチューブレスならではの強みが確かにあります。特に乗り心地に関しては今回チューブド仕様に戻したことで改めてその違いがあると体感できました。
もともとはマウンテンバイクから普及し出したものらしいですが、小さい穴の補修に強いので舗装路メインのロードバイクにも割と強みを発揮すると思います。あとは手間・コスト・効果のバランスなのでしょう。総じて自分の乗る頻度や走行シーンなどによって「人を選ぶ仕様」だと思います。(以下のような道具揃える時点で疲れます)