自立できる自転車にするため 「Unico(ユニコ) ESGE ダブルレッグスタンド」をROVE STに装着!!

 昨年、ROVE STにセンタースタンド「MASSLOAD(マスロード) CL-KA56 ダブルレッグスタンド」を取り付けた記事を投稿しました。そこから特に大きな問題もなく使えていましたが、若干の支障が出たので「Unico(ユニコ) ESGE ダブルレッグスタンド」いう別の製品に換えてみました。「MASSLOAD(マスロード) CL-KA56 ダブルレッグスタンド」との比較も交えつつ、取り付けや使用してみての感想などを書いてみます。

スタンドがあった方が便利!!

 一般的にドロップハンドルを備えたロードバイクやグラベルロードなどスポーツ自転車にはスタンドの類はついていません。しかし、レース用途でなければスタンドがあった方が良いと思っています。特に趣味で乗る場合は実際には公道で運用するケースがほとんどです。自立して駐輪できる方が取り回しも良くなります。そして、なによりも何かの拍子で自転車が倒れて車体と荷物に傷がつくことも防止できます。

 サイクリングした先での撮影時に「スタンドがあればなぁ……」と思うことは多々あります。つっかえ棒的な製品もありますが荷物を積載した自転車だとスタンドの方が安定性の観点で理想的です。この前も木崎湖キャンプ場の桟橋で写真を撮りましたが、ヘルメットをつっかえ棒的にして自立させるのは心臓の悪いです。いつ何かの拍子で倒れて湖に水没するか戦々恐々……。

 ロードバイクは元々はレース機材です。それゆえに無駄なパーツであるスタンドが付けられないのは理解できます。しかし、ツーリングやバイクパッキングなど荷物の積載も想定しているグラベルロードで付けられないのはどうかと思っています。雑誌などで格好良くバイクパッキングした自転車が駐輪時には地面を転がってたり、壁や木に立てかけたりしている様はある種滑稽に見えます。こういうモデルこそランディングギアではありませんが自立できるスタンドは必須だと思うのです。

今まで使ったセンタースタンドの問題点

 今回、「Unico(ユニコ) ESGE ダブルレッグスタンド」に交換したのは今まで使ってきたマスロードのセンタースタンドで支障が出たため。支障と言っても「個人的に気になる」というレベルの話で一般的には気にするほどでもないです。

*マスロードのセンタースタンドを取り付けた時の話は下の記事をご覧ください。

 まず、取り付け用部品の形状からどうしてもスタンドがズレてクランクに干渉することがありました。

 そのほかにもスタンド本体の取り付け部分にスパイク状の突起があり、塗装が剥げる程度ですが傷が付くという問題が発生。間にゴム板を噛ませていましたが、このスパイク状の突起でゴム板が千切れていました。

 ちなみにスタンドがズレやすかった原因はこのゴム板と思われます。これが無ければもう少しガッチリ固定できていたはずです。ただ、私としては自転車本体に傷が入るような装着は避けたいという想いがありました。

 以上のような問題を解決すべくチェーンステーの角度に合わせてフィットさせやすいESGEのセンタースタンドを試しに購入したわけです。

*マスロードのスタンドの名誉のために追記しておくとスタンド自体は高さ調整もしやすく、良い作りをした製品です。現に他の方々の自転車でも多く使用されています。私の場合は間に何かを噛ませずに装着させるのに抵抗があるというだけの話です。ゴム板噛ませなければここまであがく必要もないでしょう。

「Unico(ユニコ) ESGE ダブルレッグスタンド」本体と取り付けについて

 長い前振りになりましたがここからが本題。こちらが今回購入した「Unico(ユニコ) ESGE ダブルレッグスタンド」です。昨年から検討していたのに購入を躊躇した理由が「価格の高さ」。Amazonで多少の価格変動はありますが6000円前後しました。正直「スタンドに6000円かぁ……」となります。先述の不満点をクリアできるのかハラハラしながらポチりました……。

 こちらがスタンド本体及び取り付け用パーツ一式。

 取り付け用部品は2種類付属しており好きな方を使います。

 スタンド本体は他のセンタースタンドとそう大きく変わらないデザインです。脚の長さを調節する前提なので長めのです。マスロードのものと比較すると足が細めで華奢な印象を受けます。ちなみにスタンド本体の重量は546gでした(今まで使用してきたマスロードは536g)。後で脚を少しカットしたのでそこから-49gの497gになりました。

 自転車取り付け部分はこのようにほぼ平面です。マスロードの突起だらけの面とはだいぶ異なります。とはいえ直にフレームと接触させるのは抵抗があります。前と同じくゴム板を噛ませるつもりです。

 スタンドの脚には目盛りがついており、任意の長さでカットするようになっています。100円ショップに売っている鉄ノコでもカットできるので大きな問題ではありません。ただ、マスロードと違って後から長くしたり短くしたりと調整ができません。切りすぎると後戻りできないので慎重に長さを決める必要があります。

 今回はこちらのU字プレートを使用します。このパーツこそが今回の購入目的と言っても過言ではないでしょう。余談ですが取り付けボルトのサイズが合えばマスロードなど他のスタンドでも使えます。

このようにU字プレートを任意の角度に調整することができます。角度調整した上でしっかりU字プレートで押さえ込んで固定ができます。ただし、このU字プレートはゴムではなく樹脂製なので全くの隙間なくフィットとはいきません。これはフレームのチューブ形状も影響するところではあります。

 先述したように任意の長さでスタンドの脚をカットします。刃を当てる角度を変えつつ鉄ノコで地道にゴリゴリ切断しました。コツというほどではありませんが、刃を面にべったり付けると刃がダメになりやすいです。面ではなく角に刃を当てるイメージです。脚の長さは今まで使用していたスタンドの長さに合わせました。

 実際に取り付けるとこのようになります。プレートのU字にピッタリフィットとはいきませんが、チェーンステーの角度に合わせているので固定力が上がっています。自転車本体に傷を極力付けたくなかったのでチェーンステーにはM3養生テープを貼り、スタンド本体には前回と同じくゴムプレートを噛ませています。他の方のブログではテーブルや棚に敷くようなゴムシートを使用している例もありました。

 例によってゴム板を噛ませたことでスタンドがわずかに動きますが前よりはマシです。この辺りはもう少し様子見が必要でしょう。

自転車を自立させられるのはやっぱり便利!!

 外に走り出て使ってみましたが自立できるのはとても便利です。松本城前の定番位置ですがしっかり自分の足?で立っています。何かに依存せず自分で自立できるって素敵です!!(何の話だ?)

 スタンドがないと立てかけられる場所を探したりと別の苦労がありましたがそういった制約からも解放されます。

 二本足なだけあり抜群の安定性です。マスロードのスタンドよりは耐荷重が少なく25kgまでとなっていますが、荷物を積載してもほとんどの場合は問題にならないでしょう。耐荷重を極限までカバーしたいならマスロード一択です。

 スタンドの可動の際にどうしても若干動いてしまいますが許容範囲です。チェーンステーの角度に沿って取り付けパーツが装着できているので以前のものよりは安定しています。今まで通り定期的な位置調整・増し締めといった管理は必須です。

 真上から見るとタイヤとクランクの間、チェーンステーに沿ってしっかり収まっています。こうして見るとクランクに接触するかしないかの割とギリギリな位置です。

 今回のセンタースタンドで意外な落とし穴がカラーリングでした。ブラックを購入しましたが塗膜が弱くて割と簡単に剥げます。ボロボロ剥がれたりはしませんが、ちょっとでも硬いものに当たるとペラっと剥がれる感じです。使っているうちにどのくらい剥がれることになるかちょっと心配です。あまり剥がれすぎると見すぼらしくなります。そう考えると最初からシルバーを選択した方が良かったかなと思いました。

 まだ様子見な部分がありますがおおむね以前よりも使い勝手が改善されたと思います。行った先で写真を撮影したり、短時間でも立てておきたい時など自転車の取り回しが劇的に向上します。いつになるかもわからないくらいずっと先の話ですが、次に自転車を選ぶ時はセンタースタンドを付けやすい形状のモデルにしたいと思っています(理想を言えばスタンド台座付き)。そう思わせるくらいにはグラベルロード、アドベンチャーバイク、オールロード系カテゴリの自転車にはセンタースタンドが欲しいものです。

余談:意外と取り付けが難しいスタンド類

 最後に長めの余談ですがロードやグラベルロードにスタンド類を装着したいというニーズは一定数存在するようです。昨年投稿したセンタースタンドの記事がアクセス数の上位にグイグイと食い込んでいることからも明らか。具体的な数字はアドセンス規約上明かせませんが他記事よりも桁が飛び抜けているくらいには多いです。ところがロードバイクなどスポーツ自転車にセンタースタンドを取り付けるのは思った以上に制約が多くて難しいものです。主な理由としては自転車のフレームの「材質」と「形状」が挙げられます。。

 まず、カーボンフレームについてはフレームを挟み込んで物を装着することができません。間違いなく取り付け時の圧力によってフレームが割れてオシャカになります。カーボンフレームの方は諦めましょう。

 残された選択肢としてアルミやクロモリフレームが挙がってくるわけですが、今度はフレームの形状という壁が立ちはだかります。

 まずはセンタースタンドを取り付けるためのクリアランスが必要です。今回のROVE ST(50サイズ)はチェーンステーにフェンダー取り付け用のブリッジがあり約4cmの間隔があります。

 取り付け用部品を乗せてもブリッジに干渉することなく取り付け用ボルトが通ります。また、シートチューブに角度が付いているのでこのくらいの間隔がないとボルトを締めるときにフレームに接触する恐れもあります。

 比較としてRENEGADE S2(51サイズ)ですがブリッジとの間隔は約2cm。ROVE STの半分程度の間隔です。

 こうなるとスタンド取り付けは絶望的。ボルトが通る穴からはブリッジが覗いています。このほかにもフロントダブルの場合もワイヤーの通り道になっているはずなので取り付けに支障が出るでしょう。

 ついでに触れておくとフェンダー取り付け用ブリッジが無ければ良いのかと言えばそうでもありません。そういうモデルなら取り付けは可能かもしれませんが、何かの拍子に後方にズレた際にタイヤ・ホイールに直撃して事故につながる可能性があります。ブリッジが後方に滑った際のストッパーになってくれる側面があるのでブリッジ無しのモデルには付けない方が安全に思えます。

 もし、最初からセンタースタンドの装着を考えているなら「スタンド台座」があるモデルを探した方が良いかもしれません。ただ、ロードやグラベルロード系でスタンド台座があるモデルはグロウンバイク「Hey Joe」とライトウェイ「ソノマアドベンチャー」、グランピーさんのオリジナルフレーム「Sig.Rando」くらいしか知らないんですよね……。

 どうしてもスタンドを付けたいのであればカーボンフレーム以外に限られますが「サイドスタンド」で妥協するのは有りだと思います。安定性はセンタースタンドに劣りますが、取り付け時の制約の少なさと自立できるようになるメリットの前には目を瞑っても良いのではと思います。RENEGADEはサイドスタンドで検討するかな。