「大型サドルバッグ」の使用感、選び方、留意点など気付いた点

 私は以前から以前から「大型サドルバッグ」、正確には「バックパックにもなる大型サドルバッグ」を使っています。輪行も行う遠距離のサイクリングだとどうしても荷物が増えて収納スペースが必要になります。昨今のキャンプツーリングやグラベル向け商品の流行?に合わせてか「大型サドルバッグ」の種類が豊富にある状況です。これから段々と暖かくなる季節を迎えるにあたり導入を検討される方もいると思います。こうした大型サドルバッグについて今まで使って気づいた点などを含めレビューしてみたいと思います。

大型サドルバッグのメリット

 私は現在はRawLow Mountain Works「Bike’n Hike Bag」をメインで使用しています。最大容量が10Lでバックパックにもなるという製品です。また、以前にはリンプロジェクト「トラベルサドルバッグ14L」も使用していました。こちらもバックパックになるタイプの製品で最大容量は14Lです。

 このくらいの容量だと輪行輪行袋やレインウェアなどの荷物は問題なく収納できるのでバックパックを背負わずに済みます。また、多少の制限はあれど行った先での「お土産」を持ち帰ることもできます。長距離かつ長時間を走る場合にはバックパックを背負うか背負わないかで負担が大きく違ってくるので使わない手は無いと思います。

*補足で「Bike’n Hike Bag」をメインで使用しているのはフロントバッグとメーカーを合わせているということもありますが、フロントバッグなどと分散収納しているので「トラベルサドルバッグ14L」ほどの収納力が無くても問題無いためです。

バックパックになる機能はほぼ使わないけどあった方が良い

*2022年4月30日訂正

 輪行も考えてバックパックになる大型サドルバッグを選びましたがこの機能をほぼ使っていません。おそらくですがこの機能をフル活用できているユーザーはほとんど存在していないと思います。

 バックパックにできるメリットは輪行時の大型サドルバッグの運搬をしやすくできる点です。しかしながら何回か輪行していますがバックパックにしたのは3回ほどです。製品によると思いますがロールアップ部分を持ち手にして「手持ちバッグ」的な運用で事足りました。製品によっては付属のストラップで肩掛けバッグにすることもできます。

東京から輪行した時もロールトップ部分を持って移動していました。ただズボラなだけとも言う。

 また、実際の輪行場面だと電車の時刻まで余裕がないケースがほとんどでバックパックに組み替えるような時間的余裕がありません。手持ちバッグみたいにして運ぶ方が楽でした。また、これらの装備をコンパクトに折り畳める「マイバッグ」にまとめて入れてしまう方法も効率的だと言えます。*

*以下から訂正部分

 ……などとこの記事を書いた当時に書きましたがそのあと結構バックパック機能に助けられたので訂正します。特に光城山の桜を見に行った際に山登りをすることになってしまいその際に役立ちました。自転車を離れての手荷物の運搬(自転車にそのまま付けておけないオプション類)ではむしろ必須装備になりました。メーカー側としてそういう使い方を想定していると思いますが。活動エリアによると思いますが何があるかわからないことに備える意味で付いていた方が良いのかもしれません。

*「電車の時刻に余裕を持って走れば良いだけ」というツッコミはご容赦願います

買う前に必要な荷物を厳選・整理する

 次項でも触れますが大型サドルバッグは7L〜17Lの大容量なので荷物が際限なく詰め込めます。ただ、詰め込み過ぎると走る時や取り出す時に苦労します。本当に大型サドルバッグが必要なのかも含めて持っていく荷物を厳選・整理した方が製品選択もスムーズに進むと思います。

最大積載容量まで積まない

ロードバイク購入当初にサドルバッグに荷物を入れ過ぎて登坂で地獄を見ました。

 どの大型サドルバッグにも言えることですが「容量一杯まで詰め込むのは良くない」ということです。パンパンになるまで詰め込みすぎると荷重が後方に偏り重みで振られてしまいます。私はやりませんがダンシングをしようものならバランスを取るのも大変です。

 パンパンに詰め込むくらいの荷物があるならサドルバッグではなく「リアキャリア+パニアバッグ」という選択肢も出てきます。そのほかに「フレームバッグ」や「フロントバッグ」など使用頻度や重量に応じて荷重を振り分けた方が使いやすく安全です。特にフレームバッグは車体中心部に荷重を振り分けられるのでバイク操作の安定性からオススメです。あと、サドルバッグよりは価格が抑えられるというメリットもあります。

*どんな製品があるか調べてみたら昔よりも安くて高機能なものが出まくっていて驚きました……。

 それでもどうしても大容量じゃないといけないという場合は14〜17Lの大容量サドルバッグもアピデュラなどから出ています。ただ、このクラスは2万円はザラなんですよね……と思ったらGORIXから7千円くらいで出ていますね。しかもシートポストと接触する部分の補強材も付いています。いずれにしてもバッグ自体かオプションでサドルバッグが振られないようにする補強材はほしいところ。

「スタッフバッグ」も使うのがオススメ

 サドルバッグに装備を入れる際に「スタッフバッグ」も活用すると荷物の取り回しが良くなります。大型ザックで出かけることが多い登山では荷物が非常に多くなります。そこで「スタッフバッグ」と呼ばれる防水性の袋に小分けして収納することで荷物を取り出しやすくし整理整頓できるようにしています。大型サドルバッグに限りませんがツーリングなど荷物が多くなる場合もこういった手法を取り入れると便利です。

 万が一、バッグに浸水しても荷物が濡れずに済み、荷物同士の接触による傷を防止することもできます。また、バッグによりますがブラックなど暗色系のバッグだと中の様子が把握しにくいです。「明るいカラーのスタッフバッグ」に入れることですぐに物が見つけられます。

 ちなみにスタッフバッグと仰々しく表現しましたが専用品など買わなくとも「スーパーの袋」で代用可能です。どこぞのセクシー大臣によってスーパー・コンビニ袋が有料化されていますがそれでも3〜5円なので十分安価です。最低限の防水性は担保していますし消耗品として気兼ねなく使えます。唯一、全部同じ色の袋だと見分けにくいのが欠点でしょうか。これで運用してみてちゃんとしたスタッフバッグが必要だと感じたらそのとき買えば良いんです。

荷物が少ないなら無理に使う必要なし

大型サドルバッグで荷物少ないとロール部分がダルダル……。

 当たり前の話ですが荷物が少ないのであれば大型サドルバッグを使う必要がないと思います。大は小を兼ねると言いますが荷物がある程度入っていないとサドルバッグのロールアップがダルダルになったりと見た目も良くありません。「Bike’n Hike Bag」にはライトを取り付けられるループがついていますが荷物が無いとループごとロールアップすることになるので途端に使いにくくなります。(今はこのループ部分は使っていないので問題ありませんが)

 いつも荷物が少ないのであればそもそも大型サドルバッグである必要性は無いのでトピークなどの中型サイズで問題無いでしょう。

高価過ぎない製品がオススメ

 この手のアイテムは必要な仕様と気に入ったデザインであることを踏まえつつ「高価過ぎる製品」は避けておいた方が精神衛生上よろしいかと思います。サドルバッグも探せば「SWIFT INDUSTRIES」など3万越え製品がゴロゴロしている世界です。ただ、悲しい話ですがそういうアイテム類は自転車本体同様に盗難対象になりえます。サドルバッグではありませんがキャンプ・登山用品が盗まれたなんて話があるのでそれと同じことが起きる可能性は十分あります。

 どういうエリアでどういう使い方をするかによりますが盗難や汚れ、傷などのことを考えると自分にとってあまりに高価すぎると神経質になって楽しめないのかなと思います。どうしても気に入った製品であればやむを得ませんがそういった懸念が出てくることも念頭に置いた方が良いでしょう。

 ちなみに先述のように「バックパックにできる機能をほぼ使っていない」ということに絡んで今買うならば「GORIXサドルバッグ」「AGU サドルバッグ Venture 10L」あたりを選ぶと思います。シマノもお手頃価格だと思います。少なくとも1万を超える製品よりはラフに使い倒せるのではないでしょうか。

*バッグ関係はトータルコーディネートになってしまうので同じメーカー・シリーズで統一した方が見栄えも良くなります。

 Amazonで見つけた「SAHOOのサドルバッグ」というのが3千円台なのですが安すぎて不安になるレベル。圧縮機能とか必要な機能は備えていますがどんな感じなのだろう……?

まとめ:大型サドルバッグは旅が楽しくなる便利なアイテム!!

 デメリットも触れましたがそれでも大型サドルバッグは便利なアイテムです。輪行含め遠出する時には今後も欠かせない装備の一つだと言えます。今回の記事を書くにあたりどんな製品があるのか調べましたが自分が買った頃よりも各社からのラインナップが充実していて羨ましいと思いました。特にGORIXはどの製品もコスパ高くてびっくり。「高機能なのに安価な製品」がバンバン出ているので導入ハードルは下がっていると思います。こうなってくると逆に選択肢が多すぎて選ぶのが大変そうです。どの製品を選ぶにしても一つのバッグに荷物を詰め込みすぎなければ使いにくいということは無いと思います。

 何かの参考になれば幸いです。