バスマティライスとはまた違う「セーラ米」でビリヤニを作ってみたよ!!

 このブログ内で何度かビリヤニを自炊した時の記事を投稿していますが、前から疑問に感じていたことがありました。それは飲食店でたまに見かけた「米粒が大きくてプリッとした質感のビリヤニ」です。お米の品種や調理方法、材料が違うのかと思っていましたが、ビリヤニ太郎氏のブログでどうやらそれは「セーラ米」という米を使用しているのだと判明。インドのデリーのビリヤニ、屋台のビリヤニで使われることが多いそうです。実際にそれを食べたのも昔なのでうろ覚えですが、普通のバスマティライスで作られたものよりもしっかりした食感だった記憶があります。調べてみたら通販で比較的安価に入手できることもわかったのでAmazonで「KAALAR バスマティ セーラライス (パーボイルド) 5㎏」というお米を購入・調理してみることにしました。

セーラ米・セーラライスとは?

 セーラ米(セーラライス)はPar Boiled riceとも呼ばれ、籾殻が着いた状態で蒸し上げるてから乾燥・精米されて作られたお米だそうです。 普通のバスマティライスよりも粒が大きく割れづらく、色も薄黄色がかった色をしています。また、炊き上げると通常のものより弾力があるプリッとした質感でパラパラしているのも特徴です。

 冒頭の通り、Amazonで「KAALAR バスマティ セーラライス (パーボイルド) 5㎏」を購入したわけですが、実際にお米を確認してみる薄黄色の古米のような見た目。さらにバスマティライスの特徴と言える独特の香りはほぼ皆無。

 ほかにも蒸す過程で籾殻の栄養がお米に移るらしく、普通のバスマティライスよりは栄養価が高く、GI値も低いのだそうです。見た目や精製方法の特徴を踏まえると日本のお米で言うところの「玄米」のようなポジションなのでしょうか?

 パッケージ裏面に記載の調理方法を確認すると浸水時間120分、8〜10分の茹で時間とあるように通常のバスマティライスより火が通りにくいようです。(通常だと最低30分浸水、約7分の茹で時間です)

 この分だとビリヤニを作る時は茹で時間をいつもよりは2分くらい長く取った方が良さそう……?

セーラ米を使ってビリヤニを作ります!!

 セーラ米を浸水させて準備はできているのでビリヤニの調理を開始。まずはカレーソースもといグレービーソースを作ります。と言っても作り方はいつも通りです。スパイスを油でテンパリングし玉ねぎをよく炒め、鶏肉などの具材をよく炒めてからスパイス類・塩で味付けし一煮立ちさせるだけです。

 今回はカレー粉をスパイスマーケットというブランドのものを使ってみました。いつもSBの赤缶カレー粉を使用しており、辛さや香りがどの程度変わるか、どちらかと言えばハラハラして使いました(辛さへの懸念)。粉を舐めてみるとSBよりわずかに塩分を感じますが辛さなど含めてほぼ同じ。もっと辛いカレーが好みの方はカイエンペッパーなどを追加すれば良いでしょう。

 個人的には下手にスパイス単体をブレンドして調整するよりはカレー粉を使う方が費用を抑えつつ失敗も避けられると思っています。特に通販やアジアンショップに並んでいるビリヤニマサラなどは好みが分かれたり、塩分量など気になる部分もあるので、どうしても無難かつ味が安定しているカレー粉に流れてしまいます。

 カレー粉、塩、ミントの葉を入れて仕上げに一煮立ちさせてカレーもといグレービーは完成。今回は値下げシールが貼られていたミントが手に入ったので入れていますが無くても支障はないです。ミントやパクチーは好き嫌いが分かれますし、それを重視するくらいならフライドオニオンを入れた方が幸せになれます。初めて使用するカレー粉だったので塩を含め、分量はちょっとずつ入れて微調整しました。

 ちなみにこれにもっと水を加えるとそのままスパイスカレーにもなります。おそらくこれを自分で作れるようになると下手に外食やらレトルトのインドカレーは食べられなくなります。

 もっとついでに言ってしまうと、このカレーをお米の2倍の水分量になるように調節し、浸水したバスマティライスと混ぜ合わせ、沸騰したら弱火で約10分、蒸らし10分で炊き上げるといわゆる日本の炊き込みご飯のようなビリヤニができます。「ヒンドゥー式」という調理方法によるビリヤニと言えるでしょう。人によってはプラオ、プラウ、ピラフと呼ぶのかもしれません。均一に色や味が回りつつ、段々に重ねて炊くよりは格段に難易度が下がる調理方法なのでオススメです。時間がなく、手間がかけられない時はこの炊き方もやります。

 話をビリヤニ作りに戻しますが、お次は肝心要のバスマティライスの湯取りです。約一晩くらい浸水させてしまったのですがお米の形はしっかり残っています。むしろ見た目だけでもノーマルバスマティライスより硬さを感じさせます。

 塩とスパイスを入れたお湯で茹でます。予想通り茹で時間を長く取らないと芯が残ってしまいます。通常はお米投入後の再沸騰から6分でザルに上げていますが、今回は10分茹でてからグレービーに乗せています。(あくまでもお米の使用量や火力で変わるので随時、お米の硬さを確認した方が良いです)

※正確に言えば、約8分茹でたものをグレービーの上に薄く乗せ、10分茹でた残りのお米を水分をよく切ってから乗せるという手順。ソースと直に接する部分は通常より硬めのお米を乗せることで形が崩れるのを防げます。

 10分茹でてからザルに上げた状態だと上の画像のようになります。通常のバスマティよりも粒が大きく、ツヤツヤ・プリプリな見た目です。また、多少雑に扱っても粒の形が崩れません。アルデンテとは違いますがコシのある食感です。無理やり例えるなら「粘り気のない硬めに炊けた日本米」でしょうか。

 バスマティライスを乗せたらフライドオニオン、ミントを散らします。

 蓋をして中火5分、弱火10分、蒸らし10分で加熱します。徹底的にやるならアルミホイルで蓋をしてから鍋蓋……といった感じですが、いつもそこまではやらずにガラス蓋の穴を菜箸で塞ぐ程度です。ガラス蓋の良いところは中の様子が把握できることです。

 蒸らしまで終わりました。ミントが変色していますが葉物を入れればこうなります。いつものようにお米の粒が立っています。あと、見た目ではわかりにくいですがしっかり火が通って日本米レベルで柔らかくなっています。

 毎回ドキドキする混ぜ混ぜタイム。火加減をミスっているとグレービーが焦げてしまったり、ソースと接している箇所のお米がグズグズになってしまうこともあります。底の方から優しくふんわり混ぜて確認……今回もうまく炊けました!!

 それにしても本当にお米の粒が大きく形がしっかり残っています。かつて飲食店で見かけたことのあるビジュアルに近いです。

ノーマルバスマティライスで炊いたビリヤニ

 ノーマルのバスマティライスで作ったものと比べると一目瞭然。粒の大きさが全然違います。ノーマルの方はセーラ米のようにプリプリな感じでは無く、粒が細くて繊細な見た目です。これだけを見ても本場で屋台など比較的安価な場所で提供されるというのも頷けます。味というよりは価格と扱いやすさで選ばれるのでしょう。

 初めてビリヤニを作った時は水加減、加熱時間をミスってお米の形が崩れるなんてことがありました。それに比べるとセーラ米は粒の強度があるのである程度リカバーがしやすいと思います。お米の価格自体も通常のバスマティライスより安いので、その点を含めて初心者でも扱いやすいお米なのかもしれません。

これは作った時のショート動画。

セーラ米のビリヤニはプリプリ・モチモチで美味しい!!

 出来上がったビリヤニを実食。通常のビリヤニと比較してプリプリ・モチモチしたコシのある食感で美味しいです。前述した通り、リゾットのようなアルデンテとは違うので日本のお米の方が近いかもしれません。通常のバスマティライスで作られたふんわりエアリーなビリヤニとはまた違った美味しさがあります。通常のものよりも食べ応えのある食感なので必然的に少ない量で満足できます。

 あとはお米の表面がプリッとしているので油分をあまり吸収せず全体的にテカっています。昔、外の飲食店で見たビリヤニの風体です。

 誤解のないように書いておくと、どちらが美味しいなどの優劣の話では無く、単純に好みの問題になってくるのかなと言う感想です。バスマティライスのふんわりした食感や独特の香りがどうしても苦手・食べ慣れないという方にはセーラ米は良いかもしれません。私はどちらも好きですが、セーラ米の方が値段が安いのでメインはこちらになるかもしれません。なにせ今回購入した一袋が5kg入りです。これを使い切るまでは他のバスマティライスは買えません……。

セーラ米は通販が入手しやすい

セーラ米は販路が限られており、近くにアジアンショップでもないと入手は難しいので通販利用が無難です。今回はストックを切らしていたクミン・カルダモンなどのスパイス類と合わせて通販で調達しまています。この中でクミンはカレーや肉料理など幅広く使えるのでビリヤニやインドカレーを作らない人にもおすすめのスパイスです。

 そういえば他にも気になっているバスマティライスが「Daawat Classic」というもの。笑顔のおじさんが二人並んでいるのが特徴のパッケージです。こちらも商品説明で「米の色が薄茶色(炊込み後は白くなります)なのは、このブランド米の特徴になり、品質には一切問題はありません!」とあるのですが、YouTubeでこのお米を使っている人の動画で確認するとどう見てもセーラ米に見えます。実際に購入して実物を確認したいところですが、今回調達したお米が残っているうちは……以下略。