さようなら、MacBook Pro。そして、ようこそ!! Mac mini!! ノートパソコンからデスクトップタイプのM2 Mac miniを購入した理由

 タイトルの通りですが、これまでのMacBook ProからデスクトップタイプのMac mini(2023年モデル)にMacを買い替えました。ノートパソコンからデスクトップに買い換えると本来は液晶ディスプレイやキーボードなどが別途必要になる上に運用形態も変わってきます。なぜノートパソコンタイプからデスクトップタイプに買い替えたのか購入理由や使用してみての雑感などを書いていこうと思います。

 ちなみに私のMacの用途はブログ・イラスト・マンガ・写真編集・動画制作です。アプリはCLIP STUDIO、Photoshop、Illustrator、iMovieを使用しています。また、動画と言ってもたまにブログにあげているサイクリング動画くらいなものでゴリゴリのCG・4K動画は扱っていません。

M2 Mac miniについて 

「Mac mini」はAppleが出しているデスクトップタイプのMacです。デスクトップでは他にもMacstudio、Mac Pro、iMac(液晶付きですが)があります。Mac miniはMacBookはもちろんデスクトップの中でも一番シンプルかつ安価なMacです。

 今回購入したのはM2チップ搭載Mac mini(メモリ8G・SSD512GB)のメモリを16Gにカスタマイズしたものです。上位版としてM2Proチップ搭載モデルもありますが後述するコスパの観点でM2を選択しました。デスクトップタイプなのでMac mini本体と電源ケーブルのみの超シンプルな内容です。

説明書もシンプルにこれだけです

 液晶ディスプレイやツール類を繋ぐポートは本体背面にあります。M2とM2Proでは背面のThunderbolt4ポートの数が異なります(2つか4つかの違い)。

Mac miniを選んだ理由

 ここからはMac miniおよびデスクトップタイプMacを選んだ理由を書いていきます。詳細は以下に挙げますが今の私の使い方だと「MacBookよりもコストを抑えつつ効率的な運用ができる」ことが主な理由です。

モバイルする必要性がない

 MacBook Pro購入当時は持ち歩く機会がありましたが、最近ではその必要性・機会が無くなりました。私の使い方だと外付けの液晶ディスプレイ、液晶ペンタブレットも必要なのでモバイルして作業するのは無理があります。できないこともないのですがそこまでしてやることでもないと言ったところ。

 それでもバッテリー稼働で単体使用できるノートパソコンタイプにはメリットがあります。ただ、MacBook系については昨今の値上がり傾向から買い替えハードルが上がっています。PC単体か外付けディスプレイに繋いで完結する使い方なら問題ありませんが、液晶ペンタブもほぼ必須な私の場合だとコスパの面でも非効率的です。価格のこともありますがモバイルしないのであれば無理してMacBook系を選ぶ必要はないと判断したわけです。

安価に快適な作業環境を構築できる

 Mac miniの構成にもよりますが、全Macの中では価格を抑えつつ「自分に合った作業環境」を構築できます。デスクトップタイプのデメリットとして液晶ディスプレイやキーボードなど別途揃える必要があります。ところが現行MacBookシリーズの価格が以前よりさらに高価格化しているため、相対的に価格を抑えることが可能です。私の場合はすでに色確認用の液晶ディスプレイ、液晶ペンタブレット、マウス、キーボードは持っているため、今回はMac mini本体と外付けスピーカーの出費で済みました。もし、これらも新規で購入する必要があるとしても導入コストは相当抑えることができるはずです。

 マウスやキーボードのみならず液晶ディスプレイ・液晶ペンタブレットもひと昔前よりもコスパの良い製品が増えました。マウスとキーボードは後で触れますがApple以外のメーカーでも概ね使用可能です。私もロジクールとアンカーの製品を使っていますが、起動時のワイヤレス接続から問題なく使用できています。

※もし認識しない場合は有線接続かワイヤレスレシーバーを差すと認識するケース有り。

 液晶ディスプレイも23〜27インチサイズで比較的安価で性能も良いものが出ています。Amazonなどでセールをやっていることもあるのでそのタイミングを狙えばさらに費用も抑えられます。色表示にこだわるならEIZOなどのハイエンドを狙うのもありですが、そうでなければsRGB100%前後の製品で十分だと思います。

 また、液晶ペンタブレットも2万円〜3万円台の価格帯でもフルHD解像度の製品が調達可能です。もしも液晶ペンタブなども新規調達するとしても、MacBook系にプラスするよりはトータルコストを抑えることができます。

 こんな感じで自分の用途に合ったオプションで揃えられるので「快適な作業環境」を構築しやすいです。モバイルしないことが前提になりますが、これだけでもデスクトップタイプのMac miniを選ぶメリットがあります。

MacBook Proのディスプレイが余計だった

 ディスプレイ関係についてもう少し触れると私の場合は先に挙げた「色確認用の大型ディスプレイ」と「液晶ペンタブレット」の2台あれば十分です。ここにMacBookの液晶が加わるとトリプルディスプレイになりますが、作業をするのは自分一人なので一度にたくさんの情報を処理できません。どう頑張って活用してもMacBook本体側のディスプレイがデッドスペースになります。これまでの使用経験から一度に効率よく活用できるのは2枚が限度です。私としては画面サイズの大きさやモバイルしないことから有るだけ余計だと感じていました。

 ちなみにMacBook本体を閉じて使用する「クラムシェルモード」という機能があります。それを使用すればとも思いますが、排熱性の観点から本体への負荷が上がると思われます。さすがに常用するとなれば本体寿命を縮めそうです。そもそも、その使い方ならMacBookである必要性すらありません。

持ち運ぼうと思えば持ち運べる

 デスクトップは持ち運べないのが基本認識ですが、Mac miniのサイズであれば条件付きですがモバイル可能です。カフェで作業なんてことはできませんが、ホテル・旅館などの宿泊先、オフィス、ご自身の実家etc……と電源が確保できて液晶ディスプレイや液晶テレビなど映像出力のできる設備が置いてあるところなら作業可能です。ほかにもモバイルモニターや小型液晶ペンタブをセットにするのも一つの手でしょう。ちなみにMac miniの場合は自分が持っているマウスとワイヤレスキーボード、電源ケーブルのセットでも約1.5kgの重量で済みます。ディスプレイがありませんが下手なノートパソコンよりは軽いです。

 以上に書いたことは無理矢理に感じるかもしれません。しかし、仕事やプライベートなものを扱うのであれば情報漏洩のリスクからカフェで作業するなんてことは中々できないはずです。特にグラフィック系は現実的ではないと思います。そう考えると作業内容によっては決して無理のある話ではないかなと思います。

M2モデルを選んだ理由

今回、M2チップ搭載機を選んだ理由は単純に価格と処理性能のバランスです。つまりはコスパということです。

 Mac mini(2023モデル)はCPUにあたるSoCについて「M2」と「M2Pro」の2種類がラインナップされています。名前でなんとなくわかるかと思いますがM2ProチップはM2の上位チップです。具体的なスペックについてはApple公式サイトや他の方のレビュー記事が詳しいのでここでは割愛します。大雑把に言えばM2の2倍なのだとか。

 処理速度についてはM2Proが上ですが自分の使い方だとおそらく持て余します。M2チップ搭載Mac miniのギークベンチ計測スコアは、これまで使用していたインテルチップMacBook Pro(2019年アルティメットモデル)と比較すると少し上回る数字だそうです。当時のアルティメットモデルのスコアを現在の最安モデルがわずか数年で上回るあたり技術進歩の速さを伺わせます。そして、その型落ちのMacBook Proで作業してきて処理性能で困ったことがありませんでした。つまりそれ以上の処理性能を持った機材を導入しても使いきれず無駄が発生するということです。ついでに触れておくと消費電力も倍になってしまいます。

 処理性能の話をしましたが、それよりも「本体背面のポート数」で迷うのではないかと思います。USB-Cポート(Thunderbolt4)の数がM2では2つですがM2Proだと4つに増えます。そのほかにもディスプレイ接続台数がM2モデルは最大2台、M2Proモデルは最大3台という違いがあります。私としては処理性能よりもこのポート数の違いでどちらにするか迷いました。

 今回購入したMac miniは中モデルにあたるM2モデル(メモリ8G・SSD512GB)をメモリ16Gにカスタムしたものです。お値段は140,800円でした。M2Proモデル(メモリ16G・SSD512GB)は184,800円で差額44,000円です。この価格差をどう判断するかは意見が別れそうです。

 私の場合は処理性能はM2で十分ですし、ポート数の違いだけで考えるともったいないと感じた次第。また、MacBook Proでの運用状況からM2モデルのポート数でも問題ないと判断しました。もし足りないようであればUSB-Cハブを使えば問題ありません。

 総じてMac miniの2023年モデルは背面ポート数、ディスプレイ接続台数で問題なければM2チップモデルにした方がコスパは良いと思います。ただし、メモリについては16Gにしておいた方が良いと思いますでしょう。ストレージに関してはキリがないので外付けSSDで対応する方がコストを下げられます。

※2023年モデルについて256GBのSSDは速度が遅いという情報があるので可能なら512GBで検討した方が良さそうです。

使ってみたら非常に快適!!

※データ移行・設定中のデスク周り

 以上に書いた考え・判断のもとにM2チップモデルを購入しましたが選択としては正解でした。CLIP STUDIO、Photoshopなどの画像系ソフトはもちろんのことiMovieでの動画編集も問題なく作業できています。処理性能とは違いますが前のインテルMacBook Proよりも排熱が少なく静かに動いている点も高評価です。少し重めの処理を行っただけでファンがガンガン回って排熱が酷かったのでそこから比べたら非常に快適です。

 実際に作業した体感での印象ですが、写真編集・イラスト・マンガなどのグラフィック関係、フルHD・簡単な4K動画までならM2チップで十分だと思います。もっと言ってしまえば整備済み品などで入手可能な前世代のM1チップでも問題ないはずです。ただし、メモリについては16G以上にしておいた方が良いでしょう。

 そういったことからM2Pro以上のモデルは頻繁に4K・8K動画の編集をするなどの層でないと確実に持て余します。MacStudioも然り。価格差もかなりの開きがあるのでその分をオプション機材に回す方が効果的です。

モバイルをしないならMac miniはコスパの高い現実的な選択肢

 Mac miniを選んだ理由や使ってみての感想を書きましたが今の自分にはすごくマッチしていると思いました。Mac miniはMacのラインナップでは地味な存在です。しかし、グラフィックや動画をやらない方でも持ち運ばないのであれば選択肢として有りだと思います。