新興アイウェアブランド「ALTALIST(アルタリスト)」のサイクリング用アイウェア「KAKU SP1」レビュー

7月1日に日本で発売開始したALTALIST ( アルタリスト )という新興中華ブランドから発売された

 誤解の無いように最初に書いておきますが私の場合は「自費購入」です。こんなよくわからないブログなので当然メーカー側と繋がりもありません。以下にレビューを書いていきますが忖度一切なしです。また、今回のレビューでは自分が最近使用している「HAAYOT サイクリンググラス(偏光レンズ)」とも所々比較して書いていこうと思います。最近、コンタクトレンズを導入したことに伴い、Amazonで約2,000円で購入した格安サングラスです。なぜこの製品を比較に挙げるのかも後で少し触れます。

「 KAKU SP1 ( カク エスピーワン )」について

 私が購入したのは調光レンズモデルも1万円切りとサイクリング用アイウェアにしては安価な構成。

 そのほかの特徴として鼻筋が低く顔幅が広い日本人にもフィットするように前面カーブが緩く設計されているとのこと。冒頭で触れたように日本人デザイナーによってデザインされていることに要因なのでしょう。また、度付きに対応できるようにインナーフレームも付属しています。

軽量な本体は価格相応な作り

 本体の重量はブランド公式によれば27gとのこと。実測したところ28gと表示されたのでほぼ情報通りの重さです。先ほど挙げた「HAAYOT サイクリンググラス」や他メーカーのアイウェアは30〜35gが相場。それらと比べればかなり軽量な部類と言えます。その軽量性を実現するために「グリルアミドTR-90」という素材を使用しているとのこと。ただ、よく調べると他社のサングラスでも使用しているところは多いのでサングラス界隈では認知度の高い素材なのかもしれません。比較に挙げた格安サングラスでも使っていますし。この素材は高度な折り曲げ強度や紫外線ダメージ耐性に優れているというナイロン系素材らしいです。そのため一目見ただけでもプラ特有の軽量さを感じさせます。

 他の方のレビューで造りの甘さやチープさがあるという指摘がありましたが、軽量性とのトレードオフの側面がありますし、価格を考えればやむを得ないと思います。値段相応で文句を言うのはさすがに酷です。個人的には実用上の問題があるようには感じませんでした。変に剛性を求めて重くなっても困るので妥当なラインだと思います。

スモークグレーレンズは色味が変わり過ぎず無難な色

 今回購入したレンズは「 スモークグレー ( シルバー ミラー / 偏光 ) 」というミラー加工された偏光レンズです。好みの問題ですが目元が見えにくいミラー加工されたものが好きなのでこのレンズを選択しています。

 スモークグレーとなっていますが色味としては「青みがかったグレー」です。

 実際にサンプルの景色を用意して比較します(色味を見るので光量は無視)。こちらが元々の色味。

 こちらがKAKU SP1のスモークグレーレンズ経由の同景色。ブルー寄りのグレーなので空の青さなど極端な変化はありません。

 さらに比較用として「HAAYOT サイクリンググラス」のレンズ。こちらは一般的なサングラスに多いブラックレンズなのでセピア調のいかにもサングラスをかけた時の色味。

 KAKU SP1は他にもレッドレンズや調光レンズなど種類があるので見え方もそれぞれ変わってきます。個人的な好みによるところも大きいですが、私のように「風景を楽しみつつ走りたい」という層にはグレー系レンズの方が無難な気がします。ただ、緑の葉っぱが生茂る山がメインだとグリーンレンズが良いので追加で発売して欲しいです。(タレックスやOGK KABUTの122はグリーン系ですね)

ノーズパッドによってフィット感を調整できます

 ノーズパッドには柔らかい金属部品が入っておりパッドの開き具合を調整できます。これで自分の鼻に合わせて角度を調整してすることでフィット感を高めることが可能です。ただ、アジアンフィットという部分については、私がオークリーなどサイクリスト御用達アイウェアを使用したことがないので比較できないので正直わかりません……。

 あと、ついでに触れておくとインフルエンサー的な人たちのレビューで気になったのがノーズパッドの調整具合です。フィットしていると発言する割には頬の肉に思いっきり食い込んでいる絵面をそこそこ見かけました。企業に物をもらってレビューをするならその辺をきちんと調整した方が良いのでは?と思った次第です。(サイクリストのいうフィットの定義が頬肉に食い込んでいるの可能性もある?)

デザイン・構成が他製品と似ている(というか同じ?)

 ここからは個人的に気になった点をいくつか挙げていきたいと思います。まずはデザイン・構成について。さきほどから比較に出していうる「HAAYOT サイクリンググラス(偏光レンズ)」と並べた以下の画像をご覧ください。

 なんとなくですが似てませんか? 似てますよね? 

 いくつかあるラインナップのうちにKAKU SP1のみを取り上げての話ですが、デザイン・部品構成・(中華製品独特の工業製品的匂い)などかなり似通っています。さらに付属のインナーフレームもほぼ同じです。パッケージから取り出したときに思わず「おや?」と驚きました。何かつながりがあるのでしょうか?

 他の製品に関しても正直どこかで見たことのあるデザインに感じました。「サイクリング用アイウェア」としてある程度デザインが完成されているから似通うのは当たり前なのかもしれません。ただ、お世辞抜きで「良い製品」だと思ったので権利関係など変なところで足下すくわれないようにして欲しいので触れてみました。

レンズのスペックが不明

 公式サイトが見つからずワイズロード販売ページしか情報源がないのですが、レンズの詳細スペックが載っていません。レンズのスペックというのは「可視光線透過率」や「 紫外線透過率」といった情報のことです。特に可視光透過率に関する情報があれば現物を事前に確認できなくてもある程度の見え方・暗さも予想できます。オークリーやオージーケーカブトなどのサングラスだとこの情報は開示されていますが、アルタリストだとこれらの情報がわかりません。サングラスとしての機能は果たせますが、これだと比較に挙げた格安サングラスと大して変わりません。サイクリスト用サングラスを今後も展開し続けるのであればレンズスペックはぜひとも公開して欲しいところです。

替えのレンズが欲しい

 替えのレンズが欲しいです。クリアレンズや他のレンズを単体で購入できるようにしてもらえると「予備レンズ」として買い足しがしやすいと思います。ただ、元の価格が1万円切りの製品なのでそこまでカバーするとなるとメーカー側もコストを吸収できないかもしれません。

度付き用インナーフレームがショボい

 度付き対応するためのインナーフレームがとてもヤワでショボいです。ペラペラのプラ製ですが軽度の近視用レンズでも実用上の強度が確保できるのか疑問です。ここにお金かけるくらいならオーバーサングラスで良いかなと思います。もしくはコンタクトレンズ導入するとか。もしインナーフレームで度付き対応を検討されている方がいらっしゃれば個人的には再考することをオススメします。

 そういえばオージーケーカブト(OGK KABUTO) 「 122」のオプションでもインナーフレームがありますがどの程度の強度なのでしょうか?

結論:持ち上げ過ぎな感があるけど値段の割にハイスペックなアイウェア

 実際にサイクリングで使用しましたが非常に快適に使用できました。視界を広く確保できるワイドサイズレンズ、元の色味からあまり変わりすぎないレンズカラー、約27gの軽量フレーム、スポーティーなデザイン、角度調整可能なノーズパッドと1万円切りサイクリング用アイウェアにしてはハイスペックだと思います。私自身、今後のメインサングラスとして使用していくことになるでしょう。

 一方でレンズスペックが不明であったり、どこかで見たデザイン・構成であったりと気になる点はいくつかあります。これに関しては本体の作りと合わせて値段相応なのだとは思います。発売日前後でドッと湧いたインフルエンサーたちのレビューはさすがに持ち上げ過ぎです。参考にするとしても話半分程度で見た方が良いでしょう。

 気になる点にも触れましたがコスパが良い事実には変わりがないと言えます。オークリーなどの1万円〜2万円越えのサングラスに手が出せない、購入を躊躇するというのであれば迷わずこちらをオススメします。また、価格のおかげで偏光・調光・色違いなど複数欲しい人にも手が出しやすいのではないでしょうか。