「塩の道(千国街道)」を歩く 番外編:大町市の「塩の道ちょうじや」

 今回は何度か投稿している「塩の道(千国街道)」関係の番外編のような記事です。先日、「信濃大町スイーツプロジェクト2022」の記事を投稿しましたが、同じ日に塩の道ちょうじや」という資料館にも行ってきたのでそのお話です。

「塩の道ちょうじや(旧塩の道博物館)」

「塩の道ちょうじや」は以前は「塩の道博物館」という名称でした。

 建物は大町宿の塩問屋であった旧平林家のもので当時の姿を今に伝える貴重な建物です。展示資料も塩の道や歩荷、塩取引などに関連するものを所蔵・展示しています。

豊富な「塩の道」関係の資料(史料)群

 江戸時代・明治時代など当時の塩の道関係の資料は興味深いものばかりでした。

 それだけではなく仁科三湖や白馬村・小谷村などサイクリングで走る好きな場所の理解を深めることもできて非常に有意義です。この地図は描かれた年代が書いてなかったのですが「筑摩県」と記載があったので1871年(明治4)〜1876年(明治9)ということになりますか。青木湖はそのままですが木崎湖は盛湖、中綱湖はただの湖という表記ですね。

 小谷村以北、つまりは新潟県糸魚川市ですが、その辺りになると現在の国道・旧道ともだいぶルートが異なります。現在このルートを歩くとなるとトレッキング・登山の領域な気がします。

  塩問屋ということで当時の塩取引についても産地、ルート、問題点など詳しく書かれていました。塩の道では塩以外にも魚介類、麻、たばこ、紙、蕎麦粉なども行き来していましたが「お届け日数」も当時のことを思えば早いことに驚きます。ただし、相当過酷な運搬業務であったことはお察し……。

 問屋としての仕事場も再現されていました。掛取引など現在の商取引とほぼ変わっていないところも興味深い点でした。

 塩を扱っているので塩蔵もあります。当時の塩の品質や保管についても理解を深めることができました。以前に小谷村・白馬村の塩の道イベントでも塩蔵は見ていますが、保管時の置き場や「にがりだめ」はありませんでした。

 松本市の「馬場家住宅」にもあった箪笥階段。江戸期からの主流家具なのでしょうか?

 2階の展示に平林家建物の説明がありましたが、設計したのは「立石清重」という人物でさらに驚きました。立石清重は松本市の旧開智学校の建設にも携わった人物です。こんなところにもつながっているんですね。

「地元日展作家三人展 木・土と」が9月19日まで開催中

 私が行った時はちょうど「地元日展作家三人展 木・土と」という作品展が開催中でした。入館料500円のところ本企画に際し入館料無料でした。

 題名の通り木と土を素材とした作品群が展示されており、購入も可能らしく値札も一緒についていました(価格は相当なものですが)。

 個人的には相澤正樹氏の「おおまぴょん」を題材にした作品が真っ先に目が行きました。どれもかわいい作品です。

 他にも木彫り作品などがありましたが穏やかなお地蔵さまの表情やお花などどれも見ていて気持ちが和む作品ばかりでした。