バックパックにもなる大型サドルバッグ RawLow Mountain Works「Bike’n Hike Post Bag(バイクン ハイク ポストバッグ)」レビュー

 現在メインで使用しているサドルバッグは RawLow Mountain Works(ロウロウマウンテン ワークス)の「Bike’n Hike Post Bag(バイクン ハイク ポストバッグ)」という製品です。

 以前は「Bike’n Hike Bag」という名前でしたがポストという語が追加されています。バックパックにもなるという特徴を持った大型サドルバッグです。長いこと使用していますがこの製品単体のレビューを書いていなかったので今更ながら本記事で扱うことにします。

購入理由

 「可愛らしいデザイン」が気に入ったということが第一。大型サドルバッグを探していた当時、輪行することも考慮してバックパックにもなる本製品を選びました。この当時は今ほど大型サドルバッグ自体の選択肢はあまり無かったので製品選びはそこまで迷いませんでした。ただ、ロウロウさんの製品自体が入手しにくかったので購入が大変だった記憶があります。現在はだいぶ入手性が改善されたと思います。

「Bike’n Hike Post Bag」について

主な仕様

 「Bike’n Hike Post Bag」の主な使用は以下の通り。

  • 容量:8〜10L
  • 重量:360g (ショルダーストラップを含む)
  • 価格:税込17,600円

最大容量10Lの収納力

 バッグは最近のアウトドア用バックパックでも見られるロールアップ式。メタルフックで引っ掛けて留めるタイプなので開け閉めがしやすいです。

 バッグの最大容量は10L。通常のライドであれば特に不足は感じないでしょう。パンク修理キット、予備タイヤチューブ、補給食、カギ、ウィンドブレーカーやレインウェア、輪行袋は入ります。また、バッグのカラーによりますがバッグ内側がブラックではないので荷物が探しやすいです。内側の縫製も非常に丁寧な作りになっています。

 もし10Lに収まらないほどの荷物がある場合はフロントバッグ・フレームバッグ、もしくはパニアバッグなどに分散させた方が良いと思います。大型サドルバッグの宿命として多く荷物を入れすぎると荷重が偏るのでどうしてもバッグに振られる場面があります。そういったことも考慮するとサドルバッグ一点ではなく分散収納した方がトータルでの使い勝手が良くなるはずです。

その他機能

 バッグ底面にあたる黒い面は後輪から巻き上がる泥水などの汚れを考慮し防水性のある「X-PAC」を採用しています。それ以外の部分(主に青いところ)は防水では無いので注意が必要です。好き好んで水で濡らしたり雨の中を走る人は少ないと思うので通常利用なら問題ないと思います。

 防水性必須なら全面「X-PAC」を採用したモデルがあるのでそちらを選びましょう。

 テールライト等を装着できるギアループや荷物を上部に固定するためのバンジーコードが付いています。また、バッグの上面には小物を収納できるポケットが備わっています。このポケットはジッパー部分が「止水ジッパー」、ツマミ部分は「ホイッスル」になっています。ホイッスルはどこで使用するのか謎でしたが山登りの際のエマージェンシーで役に立つかもしれません。こういうものがあると把握はした上で使用することのないように活動したいうものです。

 ただし、ギアループについては荷物量が少ない時にロールして圧縮するとギアループごと巻き込んでしまいます。そのため現在は使用しておらずバンジーコードを利用してリフレクターをぶら下げています。

自転車への装着方法

 バッグの取り付けは他サドルバッグ同様にシートポストとサドルレールの3点で固定するタイプです。ただ、オルトリーブ製品で見られるプラスチック製アダプターなどで固定するわけではないので激しくダンシングすると多少は振られます。ガンガン激しくダンシングするライドスタイルの方が本製品に手を出すか謎ですがその点は留意が必要でしょう。

カラーバリエーションなど

 現在はアースカラーを基調とした数種類のカラーバリエーション展開がされています。また、若干、値段が高くなりますが先に触れた全面「X-PAC」を採用したモデルも発売されています。自分の自転車のカラーや好みに合わせて選択肢があることも強みだと思います。

 個人的には初期モデルの明るめのカラーバリエーションも再販して欲しいなと思う次第。フロントバッグもセットで。

 本当はサドルバッグ側のカラーで前後合わせたいのですがこのターコイズブルーはPAPERSKY コラボモデルだからほぼ無理そう……。

バックパック形態について

リフレクターもそのまま活用するとけっこう目立つので山行きにも良いと思います。

 本製品の売りの一つでもあるバックパック形態ですが組み替えは簡単です。サドルバッグの下部分に収納されているショルダーストラップを出して繋げば完成。当初は輪行での使用を想定しておりそれ以外では特に使い道はないと思っていました。しかし、最近はなにかと自転車を離れる際などにこの機能が非常に役立っています。

 最近で例を挙げれば光城山で予定外の山登りをした時もこの機能に助けられました。自転車に取り付けているライトやサイクルコンピューター、アクションカメラなど自転車に付けたまま離れると盗難やイタズラされる恐れがあります。そう言った時にもサドルバッグに詰め込んで持ち出すことができます。頻繁に使用することはないと思いますがいざという時にあって困る機能ではありません。

 ちなみに公式から「Mountain Kit」という後付けハーネスキットも発売されています。バックパックとしての使用頻度が多い方は検討しても良さそうです。

気になる点

価格

 山アイテムやサイクリング専用品の世界では安い方ですが一般的には高い方だと思います。バックパックになるという機能、デザイン、丁寧な作り(いわゆるメイドインジャパン)、配慮された各機能など良い点が多く個人的にはお気に入りです。ただ、1万円以下で大型サドルバッグが手に入る現在において17,600円という価格にお値段以上もしくは同等の価値が見出せるかは判断が分かれそうです。

シートポスト接触部分の耐久性(*現モデルは改良済み)

 取り付ける自転車によりますがシートポストとの接触部分の耐久性は若干気になります(*現在販売されているモデルは補強が施されています)。

 私が買った当時は画像のようになっておりシートクランプと擦れた箇所がすこし白くなっています(折りたたみ自転車のクランプに当たっていた?)。シートクランプの形状によっては擦れて破れる可能性があります。旧ロット製品を使用する場合は自転車かバッグ側に自分で養生なり補強をしておいた方が良いでしょう。

 私はシートクランプ部とシートポストの接触部分、フロントバッグなどフレームと擦れる箇所に「3M スコッチ 表面保護用テープ」を切り貼りしています。

デザインと機能が両立した使いやすいサドルバッグ

 デザインの可愛さはもとより大型サドルバッグでありながら大きすぎないないちょうど良いサイズで非常に使い勝手が良いです。デザインと機能をうまく両立した良い製品だと思います。特に最近はバックパックになる機能に助けられることが多かったので尚のこと手放せないサドルバッグとなっています。