今回は長野県の筑北村(ちくほくむら)エリアをサイクリング。以前に「旧国鉄 篠ノ井線廃線敷遊歩道」の記事をあげましたがその延長線上のようなサイクリングです。旧篠ノ井線廃線跡・小仁熊(おにくま)ダム、「善光寺街道」関係で青柳宿・大切通し、差切峡(さしきりきょう)・山清路などを回ります。
長くなるので記事は前編・中編・後編の3回に分けます。今回の前編は旧篠ノ井線廃線跡・小仁熊ダムのお話となります。
筑北村とは?
名前を聞いて「筑北村……?」という方が大半だと思います。おそらく「聖高原(ひじりこうげん)」なら聞いたことがある方がいると思います。その聖高原がある麻績村(おみむら)の隣の村です。我ながらひどい紹介の仕方……。
走っている時に見られる風景などまさに「ザ・田舎」という感じの田舎ですが善光寺街道にまつわるものなど史跡も多い土地です。以前に行った安曇野市明科の廃線敷遊歩道周辺もそうですが古いお堂や石仏などが多く残っています。そういうのが好きな方にはたまらないエリアだと思います。
「のんびりスタンプラリー」のスポットも廻ります
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10月末で終わってしまうのですが今回のサイクリングでは「信州ちくほく村でのんびりスタンプラリー」という企画の対象スポットも回ります。
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この企画は対象の各ポイントへ赴きスマホでサイトを開いて「スタンプを押す」ボタンを押して廻るというもの。スタンプ数に応じてプレゼントに応募できます。
昔から何度も来ている地域ですがサイトを眺めていて「こんなところにこんなものがあるのかぁ」と新たな発見もありました。全部行きたいとことですが時間の制約もあるので今回はルート上で無理のない範囲に留めました。行けなかった場所はまたいずれ行こうと思います。
西条駅から「旧篠ノ井線廃線跡」をめぐる
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今回は回るところが多い上に時間も限られているので輪行して西条駅から出発します。まず最初は旧篠ノ井線の痕跡を確認すべく安曇野市明科方面に自転車を走らせます。以前に上げた記事では明科駅から出発しましたが今回は反対側から行くことになるわけです。
余談:クマ鈴は必須装備!!
余談として装備に関してですが「クマ鈴」は必須だと思います。他の山間部含めてですが筑北村もクマ・イノシシ・シカの遭遇リスクが非常に高いエリアと言えます。クマ・イノシシは珍しいにしてもシカはかなりの遭遇率の高さです。幸い今回はこれらの獣とは遭遇しませんでしたが装備しておくに越したことはないと思います。また、山間部は山や木々の影が多いので時間に関係なくフロントライト・リアライトを光らせておくのは言わずもがな。
*シカにクマ鈴が有効かわかりませんが「こちらの存在を相手に知らせる」ことは予防策の一つにはなると思います。
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話をサイクリングに戻しますが西条駅を出発して近くの踏切を渡り国道403号線(安曇野市明科方向)に向かいます。
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線路に沿って進みますが現在の篠ノ井線の線路の奥に架線用の電柱がわずかに見えます。廃線跡ですね。
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その廃線跡を辿っていくと「ソーラーパネル」に続いています。このソーラーパネルの奥にはこのあと行く「旧小仁熊(おにくま)トンネル」があります。
*行った当初は「旧小仁熊トンネル」を旧第1白坂トンネルと勘違いしていたのですがそのトンネルはもっと先でした……。
「旧小仁熊トンネル」一旦スルーしてGoogleマップにも「篠ノ井線旧線跡(筑北村)」の表記が出てくるこのエリアを目指します。該当の場所は現在の国道の旧道にあたる道なのですが該当場所まではまだ走れたはずです。
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そう思って目的地を目指したのですがなんと
封鎖されてるっ!!
「スマートインターチェンジ」の話は以前に聞いていましたが工事箇所がここだったとは……。
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あの工事現場の先に進むと旧道との分岐があり「大滝(おたき)」や旧小仁熊トンネルの出口、旧第1白坂トンネルがあるのです。その他にも廃線跡の痕跡が残っているようなのでそれを見に行きたかったところでしたが無念……。
現在の国道をもっと進んだ先にも旧道との分岐があるのですがそちらもしっかり封鎖されているので反対側から行くのは難しいでしょう(封鎖と言っても乗り越えるのは簡単ですがそういうことは大っぴらにやるのは良くないです)。別ルートで行くにしても後の行程も考慮すると今回は見送らざるをえないということで引き返すことにしました。
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引き返して「旧小仁熊(おにくま)トンネル」前に到着。ちょうど真上が国道です。木々の隙間からガードレールの白色が見えます。
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「旧小仁熊(おにくま)トンネル」は国道真下のトンネルをさらに進んだあの緑の扉です。
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先ほどのソーラーパネルですがトンネル側から見ると廃線に沿って設置されているということがよくわかります。他の方のブログなどから少なくとも2018年近辺に設置されたようです。その前はまだ廃線跡がはっきり残っていた模様。私自身、何度か国道を走っていますがソーラーパネルがいつからあったか記憶がありません。
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「旧小仁熊トンネル」明科側のトンネル同様に入り口は封鎖されています。
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よく見るとトンネルの上にガードレールがあります。国道は自分の頭上にあるのですがあのガードレールはなんなのでしょうか?
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改めて国道まで登って確認してみることに。さきほど自分が通ったトンネルの真上はこの国道です。写真の右側の木々が生茂っているところを見に行くと……。
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このような細い道路の痕跡が残っています。
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その眼下には「旧小仁熊トンネル」が見えます。この廃道は本当に短く迂回するような形ですがかつては国道だったのでしょう。少なくとも私はこの道を走った記憶はないので1988年の旧篠ノ井線の廃線と同時期に廃道になったのではないでしょうか。それにしてもこの廃道が国道だとしても相当狭いと思います。この狭さで車のすれ違いはできたのか……?
筑北村はソーラーパネルの村?
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このソーラーパネルが良い例ですが筑北村は旧篠ノ井線廃線跡に関しては特に残したり観光資源にするつもりはないようです。お隣の安曇野市明科が遊歩道として整備したこととは対照的です。また、筑北村はどうやらソーラーパネル設置を推進しているように感じました。使用予定の無い土地の有効活用策の一つなのかもしれませんが村内をサイクリングしていてあちらこちらでソーラーパネルを目にしました。ただし、これは良い悪いという話ではなく筑北村の行政としての判断や方針がそういうものだということです。
筑北村ではそういう状況だったのでさらに年月を経過すると廃線跡の痕跡はどんどん無くなっていくのかもしれません。そうなると他の方の廃線跡探索のブログ記事がある種の貴重な資料になる日が来るのではないでしょうか。
次は小仁熊ダムへ
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残念ながらこれ以上の探索はできないので「小仁熊ダム」に向かうことにします。ダムは標高の高いところにあるものですがこちらのダムは比較的緩やかな登り坂でアクセス可能。
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国道からそこまでキツイ登りではないので近くには「とくら沢ふれあい広場 キャンプ場」・「本城グラウンド」・「筑北村サッカー場」があります。こんな村のなかに立派なサッカー場があるのですから大したものです。
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スタンプラリーの対象スポット「とくら沢ふれあい広場 キャンプ場」に立ち寄ります。サイトでテントサイトなど利用料を確認したところ「※筑北村村民が半数以上使用の場合は無料」という文言がありました。村民への還元を相当意識しています。
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さらに進んでダム湖の中央にかかる橋に立ち寄ります。
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ここからでも長野自動車道を視認できます。どこかの記事で見たのですがダム湖の上に高速道路がかかるのは珍しいのだとか。
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つい先ほど眺めていた長野自動車道の下を潜って先を進みます。ダム湖を眺めているとダム建設前に使用されていた道路が確認できます。
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沈んだ道を追っていくと現在の道路につながっています。もちろん封鎖されていて立ち入りはできません。
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小仁熊ダムに到着。このダムは「富蔵(とくら)ダム」という愛称も持っています。水の確保以外にもたびたび悩まされてきた水害を防止するための安全装置としての性格が強いそうです。
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今回行くことのできなかった旧篠ノ井線の旧小仁熊トンネル(明科側)も川の増水で水が流れ込むためトンネルの延長工事をしています。近隣の別所川・東条川は特別大きな川というわけでもないので大雨が降ればキャパオーバーしやすいということなのでしょう。
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朝日に照らされたダム湖とその上を走る長野自動車道、四方を囲む山との景色。正直、朝日が強すぎて写真や動画が撮りづらかったのですがこのダムでしか見られない組み合わせです。
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ここまで旧篠ノ井線廃線跡探索(ほぼ頓挫しましたが)と小仁熊ダムを回りました。次は「善光寺街道」に絡んで「青柳宿」と「大切通し」に向かいます。
→中編へ続く