春の白馬村サイクリング 「大出の吊橋」の桜

 前回の記事の続きで長野県白馬村の「大出の吊橋」まで行ったお話です。仁科三湖を回った後だとハードでしたが、例年より早い桜の開花だったので多少の無理は承知で行くことにしました。

 大町市から白馬村に自転車で行く場合はほとんどの場合が青木湖を通過して「佐野坂」を降るルートが定番だと思います。今回はせっかくの機会だったので「塩の道」を経由して行くことにしました。青木湖西岸のキャンプ場が多数あるルートを経由して白馬村に入ります。

 このルートは古来より「塩の道」の一部であり「千国街道西国三十三番観音石仏」という石仏群があることで有名です。ほぼ等間隔に石仏が置かれており白馬村の村宝に指定されています。往時は旅人の安全を祈念する以外にも「道標」としても機能していたようです。

 こちらは当該区間を走った際の動画です。

 このルートは途中からは未舗装路。グラベルロードでなんとか進むことができましたが石以上に「落ちている木の枝」が非常に厄介でした。ホイールやスプロケットにひっかけないように最新の注意を払いつつ進みました。本来は「千国街道」という街道なので歩いたほうが風情がありそうです。

 いないと思いますが同じようなことをされる方に忠告しておくと自転車の場合はロードバイクはやめたほうが良いです。もっと言えばサスペンション付きのマウンテンバイクかファットバイクくらいでも大袈裟ではないと思います。私は現地に行くまでの巡航性能の観点でグラベルロードを選択。現地まで車でトランポ可能なら徒歩やマウンテンバイクがベストというのが個人的意見です。

 街道を進んでいると崖下に大糸線の線路と国道148号線が見えます。

 道を抜けると「白馬さのさかスキー場」のリフト乗り場前に出ます。

 ここからさらに踏切を渡り「塩の道」伝いに白馬駅方面に進みます。踏切から降って国道に出ると「姫川源流自然探勝園」に行けますがそれはまた違う機会に行きたいと思います。

 大町市以北は至る所に「塩の道」に関する道標が設置されているので道を間違えず回りやすいと感じます。また、こちらも例に漏れず古来からの石仏が残っています。

 「塩の道」は「善光寺街道のように信仰の道では無かった」という評価をよく目にしますが「決してそんなことは無い」と声を大にして言いたいです。そうででなければこれだけの石仏の数は説明つきません。きっと旅人だけではない色々な人たちが安全や加護を祈ったのでしょう。

 白馬でも道中で桜の咲いているスポットを見つけては撮影。

 撮影しつつ「蕨平石仏群」に向かう途上にあるビューポイントに向かいます。ここに来るのはROVE STで白馬に行った時以来です。あの時は「晩秋の景色」でしたが今回は「春の景色」です。相変わらず良い眺めです。

 撮影していると近くのホテルのスタッフさんに声をかけられました。ホテル内の朝の散歩という企画のネタ探しとのことでした。スタッフさんからは雪形のことや5月の半ばにもなると田んぼに水が張られて良い景色になるというお話を伺いました。どのタイミングかは難しいですがその水田の景色もぜひ直接目にしたいと思いました。

*ちなみに近くのホテルのスタッフさんはこちらの記事の方と思われます。違ったら申し訳ないですが。宿泊者の方に向けてそういう企画もやっているのかと大変興味深かったです。

 「大出の吊橋」に到着。来る途中で臨時駐車場の案内看板も見かけたので混雑しているのか心配になりましたがそんなことはありませんでした。ちなみに後でその駐車場前を通りかかりましたがあまりにも離れすぎていて歩くのが大変だと感じました。

 交通整理の方がこちらに何か言っているようで自転車がマズイのかとビクッとなりましたが・・・

スタッフさん「自転車はここに駐輪して良いよ!!」

私「え?駐輪は怖いんで押して行きます」

スタッフさん「乗って行っちゃって大丈夫だよ」

私「・・・・・・」

 さすがに園内を乗り回すつもりはなく押して行きました。こんな風景の広がっているところを自転車で走っていったら情緒もへったくれもないです。

 一昨年のゴールデンウィークに来た時も桜が満開でした。そう考えると今年は本当に桜の時期が早かったということがよくわかります。

 実は一度も行ったことのなかった高台にも行ってみました。自転車を押して・・・。

 ここで先ほどのビューポイントでお会いしたホテルスタッフさんに再会。そこで高台に建つ小屋らしきものが喫茶店と知りました。ちゃんと営業中。辺鄙なところに建っているなという感想。

 私以外にもロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなど自転車で来ている方々がチラホラ見受けられました。新型コロナの情勢が影響しているかわかりませんがグループライドでもMAXで3人という様子でした。お声かけいただいた方は長野市から鬼無里経由(国道406号線)で来たそうです。お話をしていて鬼無里へ行ったのはロードバイク購入直後が最後だったことを思い出しました。あの時はフロント操作もよくわかっておらず大変でしたが改めて走ってみようと思いました。

 大出の吊橋のあとは「野平の一本桜」や「青鬼集落」も行きたかったのですが時間の関係で今回は見送り。

*この地域は高齢者が多く住んでいることもあり白馬村観光局から観光自粛のお願いが出されているようです。下記は引用。

昨年は野平の一本桜への来場をお控え頂き誠に有り難うございました。地域がら高齢者が非常に多い地域です。新型コロナウイルス感染予防の為、今春につきましても引き続きご来場をお控え頂きますようご理解、ご協力お願い申し上げます。満開の桜は今年も引き続きライブカメラや開花情報でお楽しみください。

白馬村観光局サイト:https://www.vill.hakuba.nagano.jp/nature/spring/

 朝早く自走して仁科三湖も回っておりとっくに脚が売り切れ状態ですがノロノロ運転で白馬村の松川橋・白馬大橋などAACRのコースを辿るように回りました。戻りの佐野坂付近では蛇行しつつなんとか登り切りました。・・・。

 今回は「桜」が目的でしたが桜抜きで白馬は何度来ても良いところだと思います。次は「塩の道」を回るために本格的な夏が来る前には再訪したいところです。

 余談ですが前回の記事に触れたように白馬の後は帰りがてら木崎湖なども散策しています。輪行無しの自走だったので往復でなかなかのハードアクティビティになりました。

 スマートウォッチも今まで見たことのない数字やメッセージを表示。

 スポーツウォッチに「もう明日にしましょうね」なんて言葉をかけられたのは初めてです。次回からは素直に輪行します。