RENEGADE S2のタイヤをチューブレス化してから1年ほど経過しました。タイヤの中がどうなっているのかなど怖いものがありますが放置というわけにもいかないので意を決して整備することにしました。今回の作業でチューブレス化したグラベルロードの運用に関して思ったこともあるので合わせて書いていこうと思います。
*チューブレス化の作業についてはこちらの当時の記事をご覧ください。
タイヤを外して中を確認
まずはタイヤを外します。外したホイールを振るとチャプチャプと音がします。このタイヤについては1年前にチューブレス化しました。その後、乗れない時期が続き放置していたためか8月頃には乾燥し音もしていなかったので追加でシーラントを注入しています。そこから半年以上経過していますが追加した分のシーラントは残っているようです。
予想していましたがタイヤを外すのに悪戦苦闘しました。力一杯にタイヤ側面を押し込むとタイヤとリムの間に隙間ができてリムテープを視認できます。しかし、ビードをリム中央に落とすことがなかなかできません。ホイールが若干心配でしたが体重をかけて押し込んでビードを落とすことに成功。1箇所ビードを落とし込めれば後はベリベリと剥がしながら1周して剥がせます。
ゴムの膜が剥がれていくのを確認しましたがこれで気密性を確保していたのでしょう。
さて、肝心のタイヤの中の様子ですが・・・
大惨事・・・。
固まったシーラントがガムのようにこびりついています。1年前に入れたシーラントが固まったものでしょう。当時、シーラントを追加注入するまで乗ることができず放置状態でした。乗らないにしても油圧式ディスクブレーキと同じく「動かす」ことが重要だということがよくわかります。乗らない場合も定期的にホイールは回しましょう。そうしないとこうなります。
夏頃に追加注入したシーラントは液状で残っていましたが、再利用しないので紙やウエスに吸収するようにして拭い取ります。
外した各パーツを丁寧に清掃・整備
丁寧にシーラントを拭いとってから乾燥させます。ビードについたシーラントは気密性に関係するので丁寧にゴムを除きます。タイヤ内側についてはボロボロと取れるものは除きますが無理に剥がすようなことはしませんでした。キリがないということもありますが無理に剥がしてタイヤ繊維を傷つけるのもまずいと思ったため。また、ビードも写真のように薄くピッタリと付いたものは諦めました。タイヤは再利用するので手間が発生しましたが新品タイヤにしてしまった方が作業的には楽です。
ホイールのリムテープも貼り替えます。我ながらひどい貼り方でしたがそれでもこうして気密性を維持し続けてくれました。改めて前回同様に慣れない手つきで少しずつテープを貼っていきますが最後の最後でテープが終わってしまいました。あと数センチなのに・・・。
WTB – TCS チューブレスリムテープ (11m)使用していたのは上の「WTBの28mm幅のリムテープ」ですがアマゾンでの取り扱いが終わっており他の国内通販だと値段が高く、海外通販だと時間がかかるという状況。やむなく近くのサイクルショップで「STANS NoTubes YELLOW RIM TAPE 27mm」という似たようなテープを調達して貼りました。
こちらのテープは27mm幅で1mm足りませんが特に問題はなさそうです。それよりも気になったのがWTBの11mよりテープの量が9.14mと少ないのに価格は高いということ・・・。wiggleが在庫や価格が安定しているのでまとめて調達しておこうと誓いました。
タイヤの取り付け・シーラント注入
いよいよタイヤの取り付けです。本当は良くないのですがタイヤレバーも使用してリムにはめていきます。前はこの段階でシーラントを入れていましたが今回はバルブから入れるのでこのまま空気を入れます。
空気入れでは隙間から空気が抜けていきビードが上がらないのでインフレーターを使用。あらかじめ封入したエアが一気に入りパンッ!!パンッ!!という音とともにビードがはまっていきます。インフレーターはこういう機会くらいでしか出番はありませんが、有るか無いかで作業難易度が変わるのでショップに依頼しないなら持っていた方が良いアイテムです。空気入れでビードがハマらなければ作業が詰みます。
バルブコアを抜いてシーラントを注入。シーラントそのものにもこだわっても良いのかもしれませんが前の残りがあるので同じものを使用。どのくらい入れるか悩みますが他のサイトや外した時の残り具合から今回も60ml入れました。注入後はホイールをグルグル回してシーラントが全体に回るようにします。
数日間(1週間ほど)の経過観察
あとは空気の抜け具合を見つつホイールをグルグル回して数日置きます。1週間くらいは様子を見た方が良いらしいですが前回も1〜3日間程度で走るに問題ありませんでした。
今回に関してはシーラントとエア注入後の3時間で空気が抜け切っていました。そこから再度エアを注入し1日2〜3回ほどホイールをグルグル回したり向きを変えたりする作業を行います。
3日後にエア注入してみると1berほど空気が減っていました。さらにエアを注入するとタイヤとホイールの継ぎ目、サイドウォールに汗をかいたように水分(シーラント )が付いていました。これは昨年にも見られた現象ですがタイヤ内部の空気圧が高まってシーラントが染み出しているようです。この現象は何が原因なのか不明ですがネット上にもこの現象について触れた記事がありました。タイヤの劣化や不良というわけではなさそうです。そして、ネット情報にもあるように規則性のある形で泡が出ていることが確認できます。編まれたタイヤの繊維に沿って出ているということでしょうか?
約1年ぶりのチューブレスタイヤ作業が無事完了。サイドの水分の染み出しはもう少し様子見することにします。
チューブレス化したタイヤやグラベルタイヤの運用について
チューブレス化、タイヤの掃除やシーラントの再充填など「チューブレスって面倒そうだなぁ・・・」と思ったかもしれません。しかしながら「グラベル系ならチューブレスにしておいた方が良い!!」と強く主張したいところです。確かに作業は面倒で乗れるまで日数も必要です。しかし、実際にグラベルロードを運用していくと逆にチューブド運用の方が不安になってきます。
以前の記事でも触れましたがタイヤのチューブレス作業の中で「外でのパンク修理は現実的ではない」と改めて認識しました。これはグラベル用タイヤ(特にチューブレス対応タイヤ)の付け外しだけで毎回苦戦しているのが理由。リムとタイヤの相性もあるようですがチューブドだろうとチューブレスだろうとこの作業を外でやるのは非常に厳しいです。特に真夏の炎天下だと大変なことになります。
昨年にチューブレス化した時から「外でパンクしたらどうしよう?」と考えてはいたのですが「出先でのパンク修理は諦める」というのが現状の答えです。一応、修理キットと一緒にチューブも持っていますがタイヤの着脱のことを思うと無駄な荷物な気がします。パンクした時の場所や状況によりますが近くの駅まで押して行って輪行、タクシーを呼ぶ、トランポしてきた車まで撤退、現地のスポーツバイク店に駆け込むなどの手段が現実的ではないでしょうか。そのため修理キットよりも「輪行袋」が必須装備だと思っています。
修理というより「応急処置」ですがチューブレス化タイヤならこちらのような補修キットを使用する方法もあります。パンク箇所に詰め物をするという修理キットです。実際に使ったことはありませんが応急処置としては十分なはずで現実的な気がします。(そういう機会が無いことを祈りたい)
上記作業やチューブレス化のメリットなどを考慮するとグラベル系タイヤについては今回のような手間があってもチューブレス化してしまった方が運用しやすいと思います。