青春18切符で東京都心へ日帰り旅行

 今夏も暑すぎてサイクリングなどのアクティビティが文字通り命懸けになっています。そんなことから今年はアクティビティ無しで鉄道旅行をしようと思い立ち、数年ぶりに「青春18切符」を購入しました。何泊かする大掛かりな旅行をするつもりはなく、日帰りでの小旅行という想定です。そして、今回は久方ぶりに東京へ行くことにしました。典型的なお上りさん旅行です。約5時間の鈍行列車移動となりますがどうなることやら……。

思ったよりは苦ではなかった約5時間の鈍行列車

 今回は松本駅から新宿駅に向かいます。青春18切符は特急・新幹線は乗車不可です。そのため途中の高尾駅で中央線快速(東京行)に乗り換えての鈍行列車移動です。移動時間は4時間45分、通常運賃は4,070円の行程です。ちなみに高尾駅から京王線を使うと移動時間はたいして変わらないものの運賃を3,820円に抑えることが可能。まぁ、今回は青春18切符なので関係ありませんが。

 青春18切符で5時間クラスの移動をするのは学生時代以来。何が心配かと言えば長時間の着席による腰(あとお尻)への負荷。しかし、時間・時期的なものなのか車内は混雑しておらず定期的に立ったり足を伸ばすことができたこともあり割と問題なく新宿まで移動できました。強いていうなら高尾駅から新宿までの車内が混雑していたのが大変だったというところ。松本〜新宿の移動だと座席確保や運賃の問題がなければ高速バスを使った方が無難ではあります。(特急あずさは運賃と移動時間からコスパは微妙)

秋葉原・池袋などを散策

 今回は目的地は東京都新ですが特に「目的」というほどのものはありません。ただ、都会の街並みを見て回るような旅行です。とはいえ、日帰り旅行で時間も限られるので新宿駅周辺を散策した後は池袋・秋葉原といわゆるオタク向けエリアを中心に散策しました。あと、このゴミゴミした感じが東京に来たなぁと感じさせます。

 「オタク向けエリア」と聞いて真っ先に思い浮かべそうな場所は秋葉原ですが、実際のところ「池袋」も昔以上にオタ向けハード・コンテンツが移行・充実してきている感があります。これは某感染症の大流行前から顕著なところで豊島区が文化的コンテンツ誘致に力を入れていることが影響しているのでしょう。ほかにも後述する秋葉原で露骨なまでのインバウンド向け店舗やいかがわしいお店が増えたのも理由として挙げられそうです。上の画像のような「憩いの場」も精力的に整備するなど多様な層を街に呼び込もうという意図が見えます。

 近年、再開発で整備された「ハレザ池袋」という再開発商業エリア。私が学生時代の頃はボロボロの豊島区庁舎が建っていた場所です。庁舎跡地には「HAREZA Tower」という高層ビルが建ち、オフィステナント、豊島区民センター、TOHOシネマズ池袋などが入っています。

 さらに目を引くのはそのお隣の「アニメイト」。でかいビル丸々アニメイトというなんともすごい状況になっています。そのため周辺は一目見てオタな方々がひしめいています。

 池袋の東急ハンズはニトリになっていました。

 場所変わって秋葉原も散策。一時はあからさまにいかがわしいお店のメイドさんが立っているなど治安含めて悪い方向での変貌ぶりを見せていました。現在では自治体の浄化作戦なのかそういうものはなりを潜め、再びオタク向けな街になっています(それでもそういうのはいますが)。多少の揺り戻しがあったにせよ、ひと昔よりは良くも悪くもオタク臭さが薄まった印象です。良い言い方をすれば多様性に振った街ということでしょうか。交通アクセスも良く、昔よりも飲食店含めてお店も充実しているので退屈しない街だと思います。

 個人的には「ヨドバシアキバ」が秋葉原に出店してきた時のインパクトはとても大きいものでした。家電をはじめ多種多様な分野の製品を取り扱っている家電量販店が出店してきたことの影響力は計り知れないものがありました。文字通り多様な層の呼び水になったと思いますし、従来からの既存店への「圧」としても機能したことでしょう。池袋でも出店の計画がありますがどうなるのでしょうね。

 このくらいの規模の家電量販店だとを見て回るだけでもあっという間に時間が過ぎますし、大抵のものが実物確認を含めてまかなえしまいます。周辺のお店を含めて豊富な品揃えなどは地方都市と比べものになりません。

 ガンプラもここだと潤沢……と思いきやそんなことはなかった。地方のお店と比べれば在庫数は多いですが、それでもかつての潤沢さとは程遠い状況でした。なんとか頑張って棚を埋めているという印象です。

 2階のPC関連フロアでペンタブレットも見ましたが、XPーPEN、HUION製品が並んでいました。一部なのでしょうが実店舗でもこれらのメーカーさんの製品が並ぶ光景は新鮮です。お隣のワコム製品と見比べると性能以前に価格帯の違いに目が入ってしまいます。昔は超が付くくらいに高嶺の花だった液晶ペンタブレットも手が届きやすくなり、良い時代にあったなぁと思う次第。

 秋葉原に来てしょっちゅう通っていた「とらのあな」は閉店し、お隣のアニメイトがそのまま侵食しています。アニメイト強い。

 フロア掲示を見るとキャラクターグッズが大半と言ったところ。これは池袋も同じ状況。オタク向けコンテンツとグッズは切り離せないということなのでしょう。あと、同人誌については実店舗だと「メロンブックス」がほぼ独占しているような状況ですね。

東京はあらゆる文物が揃う「都」

 秋葉原など回る中で某サイクルショップなどオタ向け以外の場所も見てきました。図らずもダホンの「K9X」という折り畳み自転車が試乗車にあったので試乗してみることに。

 詳細は別記事で扱う予定ですが、似たカテゴリに思える「K3」とは別物だというのが乗ってみた印象。用途や比較対象によりますが、K3との比較であれば個人的にはK9X一択といったところ。

 あと、こちらのショップや別店舗、ヨドバシカメラなどを見ていて気付くのが、製品の品揃えとセール品の多さです。単純に売れていないという可能性もありますが、都市部だと商品の流通量と回転率などの商業規模で大きな差があることを感じさませす。自宅周辺で他店購入車のメンテナンス受け入れ可能というお店のあてがあるなら、都心などのショップで購入していくのも有りなのかもしれません。価格は別にしても「お店に在庫がある」というのが強い。

 自転車に限りませんが家電・家具など他分野を見ていても同様に思います。多くの企業が「なぜ地方ではなく都市部に本社機能・主要事務所を構えるのか」というのはそういうことです。

 東京駅の地下街にはキャラクターショップが多くひしめいておりサンリオ・ジャンプ作品・ちいかわetc……のグッズが揃っています。また、ターミナル駅らしく多種多様なお土産屋さんなども出店しています。

 東京駅とその周辺エリアだけでも見て回るには1日では全然足りないでしょう。古の時代にあらゆる文物が集まっていた「京の都」を見て回った人もこんな心持ちだったのでしょうか。

 帰路に着く前に東京駅の外も散策。東京駅の赤レンガ駅舎は大正時代に造られ、現在は重要文化財に指定されています。

 改札口の内観も装飾が美しいです。

 一目見て東京駅だとわかる有名スポットなので写真を撮る観光客が多く見受けられました。

 「打ち水システム」なるものがありました。気温のみならず湿度も高い東京の気候だと逆効果な感じもします。気になったのがこの打ち水スポットで何人か子供が水遊びをしていたこと。「色々な人」が行き交う場所なので防犯上の意味でもやめておいた方が良いと思いました。ニュースでも公園の噴水で水遊びをする子供の様子を流していることがありますがあれも危ないですし。

 以上のように自分がかつて住んでいた当時に足繁く通った場所を中心に散策してきました。東京スカイツリーなど超有名スポットには行きませんでしたが、自分がよく行っていた場所がどんな感じで変化しているのか見て回るだけでも十分楽しめました。次はさらにエリアを絞って回るのも良いかもしれません。豊洲市場も行ってみたいんですよね。

 あと、久方ぶりに「バーガーキング」のハンバーガーも食べられたのが今回の旅の収穫。

 メニューによりますが今や似たような価格帯となったマクドナルと比べたら断然こちらです。長野県の市街地にも来て欲しいものです。お待ちしております。

帰りは大変な目に遭いました……

 帰りも中央本線で鈍行列車の帰路に着きましたが途中で大変な目に遭いました。長野県では局所的な集中豪雨が発生し鉄道が軒並み運転見合わせになりました。中央本線も上諏訪〜茅野駅で運行停止となり、私が乗っていた車両は青柳駅で2時間半近く足止めとなりました。

 次の到着駅である茅野駅周辺(茅野市)は雨雲レーダーを確認すると真っ赤っか。

 雨足が落ち着いた後も線路の安全点検でだいぶ時間がかかっりました。場所が場所なので宿泊先など逃げ場がないのがなんとも……。車両内は全然混雑していないので好きな座席に座って思い思いに過ごせたのが救いでした。これで都心並みに混雑して立ちっぱなしなんて想像しただけで恐ろしい。

 特徴的な車両が隣接ホームに停車。今度は小海線での鉄道旅も良さそうですね(呑気)。

 ようやく電車も動いて松本駅に辿り着きました。22時前に到着の予定が日付跨いで0時20分です。到着ホームの隣には「特急しなの」が停車しており車両内は席の大多数が埋まっていました。どうやら長野市行きの人たちのために確保した車両だったようです。逆に長野市・篠ノ井方面からは一時、バスによる振替輸送もあったようですが実質運行停止のようでした。

 最後の最後に大変な目に遭いましたがこれで「忘れられない旅」になったことは間違いありません。

次はどこに行こうかな

 今回の東京旅行の前に糸魚川市などにも鉄道旅をしています。まだ青春18切符の回数は残っていますがすでに十分元が取れています。あとは前から検討しているところを含めて運賃を気にせず残った分を使おうと思います。