「大糸線サイクルトレイン」を利用して海の見えるサイクリングコースを走ってきました!! 久比岐自転車道をサイクリング

 今回はJR西日本管轄の大糸北線で実施の「大糸線サイクルトレイン」を利用して「久比岐自転車道」を走ってきました。大糸線サイクルトレインは開始から3年目とのこと。以前から興味があったのですが、海の見えるサイクリングロード「久比岐自転車道」も走りたいと思っていたのでこの機会に利用してみることにしました。

大糸線サイクルトレイン

 南小谷駅に到着!!

 こんな写真を撮っていますが南小谷駅までは車です……。本当は輪行をしたかったのですが、帰りの時刻表が酷すぎて断念。南小谷駅に戻ってきて3分後に信濃大町駅域が発車です。輪行袋へのパッキングが間に合いません。まぁ、やってやれないことはないのですがせっかくのサイクルトレインなのに輪行袋に畳んだ状態で帰りの電車に乗るのも違うかなと。

 駅前に村営駐車場があるのですが松糸道路関係の橋の工事で駐車場の場所が非常にわかりづらい。砂利敷きでここで良かったのかわからなかったので少し離れた小谷村役場の駐車場を利用しました。

 集合時刻が近づいてきて私以外の参加者、サイクルトレインのスタッフさんもやってきました。そして、今回の参加人数が私を含めて3名という衝撃の事実が判明!! さらに追い討ちで翌日の参加者は0名だそうで……。いや、もっといるもんだろと思いましたよ。びっくり。

 9月のこの時期だとまだ暑さも残っているのも理由ではないかとのこと。10月はそこそこ予約者がいるようです。確かに暑さも落ち着いて、紅葉も望めそうですから10月の方が良いのかもしれません。ということで検討中の方はぜひ予約しください。(たぶん、まだ申し込みは大丈夫なはず)

 電車も到着したので乗り込みます。自転車をそのままの状態でホームまで運び込むのはなんだか新鮮な気分。電車自体はJR西のローカル路線ではお馴染みのキハ120(走る廃線フラグ)です。サイクルトレインだからと特に変化はない通常仕様です。イベント名のボードだけですね。

 他の旅行客などの方々も乗り込んでいましたが土曜日ということもあり混雑していました。人が多いので車内の写真もそんなに撮ったり上げたりはできません。大糸北線は時間帯にもよりますが平日でもそこそこ乗っている人がいます。「廃線議論がされているローカル路線」と聞いてイメージされるような空気輸送車ではないということはここに書いておきます。

 今回は3名だけということで写真のようにラックとロープ・養生シートで固定する方式でした。参加者が多い時は広報ページのように吊り下げる方式をとるとのことです。

 車窓の景色を眺めつつ撮りつつ糸魚川駅までゆっくり走ります。さらにJR西の本イベントスタッフさんが沿線の解説をしてくれました。

 上の画像にわかりづらいですが山肌にスノーシェッドが写っています。この前走った北小谷の旧道区間です。

 電車に揺られ糸魚川駅に到着しました。参加人数が少ないこともありますが、先の自転車の固定含めて何から何まで親切丁寧な対応で行き帰り共に快適な電車旅でした。

 そういえば後で気づきましたが、スタッフさんのうちの一人は前にYouTubeかなにかのニュースで見た糸魚川市の地域おこし協力隊の方でした。おそらく見間違いでは無いはず。

 ちなみに嫌な言い方ですが参加前は「廃線議論されている路線だし、もっとサイクルトレインをやれば良いのに……」と思っていました。しかし、実際に今回参加してみて諸々のことから「限られた日しかサイクルトレインは実施できないのだろうな」と感じました。これはやむを得ないなとも思いますし、もったいないなとも思うところ。この辺については後日、別記事にして扱う予定です。

海の見えるサイクリングロード「久比岐自転車道」を走る!!

 糸魚川駅を出発して「久比岐自転車道」に向かいますが、その前に駅から日本海側に真っ直ぐ行った先にある展望台に寄り道。

 展望台からの眺め。山側から雲が出ていますが良い眺めです。

 糸魚川駅の南北で山か海かと様相がガラリと変わります。山に行けばフォッサマグナやらヒスイやらと見どころがあります。こちらも違う機会には回りたいところです。

 以前に来た時の海面はエメラルドブルーでしたが、今回はサファイアブルー、コバルトブルーのような青です。海無し県出身としてはどちらも眺めていて楽しい風景です。あと、海ならなんでも良いと言うわけではありませんが、東京の高層ビル群と海の組み合わせもあれはあれで好きです。

 寄り道をしましたが「久比岐自転車道」を走ります。この自転車道はかつての国鉄「北陸本線」の廃線を利用したもので、全長約32kmの平坦基調なコースです。そのため初心者でも走りやすい道と言えます。

 もう少し詳しく触れておくと「初心者でも走りやすい」というのはこの自転車道および周辺環境によるもの。平坦基調でコース沿いにはコンビニと道の駅があるので休憩・補給には困ることはないでしょう。さらに時間・混雑度によりますがほぼ自転車道に沿って走る「越後トキめき鉄道」はサイクルトレインを実施しています。正直なところ今回利用した大糸線サイクルトレインより融通が効き使いやすいと思います。万が一の時はこのサイクルトレインを利用することでエスケープすることもできます。

 糸魚川(もしくは直江津)までのアクセスが大変ではありますが、有名なサイクリングロードである「つくばリンリンロード」より走りやすいように思います。

 海を横目に自転車道を漕ぎ進めます。途中、サイクリングの人たちと何度もすれ違います。先に触れたように自転車道自体は距離や路面環境など走りやすいので走る人が多いのも頷けるというもの。

 今回は「道の駅マリンドリーム能生」まで行って引き返すと決めているので、途中で足を止めては写真撮影です。

 ちなみに山側に目を向けてみるといかにもな雨雲が迫っています。数時間もすれば海の方も曇りになるでしょう。

 全くの余談ですが今回のライドで地味に大活躍したのがpep cyclesCafe Rack (カフェラック)。今回のライドでは邪魔になるかなと思いつつも付けっぱなしでしたが、予想を裏切って大活躍しました。立ち寄った先で購入したコンビニコーヒーをそのまま突っ込んでライドができ、撮影などで足を止めるたびに海を眺めつつコーヒーを啜るという贅沢な時間も過ごせました。また、荷物固定用のバンジーコードを使えば大きいペットボトルなどをラック上に寝かせて括り付けることも可能。

 他の装備についても触れておくと今回のアクションカメラは運用をミスりました。いつものハンドルマウントだと高さが稼げないので、防波堤に遮られて肝心の海が撮れていないというお粗末な結果に……。今回の場合は自撮り棒的な長いハンドルマウントを準備すべきでした。

 海を背景にした風景は普段見ることが無いのでついつい見入ってしまいます。その分、グラベルロードに乗っているのに牛歩みたいなペース。

 とは言え、こういう景色を前にしたら足を止めるなというのが無理というものです。

 この自転車道では定番といえば定番ですが、「小泊トンネル」の道の駅側の出口付近。個人的には他の方が上げている写真含め、このトンネルの画像を見ると「久比岐自転車道」なんだなという感じです。

 トンネルを出てすぐのところにある「道の駅 マリンドリーム能生」。とにかく混雑がすごかった……。

 道の駅の海沿いは多くの観光客で混雑。ほとんどのグループが桶と言いますかバケツみたいなものに入れられたカニを貪っていました。後で値段を見ましたがあんなにするのか……。

 道草をしすぎたせいでゆっくり食事をしていく時間的余裕はありません。混雑が混雑なので食事を待つ時間で帰りの集合時刻に間に合わない可能性大です。ついでに言ってしまうと海からの潮の香り漂う中で海産物だと食が進まない……。

 その代わりに時間の許す限り日本海を眺めつつコーヒー啜って休憩。海も山と同じように四季折々違った風景を見せてくれるのでしょうね。

時間は割とシビア……。

 今回は割り切った予定を組んでいましたが、サイクルトレインを利用してのタイムスケジュールだと糸魚川の滞在時間からしてかなりシビアかつタイトなタイムスケジュールになります。今回利用した大糸線サイクルトレインは「南小谷発着コース」というものですがタイムスケジュールは以下の通り。糸魚川市の滞在時間は3時間42分です。実際は降車後の注意事項アナウンスなど諸々あるのでそれよりはもう少し短いでしょうか。

【南小谷発着コース】 ※糸魚川市サイクルトレイン紹介ページより引用

  9時30分 南小谷駅前集合

10時04分 南小谷駅発

11時03分 糸魚川駅着

 ~糸魚川・能生エリアをサイクリング~

14時45分 糸魚川駅アルプス口(南口)エレベーター前集合

15時13分 糸魚川駅発

16時15分 南小谷駅着

https://www.city.itoigawa.lg.jp/item/30379.htm?fbclid=PAAaa5cbTWZlDlS8_2vbUySCn-lq4EC47lzxNGyFbGagwuHCuGdOZLunvqyeg_aem_AVZkqBqae_sSFNEBYzakl5cRIsK58_oZ0J_cRjjpxcxPEIp1QXahYTn6AwiM9lUkqwvfONbzzqlegRbx-wbiQhKo

 糸魚川駅から自転車道の起点までそこそこの距離があり約30分は見たいところ。自転車道は約32kmの長さですが今回のタイムスケジュールだとマリンドリーム能生までが限界だと思います。私のように足を止める頻度を減らすにしても、それ以上先まで進むとパンクなどの車体トラブルやら何やらがあった時に間に合わなくなる恐れがあります。そのリスクを冒すくらいなら道の駅でゆっくり食事できるくらいの行程で組んだ方が安全です。

 道の駅は糸魚川市のスタート地点から11kmなのでロードバイクだと走り足りないかもしれません。私はROVE STというグラベルロードでゆっくり走っていましたが、ロードバイクの高速域ならもう少し余裕があるでしょうか。ただ、この自転車道は一時停止箇所が多いことと地元民などの歩行者もいるのでスピードを出すのは厳禁。そもそもこの自転車道はスピード出して走る趣旨の道では無いのです。

 自転車道を走破して他の場所もじっくり走りたいという場合は素直に宿泊していくのが良さそうです。

 そんなわけで今回のスタンプラリーはローソン、セブンイレブン、道の駅の3箇所まわりました。スタンンプ3個なのでステッカーを入手!!

 ステッカーは数種類ありますが画像の丸いステッカーが人気だそうです。自転車にも貼れますし。私もステッカーデザインで選んだ口です。どこに貼ろうかな。

 「このままだと帰りの時間まずいかな……?」などと若干不安になりながらスタート地点まで走ります。この頃には海まで曇り空がかかっていましたが、風が無かったのは幸いでした。

 スタート地点に戻ってきた時点で糸魚川駅集合時刻まで35分くらいの余裕がありました。いや、トラブルや強い向かい風が無かっただけで割とギリだったのかも……。

 私の場合はとにかく前述の展望台など寄り道、道草が多かったのでこれらを削るともっと時間的余裕はできそうです(当然、本人の体力・脚力、自転車のスペック次第です)。参考までに以下は写真撮影時刻から辿ったおおまかな記録。

11:15頃 糸魚川駅を出発

11:19頃 展望台に到着 

11:35頃 展望台を出発

12:50頃 自転車道の起点に到着(コンビニでドリンクなどを補充)

12:00頃 自転車道スタート

13:10頃 道の駅 マリンドリーム能生に到着

13:20頃 道の駅を出発

14:20頃 自転車道の起点に帰還(この時間前後で起点横のローソンでドリンクなどを購入)

14:35頃 糸魚川駅に帰還(駅の観光窓口でステッカーを受け取って集合時刻の14:45分)

 こうやって書き出してみると展望台をカットしていた場合は約20分は時間を捻出できていたようです。さらに自転車道のスタート地点から道の駅までは11kmの距離ですが、1時間10分かけているのでどれだけ足を止めて撮影やら道草をしていたのかがわかるというものです。

「サイクリング+鉄道旅」がセットで楽しめるのがサイクルトレインの魅力

 今回は大糸線サイクルトレインを利用して日本海の美しい景色を眺めながら久比岐自転車道を走りました。サイクルトレインの開催頻度や現地滞在時間(つまり時刻表)について思うところはあるものの、自転車をそのまま乗せられるのは快適そのものです。特に「サイクリング+鉄道旅」がセットで楽しめるのは大きな魅力だと思います。あとは固定方法・乗せ方、運行形態などをもう少し工夫すれば利用者も増えて観光での強みを出せると思います。(現状だと係員さんの手間や利用までのハードルが高いと思います)

 サイクルトレインでのサイクリングだったので時間的制約はありましたが、日本海の美しい景色を眺めながら走れて楽しめました。普段見ることがない景色を楽しめるのは旅行の醍醐味だと思います。また違う時期に久比岐自転車道を走りに来たいと思います。