大糸線ファンミーティングに参加してきました!! イベントに参加して感じたことなど

 前の小谷村サイクリングの記事でも触れましたが「大糸線ファンミーティング」に参加してきました。ファンミーティングは3日間の開催でしたがスケジュールの都合で初日の開会式・展示・講演会のみの参加でした。南小谷駅〜糸魚川駅の区間の「大糸北線」の廃止議論や利活用促進に関するニュースは多々聞いてきましたが、実際の現場レベルでの熱量、力の入れ具合はどうなのだろうかと気になっていたので参加してみた次第。あとは本イベントが「大糸線応援隊」向けだったのでせっかく隊員になっているわけでそれも活用しようと思ったわけです。

 読んでいて癇に障る部分も多々ありますがイベントに参加してみて感じたことなどをつらつらと書いていきます。

思ったより来場者がいました

 いきなり失礼な話ですが自分の予想よりも来場者が多かったです。予想では数人程度の規模感なのかなと思っていたのですがそれを軽く上回る程度には人が来ていました。前回の記事でも触れましたが大糸線の車両にも本イベントを含む観光であろう方々が多く見受けられ、上の写真を撮っていた時も南小谷駅前もそこそこの人で混んでいました。これらの様子を見るに「観光」で売っていくしかないのだろうなと強く感じさせる光景でした。

展示は見応えがあった

 「おたりつぐら」という小谷村の公共施設で大糸線に関する展示も行われていました。大糸線開通や平成の大水害や雪害の写真など大糸線の歴史を振り返ることができる内容でした。大糸線応援隊に登録している方でも現地訪問が初めてという方も見受けられましたのでそういった方々にも有意義な展示だったと思います。

講演会の内容は一般的なこと……だけどそれが難しい

 開会式後には「えちごトキめき鉄道」の鳥塚亮社長の講演会がありました。「大糸線を活用した地域活性化」について「いすみ鉄道」前社長というキャリアも絡めて経営立て直し策・交通機関としての役割などについて触れられていました。

 話の中で特に印象に残ったのが「乗って残そうからの脱却」、「生活の足としての利活用は拷問であり無理がある」、「どうやって現地に足を運んでもらうか」という部分でした。赤字ローカル路線では本数など利便性の面で生活の足としての需要を十分に満たせません。「乗って残そう」と無理強いして乗降数を増やしても長く続かず遠からず破綻します。

 生活の足として利活用が厳しいとなれば無難なところで「観光」に振っていかざるを得ないわけです。各種プロモーションなど実例交えてのわかりやすいお話があり、どういう取り組みが必要なのかがよくわかりました。「生活の足」として以外の部分でどう地域の発展に貢献していくかという答えを見つけていかないと生き残りは難しいということなのでしょう。逆にそれができれば簡単に廃線という議論がにはならないのかもしれません。

 講演の内容は聞く人によっては社長さんの自慢話かなと思うかもしれませんが、おおよその部分で大糸線の状況を改善するヒントになるものだったと思います。具体的にどうするとなるとそれが難しいわけですが。

もっとオープンなイベントにすべきでは?

 本イベントで真っ先に気になっていたのが「大糸線応援隊向け」としていた点です。なりふり構っていられない状況なわけで〇〇向けなんて限定する必要があったのかは疑問でした。

 隊員でなくても参加可能(現地で隊員登録も可能)でしたが、クローズドベントであるように誤解を生むというか、「壁」をわざわざ作らなくても良かったのではないかと思いました。言っていて悲しくなりますがオープンにしたところで来場者数もたかが知れています。万が一、オーバーツーリズムのごとく人が押し寄せてしまったら、それはそれでJR西にアピールできる絶好の機会になったと思います。

 総じていまいち切羽詰まった感に欠けるように思ったのは私だけでしょうか。そもそもJR西は廃線したがっているのでその部分での温度差もあるのかもしれません。本筋と離れますがサイクルトレインだって毎日やっても良いくらいだし途中下車できるようにすべきです。JR西は嫌がるでしょうけど。

現実は厳しいけど存続してほしい(個人的な感想・意見)

 ここからは前々から感じていたことや今回のイベント踏まえての個人的な感想というか意見です。怒られそうなことも書いていますがそうとしか言えないので悪しからず。

実用に無理のある構成

 現状の大糸線を見るに「日常の足」としての利活用促進は無理があります。講演を聞くまでもなく自分自身がサイクリングなどで小谷村に赴く際に身をもって痛感しているところです。

 一例ですが松本駅を始発で出発して南小谷駅に到着するのが8時20分。そこから糸魚川行きの電車が出るのが10時4分です。どうしても早く移動するなら大町市に前泊しないといけません。「ふざけているのか?」と言いたくなる状況です。

 これに限らずJR東・JR西の接続の悪さと本数の少なさは実用上の大きな壁になっています。使いたいけど使ったら生活に支障が出るレベルです。それが今の大糸線です。(接続の悪さについては開会式挨拶でも触れられていましたね)

 大糸線沿線は地域柄、「一家に一台」というよりは「一人一台」で車を所有しているところが大半です。自分が実際に見聞きした範囲でも大糸線がJRの東西で分かれること、JR西は気動車が走っていること、どんな外見の車両かなどをそもそも知らない人もいます。その中でわざわざ電車を使いましょうと働きかけるのは酷な話であり無理筋です。

子供を盾に使えない

 隣接路線のえちごトキめき鉄道との大きな違いである「沿線人口」もネックです。特に車の運転免許を持てない10代のお子さんの人数。「鉄道路線を廃線にした後はバスに転換する」という地域もあります。しかし、えちごトキめき鉄道エリアでそれをやるのは難しいと言えます。子供達を中心に通学時の悪影響が大き過ぎるのです。

 バスは信号・渋滞があるので通学に大きな支障が出ます。これは東京都の都バスなど関東近県でもよくわかることで私自身も経験済みです。松本市だって高校によっては通学が苦行になるところがあります。こういった形で子供が割を食う、蔑ろにするような地域は衰退していきます。「子育てしにくい地域」に住みたいと思う親世代・現役世代はいません。そこで生まれ育った方は離れていき、外からの移住者には候補から外されます。それだけ通学需要というのは大きな存在なのです。今でも巨額の赤字が出ている鉄道路線ですが、こういったことも考慮すれば残しておく意味はありますし許容もされます。

 対して大糸北線の場合は沿線人口が比較して極端に少ないので「通学需要」という、嫌な言い方をすれば子供を盾にする手段も使えません。鉄道を廃線した地域は程度の差こそあれ、ほぼ例外なく衰退するので上記のような手段も使えます。それがすでに衰退しているような地域だと「子供のために残さないといけない」というワードは使えません。失礼な言い方ですが小谷村(と糸魚川市の沿線地域)はまさにそう言って差し支えないエリアで厳しさ2倍マシのような状況だと思います。

※重ね重ね失礼なこと書くけど行くたびに「病院や買い物とかどうしているんだろう?」と思うわけです。生活インフラに不安を感じさせる点は特に致命的。

「観光」に活路を見出すしかないと思う

 大糸線が簡単に廃線に持っていけない理由としては車窓からの景色や水害からの復旧が背景にあると思います。生活の足が厳しいとなれば、景観や周辺の資源を生かして「観光列車」の側面を前面に出していくしかないと思います。どう足掻いても赤字解消は不可能だと思います。しかし、「廃線してしまうと沿線および隣接地域に大きな悪影響が出てしまう」くらいのポジションまで持っていけば存在意義を持たせるには十分でしょう。

 講演会で触れられていたことも踏まえるに、「大糸北線の沿線地域をただ通過させず、滞在してお金を落としてもらえる構造」を構築する必要があります。難しい注文ですね。他にも方法があるのかもしれませんが今現在の状況ではこれがまだ実行できそうな方法だと思います。ただ、一番の問題は「具体的にどうするか」という部分でしょう。なにかあるかな? 個人的に思いつくものもありますがニッチすぎる上に大糸線使わなくてもできそうなので微妙だな……。

 まぁ、まずは時刻表の接続の悪さを改善するところから始めてほしいですね。