「大糸線ファンミーティング」というイベントに参加するのに合わせて小谷村をミニベロでサイクリングしてきました。イベントの受付開始までという時間制限付きですがせっかくなので旧道の封鎖されているところまで走ることにしました。
※一部、アンオフィシャルであったりグレーなルートを走っていますが自己責任です。
小谷村は急峻な地形からヒルクライムスポットでもありますが、走るのはミニベロに乗った私なのでストイックな走りはできません。2019年に走った時と同じように旧国道などをメインに走ることにしました。
先に注意として書いておきますが、今回走るルートについてミニベロはまったくオススメしません。白馬村など他のエリアと比較しての話ですが、ヒルクライムスポットを除いても自転車で気軽に楽しめる道はあまりありません。どこもそれなりのアップダウンがあり、舗装路の状態もお世辞にも良いとは言えない状況です。ライディングスキルが高い人以外はロードバイクも怪しいと思っています。最低でも太いタイヤを履いたグラベルロードやクロスバイク、欲を言えばマウンテンバイクの方が安心して走れます。今回のグレイシアはタイヤの空気圧を高めにしていたことも影響しているのですがそんな感じです。(長野県一周サイクリングルートのメインルートにも入っていないあたりでお察し)
ところで今回のミニベロのグレイシアをそのままクロスバイクサイズにしたようなモデルってどういうものがあるのだろう? 比較的に手頃な価格で悪路に強そうな自転車という縛りだとJAMIS の「SEQUEL」シリーズやMARIN「ニカシオSE」くらいしか思い浮かばないなぁ。とは言え、今挙げたのは油圧ブレーキなので上位互換か。
話を戻しますが、今回は時間制限もあるので先に触れた旧道の閉鎖されたところまでを走ることにしました。南小谷駅を出発しトンネル手前の「サンテイン小谷」前交差点を渡ります。
道路を横断したところにある橋からの写真です。スノーシェッドが見えますがあれが旧道です。これからあの道を走ります。
ところでこの橋の横に立っているこちらの構造物はなんなのでしょうか? 知っている方がいれば是非とも教えていただきたいところ。
国道のトンネルを避ける形でスノーシェッドの旧道区間を走ります。こちらの道は生活道路として地元の方も利用しておりそこそこ車とすれ違います。
トンネル内で来た道を振り返るとスノーシェッドの隙間から先ほどの橋が見えました。それにしても怪しい雲が山の上にかかっている……。(帰宅時は土砂降りでした)
この上に走っているパイプ状の道路は国道です。
姫川には大糸線の細い線路が通っています。
姫川沿いの険しい地形に線路を通している関係からここの区間を走る車両は徐行といって差し支えない速度でしか走れません。(運転士が線路点検も兼務していることも関係しているのでしょう)
中土駅に到着。駅舎の外装を剥がして何やら作業をしていました。
これは冒頭で触れた「大糸線ファンミーティング」の企画の一つ、中土駅の外壁塗装・除草作業の下準備と思われます。
前はボロボロで地図が剥がれていた「駅周辺地図」も新品に交換されていました。私は翌日のこちらの作業やイベント自体には参加できませんが、中土駅がどんな感じに変わるのかは楽しみです。今は寂れた駅ですが元々は終着・起点駅だったのでかつての威厳を少しでも取り戻してほしいところ。
さらに旧道区間を進み「川尻洞門」に到着。こういう赤いスノーシェッド・トンネルは個人的に惹かれるものがあります。
閉鎖されてアクセス不可ですが県境に位置する国界橋や葛葉峠の赤い骨組みのトンネルも良いです。(あの区間は修復したのであれば走らせてほしい)
この洞門を右折してすぐには「姫川橋」というコンクリート製の橋があります。
鋼材の無い中で建設された土木遺産にもなっている橋です。
遠くから見てもその曲線的なラインが目立ちます。
今回も国道の横に残っている旧道区間を進みます。
……が気になる看板を発見。これから進む洞門は点検のために8月27日以降は通行止めだそうです。いつまで行われるのかわかりませんが、これにより現在の国道のトンネルを抜ける以外に手が無くなります。今回走れたのはギリギリでタイミングが良かったということですね。
崩落の危険性を伝える看板が出ていますがこちらも車の通過があり生活道路として利用されていることを伺わせます。
トンネルの横にぽっかりと空いた別の入り口があります。
中は資材置き場らしき空間があります。こちらも以前は道路として使われていたのでしょうか?
トンネルの横には迂回路があるのが定番?ですが、こんな感じで封鎖されています。この先もトンネルの迂回路的な道がほぼ存在しないので、それがよりトンネルを回避しての自転車での移動を阻んでいます。
さらに進んでいくと工事用で作られたであろう道路があります。今回はこちらを走って北小谷駅や道の駅を目指します。
ちなみにこの道路の入り口横にも未舗装路があり、進んでいくと「浦川スーパー暗渠砂防堰堤」なるものがあります。
堤防の上にもアクセス可能です。小谷村は古くから水害・土砂災害に悩まされてきた地域なのでこういった建造物がいたるところにあります。
話を戻してこのアンオフィシャルな道路を走っていくわけですが、大きな穴が空いているなど舗装状況は非常に悪いので諸々自己責任ですね。間違ってもミニベロで走る道ではないと思います。とはいえ、前回走った山側のルートはもっと大変だったので贅沢は言えないでしょうか。
この道路をだいぶ進んだ先で右側に「来馬グラウンド」があります。草が伸び放題でほとんど手入れがされていないようです。サッカーのゴールポストも錆が目立ちます。グラウンドの向こう側には国道148号線が見えます。
アンオフィシャルなルートの出口に到着。グラウンドの案内看板があります。北小谷駅側からグラウンドまでの道は以前からあったようですが、工事用の道でそれが一本に繋がったということでしょうか。
ここからは前回は時間切れで行けなかった区間に向かいます。道の駅のすぐ近くの従業員用駐車場?にはかつての平成7年の水害で崩壊した旧国道の遺構が残っています。
ここの箇所は現在は倉庫として利用されているようです。
さらに近くの草むらに塩の道の案内板が転がっています。これだとどこがルートか分かりませんがおそらくこの草むらを進めということでしょう。
さらに北側に進んだ先にも同じ案内板がありました。どうやら2つの倉庫の間から草むらの中を入っていくようです。ちょっと今の時期だと色んな意味で大変ですね。
ここからさらに下に降りて旧道区間に突入。国道の真下を通過します。
ここにも塩の道(天神道ルート)の案内がありました。
進んでいくとスノーシェッドが見えました。
こちらはトンネルになっているおかげかそこまで舗装は傷んでいません。
姫川を挟んだ対岸には大糸線のトンネルが見えます。
スイスイ進んでいき細い洞門入口が見えてきましたが……
予想外なことにここで通行止め……。
私が前もって把握していたのはもう少し先、ここを抜けた先の「猫鼻温泉」横の旧道入口が封鎖されているという情報でした。このトンネルはまだ通過できると思っていただけに残念ではあります。
あくまで予想ですがこの微妙な位置まで進めるのはトンネル手前にある発電所への出入りのためではないかと推察。無理に進んでも反対側の出口も塞がれているはずなので今回はここで引き返します。
それにしても街中をゆったり走るために買ったミニベロ君もこんな道を走らされるなんて思っても見なかったことでしょう。すまないね。
※ライトウェイのグレイシア製品紹介ページを見ればどれだけ場違いかわかります。
引き返して「道の駅 小谷」で休憩。外が暑すぎたので中の冷房が気持ちいい……。
おこじょのぬいぐるみは初めて見るパッケージ方法でした。巻き巻きされててカワイイ。
ツキノワグマとカモシカの毛皮が売られていました。275,000円ってクマさんお高いのね……。対するカモシカは40,000円。この価格差はどこから生まれるのか?
休憩後は北小谷駅から南小谷駅まで輪行で移動。
北小谷駅の駅舎は平成7年の水害以降も使用され続けているので水害の名残りもあります。
こちらも駅周辺案内板が新品でした。
電車の時刻までなんとか輪行袋に梱包して乗り込みます。車内は休日だったことから割と混雑していました。明らかに地元客ではなさそうなので「観光列車」としての側面が強いのだと実感。
JR西の大糸線は気動車なので車両上部に電線が走っていないのが見る人によっては新鮮だと思います。なお、一部ではJR西のローカル路線を走るキハ120について「走る廃線フラグ」などと言われているようです。
南小谷駅に戻ってきました。すでに大糸線ファンミーティング関係の観光客と思われる人でそこそこ混んでいました。シャトルバスの乗り入れもしていたのでそれも要因のようです。
そういえば南小谷駅前では「松糸道路」関係と思われる橋の建設が進んでいました。5月に塩の道祭りで通った時には無かったので急ピッチで作業が進んでいるというところでしょうか。どこかの地域とは大違いの進捗率です。
久々にスノーシェッド区間をサイクリングできて個人的には楽しいライドでした。高所からの絶景や花がたくさん咲いている風景とは違い華やかさに欠けるきらいがありますがこれはこれで趣のある景色です。もう少し暑さが落ち着いたら今回行けなかったところを含めてまた走りに来たいと思います。
このサイクリングの後は「大糸線ファンミーティング」に参加しましたがそちらは後日別記事で上げます。