高瀬渓谷の紅葉を楽しむサイクリング

 長野県大町市の「高瀬渓谷」の紅葉を見にサイクリングしてきました。大町市に位置する高瀬渓谷は高瀬川に沿って連なっている3つのダム(大町ダム・七倉ダム・高瀬ダム)と葛温泉のあるエリアを指します。高瀬渓谷の紅葉は有名で一度は来てみたいと思っていました。

 今回も輪行でショートカットして出発しました。出発駅は「信濃常盤駅」という駅で信濃大町駅から出発するよりも近いです。距離のこともありますが大町市街を走らずに済むので精神的負荷も下げられます。行く途中の景色がすでに最高。走っていて楽しいです。

  大町市エネルギー博物館を過ぎたあたりから本格的な登りが始まります。目の前に大町ダムが壁のように立ちはだかりますが実際に走るのはその手前の折り返しの急斜面。ここは最初から自転車を押したりしながら進みました。

 この急斜面ルートとは別に「尾入沢大橋」があるルートもあります。帰りに走りましたがこちらの方が距離は長くなるものの緩やかな坂なので登りやすいと思います。事前に調べていましたが、大町ダム駐車場にアクセスしたかったのできつい方をあえて選択。

 大町ダムは朝からすでに来訪者が多数来ていました。ダムの向こう側も遊歩道があるようなので歩いたら楽しいかも。

 こちらは帰りに立ち寄った龍神湖展望広場からの眺め。

 午後は曇ってしまいましたが大町ダムと大町市街を一望することができます。

 大町ダムのダム湖はこの地域の民話「犀龍と泉小太郎」由来で「龍神湖」と名前がついています。近くの公園にも像があります。(さらに某事件がらみの慰霊碑もありました)

 いよいよ「県道326号線(槍ヶ岳線)」に突入。こちらもすでに道路の両サイドが良い景色になっています。高瀬渓谷の紅葉が目当てであろう車が何台も通っていきます。そして、どの車も途中で車を停車させ写真撮影していました。

 龍神湖展望広場からマイカーで進める最終地点である七倉山荘近くの「七倉ゲート」までは7.3kmの距離です。ただ走り進めるだけの道路ですが両サイドでこんなにきれいな紅葉が見えていたら足を止めるのは必定。結果として全然先に進めません……。なお、これは帰りも同様。

 こちらは「北葛沢」という高瀬トンネル手前のスポットです。高瀬渓谷の紅葉が紹介される時は大体がこの辺りです。

 私がここに到着した時も車を停めて写真を撮っている人たちが多くいました。

 そういえば高瀬渓谷の特徴的な川の色ですが上流の葛温泉、七倉温泉、湯俣温泉の硫黄泉が流れ込んだことからこのような水色なのだそうです。

 今回走った中で際立って素晴らしい紅葉が楽しめたのが「葛温泉 」エリアです。「仙入閣」〜「 高瀬館」の区間はきれいな紅葉に挟まれて走れるベストスポットでした。私がみた範囲では車を停めて眺めたり撮影する人たちが多い場所でした。私もこの区間を行ったり来たりしながら撮影していました。(だから先に進まない……)

 高瀬館を過ぎてすぐに斜度12%の看板が現れて急斜面区間に突入。休憩という名の撮影タイムを挟みつつ先に進みます。今回もとにかく登坂がつらかったのですが紅葉が要因なのかビュンビュン飛ばす車もいなかったのでまだマシでした。さらに先ほど触れた高瀬トンネル含めてトンネル内が比較的明るかったのもまだ走りやすいと感じた要因です。事前に調べた時に長いトンネルがあり不安でしたが真っ暗ということではなかったのは救いでした。もちろん、前後ライトは必須かつ反射材など目立つ工夫は必要だと思います。

 途中に現れたお猿さんにびっくりしたり、スノーシェッドにうっとりしたり、トンネル内の横道から見える紅葉を見たりしながら走ります。

 スノーシェッドはこの隙間から見える景色とのコントラストに魅力を感じます。

 自走で来られる最終地点の七倉ゲートに到着。

 ゲートから先は徒歩か許可車両・タクシーのみ通行可能。

 ゲート前の橋からの眺め。

 七倉山荘周辺も美しい紅葉が見られました。特に目を引いたのがこちらの赤色と橙色の美しい紅葉です。

 まさに燃え盛る炎と表現して良いくらいの発色。

 山荘前にはタクシーの料金表が出ていましたが中々のお値段。横にいたマダムが「高っ!!」と呟いていました。近くにいたガイドさんが「まぁ、数人で乗って割り勘にすれば安くなるので……」とフォロー。それでもやっぱり高いかな。

 七倉ゲートから高瀬ダム方面は登山の裏銀座コースの起点にもなっていますが、先ほど触れたように自転車・バイク含めて一般車両は侵入禁止です。許可を受けた車両・タクシーを利用するか1時間ほどの徒歩でのアクセスとなります。この料金表も見ると登山で一番お金がかかるのは「交通費」だなと改めて思った次第。これらの交通費と休日を消費して天候不順やトラブルに見舞われたら泣く……。

 高瀬ダムも興味があったのですが時間と自転車をどう放置するかの問題、さらに午後から急に曇り出してしまったのでここで引き返すことにしました。

 帰りは他にもどこかに寄ろうなどと考えていましたが、帰りも帰りで足を止めて撮影なんてことをしていたら時間切れになりました。高瀬渓谷の紅葉を舐めてました。

 「高瀬渓谷」は広いエリアを指しているだけあり走るところほぼ全てが絶景という感で登坂はあるけど走っていて楽しかったです。「北葛沢」が良い例ですが紅葉のピークというほどではなかったのでもう1週間くらいは楽しめるのかなと思いました。また、高瀬ダムに行くなどの目的が無いなら「葛温泉」エリアまででも十分紅葉が楽しめると思います。葛温泉以降はいきなり斜度12%の登坂やトンネルが続くのでそこまで無理しなくても良いかなと思った次第。そのほかにも扇沢に向かう「大町アルペンライン」の「くろよんロイヤルホテル」がある辺りは紅葉がとてもきれいでした。あの辺りものんびり走るだけでも楽しいと思います。すぐ近いうちに祝日もあるのでまだまだ楽しむ機会はありそうです。とはいえ木崎湖周辺も走り回りたいのでそちらを優先するかもしれないです。

 ところで先日の筑北村スタンプラリー、池田町の七色大カエデ、今回の高瀬渓谷と最近は登るか下るしかしていません。絶景を拝むにはある程度高いところにも登らないといけないのは辛い宿命です。ただ、さすがにそろそろ平地ベースでのんびり走りたいです……。