以前からやってみようと思っていた「台所用中性洗剤」も使用して自転車の掃除をしてみました。先に書いておくと全部の作業を中性洗剤だけで掃除するわけではありません。今回はチェーン掃除のすすぎ・車体の洗浄で普段使用している「フォーミングマルチクリーナーの代用」として中性洗剤を使用するという話です。ワコーズのフォーミングマルチクリーナーは自転車のチェーンや車体の掃除で幅広く使用できる非常に便利なスプレーです。ただ、個人的に以前より問題も感じていたのでその打開策として試しに今回の作業をやってみました。
*中性洗剤だけでチェーンの汚れを落とすのはまず不可能です。チェーンクリーナーで汚れを浮かすのが前提です。
フォーミングマルチクリーナーはとても便利だけど・・・
まず基本的な話ですが自転車のチェーン掃除と注油までの流れは下記の通り。
- 「チェーンクリーナー」を吹き付けてブラシで擦って汚れを浮かして拭き取る
- 水もしくは「フォーミングマルチクリーナー」で洗い流す
- しっかり水分を拭ってから「チェーンルブ」で注油
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汚れをしっかり落とすには最後に水で洗い流すのが確実にきれいになります。しかし、アパートなど賃貸住宅だと水をバシャバシャと使用できないケースもあります。私も例に漏れず水の使用が難しい状況のためワコーズの「フォーミングマルチクリーナー」を使用しています(不可ではないですが面倒)。このフォーミングマルチクリーナーは泡状の洗浄液を吹き付けて汚れを浮かして布で拭うだけというお手軽に掃除ができる製品です。また、自転車の素材を痛めない弱アルカリ水溶性ノンシリコーンタイプ洗浄液ということであらゆる箇所に使用可能で汎用性抜群です。床にダンボールやシートを敷けば水無しで屋内で掃除が可能なので「水無し洗浄の定番品」です。
ただ、こういったメンテ用のスプレーに限らず「自転車専用製品」は割高感は否めません。フォーミングマルチクリーナーと似たような製品でピンク色が特徴の「MUC-OFF(マックオフ)」から「WATERLESS WASH 」というものがあります。この製品も水無し洗浄が可能ですがワコーズ よりもさらに価格は高めです。もちろんこれらの製品は相応の性能がありますし車体の洗浄や注油といったメンテは重要です。決して軽視するわけではありませんが「趣味」として続けるにはお財布的な事情も関わってきます。フォーミングマルチクリーナーに関しては色々な部分に使えるので消費量と金銭的な負担もその分多くなってきます。また、残念ながら泥汚れやひどい土ボコリなどの「酷い汚れ」の前にはフォーミングマルチクリーナーは無力です。この辺りはやはり水ですすぎ落とす方法には勝てません。そこでたまにネットや本記事の最後で触れるイベントで見かけた「中性洗剤を活用する掃除方法」を参考に試してみようと思った次第。台所用洗剤は比較すると安価ですし今回やってみて失敗しても家事で使えるので無駄になりません。
実際に「中性洗剤」も使用して自転車の洗浄
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長めの前置きになってしまいましたが実際に作業します。準備したのがこちらの中性洗剤、スプレーボトル、スポンジの3点。ブラシも買うか悩みましたがスポンジとウエスで作業してみて不足があれば買い足す方針。スプレーボトルは100円ショップで手に入るので調達難易度は低いです。
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中性洗剤については特にこだわりはありませんが「キュキュット」を調達。別に「ジョイ」でもなんでも良いと思います。ただし、洗剤は必ず「中性」を選んでください。酸性は腐食しますしアルカリもチェーンが割れる恐れがあります。
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念のための今回は外で作業します。うまくいけば今後は屋内でも実施できるはずです。準備としては自転車の下にメンテ用のシートと水分を吸わせるためのいらない新聞紙やチラシ類などを敷きます。そして、スプレーボトルに水と洗剤数滴を入れて準備します。
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チェーンの掃除については序盤はいつも通りでチェーンクリーナーを吹き付けてブラシで擦って汚れを浮かしウエスでしっかり拭い取ります。
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ブラシで擦ってウエスで拭ったものがこちら。念入りに擦ったので汚れは浮いているはず・・・。
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今回はフォーミングマルチクリーナーの代わりに「中性洗剤を水で薄めたもの」をスプレーしていきます。敷物をしていますがボタボタと水が落ちないようにウエスを当ててスプレー。これはフォーミングマルチクリーナー使用時と同じです。写真では伝わりませんが霧状にしてスプレーすると結構泡立ちます。
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フレームも同じく洗剤を薄めた水をスプレーして拭きあげます。フレームの拭き掃除に関してはフォーミングマルチクリーナーよりも洗浄力の高さを実感できました。いつもなら手こずる泥汚れによるシミもきれいに落ちました。
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すすぎに関してはすすぎ用の水をスプレーした方が良いかと思いましたが拭っただけで済みました。特にベタつきなどもありません。
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チェーンは念入りに水分を拭い取ります。中性洗剤と自転車専用品の大きな違いは「防錆剤の有無」です。水分を残したまま長時間放置すると錆びてしまいます。そのため水分を除いた後はチェーンルブなど「水置換性」のオイルを塗布する必要があります。
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チェーンルブを吹き付けたのがこちらですが失敗です。中性洗剤が少なかったせいかすすぎ洗浄不十分でした。チェーンルブの油分に残っていた汚れが溶け出しています。
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改めて洗剤多めですすいでチェーンルブを吹き付けたのがこちら。先ほどよりはきれいに仕上がりました。さらに試しで洗剤を泡だてたスポンジでも軽くゴシゴシ洗いました。ただ、泡だてたスポンジについてはどこまで効果の違いが出たのか実感としてはわかりませんでした。ただ、洗剤は2.3滴と言わずにもう少し多めの方が良さそうです。
作業後に感じた問題点や疑問
フォーミングマルチクリーナーを使用せずに作業しましたがいくつか問題点・疑問点があります。まずはスプレーでもボタボタと結構な量の水が地面に落ちます。屋内で行う場合は敷物はいつも以上に多めに敷いた方が良いです。この点については先に挙げた泡だてスポンジの方が良いかもしれません。また、中性洗剤についてはどの程度の量がベストか計り兼ねています。汚れの程度によりますが最初の2・3滴程度だとチェーンのすすぎについては足りないと思われます。ただ、フレームを拭きあげる分には不足は感じませんでした。
他には今回試していませんが台所用洗剤より強力な「洗濯用中性洗剤」を使用した場合の違いも気になりました。洗浄力は期待できそうですがすすぎ落とす手間や洗剤の値段は増えるのがネックになりそうです。
汚れや掃除の程度に応じて使い分けるのが良さそう
試しでいつもと違う方法で掃除してみましたが水のボタ落ち対策さえすればコストパフォーマンスは良いと思いました。チェーン掃除に関してはまだ試行錯誤が必要ですがフレームの掃除に関してはフォーミングマルチクリーナーを使わずに済みそうです。特に泥汚れなどフォーミングマルチクリーナーでは太刀打ちできない汚れへの対処の目処がついたことは大きな収穫です。とはいえフォーミングマルチクリーナーのお手軽さも捨てがたいものがあります。今後どうなるかわかりませんが汚れ具合や掃除の程度に合わせて使い分けるのが良いのではと思っています。そのほか先に挙げた洗濯用洗剤や洗剤の量については今後の機会に試したいと思います。
今回の作業のヒントとなったもの(余談)
今回の作業に関しては過去に参加した「アルプスあづみのセンチュリーライド」前日受付時のワコーズの洗車ブースでの様子をヒントにしています。
チェーンクリーナーを吹き付けブラシで擦って汚れを浮かすところまでは同じ。その後にフォーミングマルチクリーナーでも水でもなく「中性洗剤を薄めた水」をスプレーで吹き付けてすすぐという作業をしていました。さらにそれを使用してクランク周りなど車体も掃除。その際にスプレーの中身や注意点などを伺っていたので今回の作業で真似してみたわけです。ちゃんと作業の様子を録画しておいて良かったです。私の場合はこの動画のように地面にぼたぼたと水を垂らすわけにはいかないので対策は必要になります。
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ちなみにこの動画での作業後のチェーンが上の画像です。普段はフォーミングマルチクリーナーを使用しているのでハッキリとわかるのですが水でしっかりすすいだ方がチェーンがピカピカです。
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もちろんチェーンクリーナーでしっかり汚れを落とすことが前提ですが、フォーミングマルチクリーナーだとここまでの白さに持っていくのは大変です。できるにはできるのですが本当に消費量がすごいことになります・・・。物理的に水で洗い流すのが最強だなと痛感。
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受付後の帰路ではペダルの回転がスルスル・ヌルヌルすぎてびっくりした記憶があります。