かつて「北王子線」という東北本線の貨物支線がありました。だいぶ前ですが通りがかりに「何の線路だろう?」と写真の廃線路を見かけましたがスーツ交通というチャンネルのYouTube動画を見て正体を知りました。「かつて」と書きましたが縮小されつつも2014年とわりと最近まで運用されていたとのこと。再度、通る機会があったのでついでに辿ってみることにしました。
田端駅です。田端駅は池袋駅や新宿駅、東京駅のように特別目立つような駅ではありませんが、山手線と京浜東北線の乗り換え駅として無視できない存在です。
上中里駅付近。見るからに使用されていないであろう線路が新幹線用レール下にあります。線路付近にはいくつか陸橋が点在していますが立ち入り禁止になっていたり目隠しが設けられているところがほとんどです。また、至る所で作業やら工事が行われています。
ここが以前に通りかかった廃線です。踏切がそのままです。撤去にお金がかかるにしてもせめて寝かせた方が良いと思います。老朽化して台風などで倒れるといった事故も考えられます。
王子駅と東十条の間にある「南大橋」の下に資材置き場らしきスペースがあるのですが、改めて朽ちかけている看板を確認するとJR貨物の敷地です。随所にこういうスペースを設けて廃線のパーツ類を保管しているようです。あの踏切りも含めて最後はどうするつもりなのでしょうか?
踏切内のグレーの配電盤?ボックスには薄くなっていますが「第1北王子」の表記があります。
残っている線路の最後は道路の真ん中で終わっています。道路の路面ギャップや維持の面でレールを残す意味があるのか疑問です。さらにレールは手前側にも敷かれていたようでその名残が歩道に残っています。
以前にこれを見たときに何の数字だろうと思いましたが、当時の貨物車の発車時刻とのこと。この辺に住んでいる人はこういったものの存在を知っているのでしょうか?
改めて南大橋からの眺め。レールの先にあった「北王子駅」は現在は大きなマンションが建っています。
王子駅方面。線路の上にトラックがそのまま乗っかっています。線路を残さず一本の道路として整備した方が良買ったのではと思います。
私は鉄オタでもなんでもありませんが今回とは別の辿ってみたい廃線があり、その一環として廃線辿りを行いました。北王子線は言われないと気付かないレベルですが、線路跡を組み込んで街づくりしたのだとわかります。ただ、個人的には広報も含めてもう少し組み込み方に工夫の余地はあったように思います。
東京は再開発が進んでいますが古くは何百年前からの痕跡が随所に残っています。どこぞの地方と異なり東京のような特別広くもない都市圏だと再開発の邪魔になっているように思えます。こういう場所が消えるのはおそらく時間の問題でしょうが、まだ残っているうちに巡るのも良いのかもしれません。