先日投稿した七色大カエデの記事と前後しますが、「信州ちくほく村でのんびりスタンプラリー 第2弾」に参加するのに合わせて「修那羅山(しょならさん) 安宮神社 ・修那羅石仏群」などを見に筑北村をサイクリングしてきました。天候や体力の関係から早めに撤収しましたが、昨年回ることができなかった聖高原駅・冠着駅周辺を走ることができて楽しかったです。
「信州ちくほく村でのんびりスタンプラリー 第2弾」は10月31日まで実施中
「信州ちくほく村でのんびりスタンプラリー 第2弾」は筑北村の観光スポットや寺社・飲食店などを廻りスタンプをゲットすることで各スポットの魅力や知識に触れることができるという内容になっています。さらに集めたスタンプの数に応じて賞品抽選に応募も可能です。
昨年と異なる点としては「furari」というスタンプラリーアプリでチェックポイントを回る形式になっていました。このアプリを見ると上田市や他県のイベントも多く開催中だったのでDLして覗いてみると興味のあるものが見つかるかもしれません。そのほかスタンプラリーのスポットが昨年よりも増えており、特に飲食店の参加が目立っていました。昨年までは新型感染症の影響で参画も難しかったのだと思いますが、現在は状況が多少は改善したと言うことでしょうか。
7月から10月31日まで開催中の本イベントですが私が今回参加したのは終了日2週間前。わりとギリギリです。しかも昨年参加した時とほぼ同じ日程でした。昨年は旧篠ノ井線廃線敷や善光寺街道関係・差切峡をまわるついでの参加でした。7月・8月だと暑過ぎるのでどうしてもこのくらいの時期になってしまいます。
筑北村はぐるりと廻りにくい
あまり知名度がないと思われる「筑北村」ですが長野県の山間に囲まれた長閑な田舎です。位置としては松本市と長野市の中間、もしくは聖高原・姨捨に隣接したエリアと言えば伝わるでしょうか。
今回は昨年回れなかった後述の「修那羅山 安宮神社」など聖高原駅・冠着駅近辺を中心に走り回りました。地図を見てもらうとわかるのですが筑北村は村のエリアと道路事情から「ぐるりと一周する」回り方が難しい場所です。無理やり一周できないこともないですが、青木峠を走る必要があり車を使うにしても手間だと思います。道も良くない上に心霊スポットのトンネルもあるますし……。聖高原駅近辺も「麻績村(おみむら)」という違う村に属しており実質分断されたような自治体エリアです。安宮神社のある場所から青木峠を経ずに西条駅方面に抜けられる「良い道路」があればだいぶ違うと思います。
「修那羅山 安宮神社 」でネコや多種多様な石仏群を拝む
今回は聖高原駅から出発し寄り道しつつ「安宮神社」を目指し表参道入り口に到着。実はここに来る段階で若干ヘロヘロでした。緩やかな登りでしたが最初から走るものではないですね。ここからさらに登るのか……。
無理はできないので急斜面は自転車を押しつつ進みます。表参道とは言いますが安曇野市明科の林道長峰線と似たり寄ったり。坂も大変なんですが獣が出て来ないかが一番気がかりでした。この写真も奥の斜面の上に捕獲用の檻らしきものが……。
個人的には表参道よりは反対側の「南山道」からアクセスすることをお勧めします。急斜面な箇所がありますが距離も短く比較的歩きやすいと思います。
ただし、遊歩道なので南山道からアクセスする時は自転車は押していくことになります。
表参道を登って駐車場に到着。安宮神社はオートバイ神社と呼ばれているようでのぼりも立っていました。
安宮神社の創始は不詳ですが1860年ごろらしいです。そこまで古いわけではないようで、この後に紹介する石仏の中に面白いデザインがあるのも納得ではあります。すでに拝殿も特徴的です。
拝殿の正面脇には猫の木像が鎮座しています。拝殿にお賽銭箱があるのに木造の前にもお賽銭箱。別口ってことか?
拝殿の向かって右側には本殿側に回れるくぐり門があります。
拝殿がある裏手に回ると石仏がずらりと並んでいます。いわゆる「修那羅石仏群」と言われる石仏群です。
後に出てくる善光寺街道の「切り通し」もそうですが、こんなに切り立ったところにまで石仏が並んでいます。
こちらは修那羅石仏群の中でもわりと有名な鬼神と猫神の石仏。ここでは全部紹介しきれませんが、どの石仏も非常にユニークというか特徴的な造形です。ガイドを見ながら見て回りましたが同じものが一つもないので探しやすかったです。
鬼神と言われていますがこちらもポーズを含めてユニークなデザイン。
こちらが鬼神の両サイドに並んでいる猫神様。
こちらも面白い表情をしています。元からこんな感じの表情だったのでしょうか?
「なぜ、こんなにも猫が?」と思うかもしれませんが、こんなに猫を崇め奉っているのはかつての養蚕業が関係しています。養蚕業の天敵であったネズミを狩ってくれる猫を神格化していったようです。
そして、石仏だけではなく実物のネコさんもいました。どうやら屋外飼いで3匹の猫さんが暮らしているようです。人に慣れており我関せずの姿勢で敷地内を歩き回っていました。
番外編で他にも印象に残ったのがこちら。夜道で見かけたらびっくりして泣く。
こちらも馴染みやすい現代的なデザイン。いつ作られたのでしょう?
どの石仏も特徴的なデザインですが、当時の民間信仰が表現されており歴史・民族学的にも非常に興味深く見入っていました。
多くの石仏や寺院が残る村
安宮神社以外にも「安坂神社」や「安養寺」なども回りましたがどこを走っても「石仏がいるエリア」なのだと実感。
だいたいの曲がり角に石仏やら庚申塚が鎮座しています。こういうものを見ると「塩の道(千国街道)」もそうですが、かつては街道として今よりも人の往来が多かったことを伺わせます。
筑北村には「平坦路」は無い
私は「そっち側」の人間ではありませんが「坂道が好きな人」には筑北村は良いエリアかもしれません。すぐ近くに聖高原や姨捨があるので想像がつくと思いますが、筑北村も例に漏れず「坂道ばかりで平坦路がほぼ皆無」な環境です。だいたいが登るか下るかといった具合で平坦な道がまずありません。登りと下りの温度差で風邪引きそう……。(実際にひきかけた)
安宮神社までの表参道の登りも大変でしたが、それ以外の道路もジリジリと体力を削るコースだったと思います。余裕があれば帰りに池田町の七色大カエデも行こうかなとか考えていましたがそんな余力は残りませんでした……。
人が削って作り上げたものが現在も残ることの感動
聖高原駅近辺から坂北駅方面に移動。相変わらずのアップダウンのある道を進んで善光寺街道の「切通し」に到着。こちらは「小切通し」。この後の大切通に比べるとミニマムですが石壁の高さがないので広々とした印象。
小切通しの上にも石仏が残っています。近くの説明看板によれば削った石の再利用とのこと。
こちらは昨年も来た「大切通し」です。小切通し比べて圧迫感のある威容。立てかけた自転車でどれほどの高い岩を削って開いたかがわかるかと思います。この切通しによって青柳宿と麻績宿の行き来がしやすくなったと言います。
こちらも両サイドに石仏が並んでいます。石材の再利用もあったのでしょうが善光寺街道を往来する人たちの安全を祈念したものなのでしょう。
この大切通し到着した時には青空だっのに急な曇り空に。天気予報を見ると雨予報になっていました。行きたいところには行けたので早めに輪行で撤収することにしました。
「信州ちくほく村でのんびりスタンプラリー 第2弾」にかこつけて筑北村内を回りましたが、道の駅やお店、飲食店もあるのでのんびりサイクリングするにも良いエリアだと思います。昔から何度も来ているところですがスタンプラリーをきっかけに知ったことが多くて非常に有意義でした。特に古からの寺院や石仏、史跡がこんなにも残っていることにはある種の感動を覚えます。来年の第3弾も期待しているのでまたこのくらいの時期にのんびり走りに来たいと思います。