ミニベロのブルホーンハンドル化についてのあれこれ

 ダホンなどのミニベロに乗っている人はかなりの割合で「ブルホーンハンドル」や「ドロップハンドル」化を検討されているのではないかと推察されます。*本サイト流入ワードより

 私もDash AltenaMuをブルホーンハンドル化して1年ほど経ちましたがフラットハンドルよりも格段に快適です。ブルホーンハンドルは導入効果が高いカスタムだと思うので導入メリットやオススメのポイント・使用感を挙げていきたいと思います。

ミニベロのポジション調整に最適

 色々なサイクリング系ブログやTwitterを見ているとダホンなどのミニベロを買う人はなぜかロングライド志向の方が多く見受けられます。折りたたみ機構やホイールサイズなど「輪行」とも相性が良いことが理由と思われます。ただ、ミニベロは一部モデルを除きサイズ展開がほとんど無いので「ライドポジション」が合わないと長距離走るのが辛くなります。

 大半のモデルで採用されているフラットハンドルはハンドル上のポジションが固定されるので80kmあたりで腕が痛くなってきます。これは私自身もAACR参加時等に経験済みです。

 ロードバイクのドロップハンドルのようにポジションを変えてハンドルを握ることができるとロングライドが楽になります。また、人間工学的の観点でも「縦に握る」方がストレスがありません。

 ドロップハンドルは「ブラケット上部・下ハンドル・ステム付近のフラット部分」と3箇所握るポジションがあります。ブルホーンハンドルは下ハンドルは無いので2箇所となります。どちらもフラットハンドルと比較して「握れる位置」が増えるので疲労軽減につながります。通勤通学などの短距離であれば問題になりませんが長距離・長時間におよぶとジワジワとこのあたりの差が効いてきます。

 ライドポジション調整の面でも適切にパーツを選ぶことでハンドルの距離等最適化できます。パーツ選択については様々な形状のハンドルが存在するのでわからなければショップに相談することをオススメします。車体のハンドルポストやステムパーツによって使用可能かも変わってきます。

 私は下のようなハンドルをチョイスしました。ハンドルも折りたたむモデルだとショートブルホーンが無難ではないでしょうか。

 この他に有名どころとしてTern(ターン)のキネティックスプロというハンドルバーがあります。上のものよりもさらに角度が付いた攻撃的なデザインだったので選ばなかったのですがロードバイクのようにスポーティーに寄せるならありだと思います。

無理にドロップハンドルである必要無し

 ハンドル交換をする場合ですが無理にドロップハンドルにしなくても問題ないと思います。理由としては「下ハンドルの出番がほとんど無い」ため。

 下ハンドルを使用するのは向かい風対策や下り坂でのブレーキングという場面だと思います。ブルホーンハンドルだと最初からブレーキレバーをしっかり握り込めるポジションですし、前傾姿勢も取れるので平地主体で走るのであれば下ハンドルの出番は殆どありません。

 その他にもミニベロ(特に折りたたみ式)にドロップハンドルを導入する場合は後述の導入コストや折り畳んだ際にハンドルが干渉するという問題も気にする必要があります。

*頻繁に峠道にアタックするという方は折りたたみ・非折りたたみに限らずミニベロはオススメしません。ディスクブレーキ採用ロードバイクかグラベルロードが安全安心です。

ブルホーンハンドルは女性にもオススメです

 どれだけいらっしゃるかわかりませんが「スポーティーにミニベロに乗りたい」という女性にもブルホーンハンドルはオススメです。上の「無理にドロップハンドルの必要無し」のくだりと被りますがデフォルトのポジションで下ハンドル並にしっかりとブレーキレバーを引けるので握力の弱さをカバーできます。

 ハンドルバーやステムパーツの選択によってハンドルの距離を調整できることもメリットです。例としてダホンのMuをいじった際は「ESF3 Extendable Stem(クランプ径25.4mm_幅狭)」でハンドルの距離と高さを調整しました。このパーツをハンドルポストよりも手前に配置するとハンドルを近づけることも可能です。

*取り付けなどについては折りたたみ自転車に詳しいサイクルショップさんに相談してください。

 このようなパーツやハンドルの組み合わせで「適切なポジション」に近付けることも可能になります。牛のツノみたいなビジュアルに抵抗が無ければブレーキ操作など実用面でもオススメできます。

導入ハードルが低い

 パーツ選びによりますがドロップハンドルよりも「導入コスト」が抑えられます。ドロップハンドルのSTIレバーは通販価格でもそれなりのお値段です。ブルホーンだとそれよりは価格を抑えられます。まぁ、あくまで比較の話なのでそれなりにはかかります(コンポ載せ替えもセットだとさらに高い)。

 また、ミニベロに多く採用されているVブレーキモデルでもほぼ問題無く導入できます。ドロップハンドル化の場合はSTIレバーのワイヤー取り回しの関係から制約があるようです。

アナログな操作感覚が楽しい

 シフト操作はとても簡単でバーコントローラーをただ動かすだけです。STIレバーのようにハンドルを握ったまま指先だけで「カシャカシャ」とシフト操作ができない欠点はありますが、バーコントローラーを「カチャン!!カチャン!!」と操作するのは「運転している感」があって楽しいです。マニュアル車のギア操作に似た感覚です。

ブレーキレバー・シフターは手元に寄せるのがオススメ

 「ブルホーンハンドル」でググると色々な形状のハンドルが出てきます。それと合わせてブレーキレバーやシフターの取り付け位置も様々であることに気付くと思います。このあたりはデザインなど各人の好みになるので自分で気に入った形にするのが良いと思います。ただ、個人的には操作系統を手元に寄せた方が安全だと思います。

 私はこの画像のような配置です。この配置だとデフォルトのポジションですぐに下ハンドル並にブレーキレバーが引けます。また、シフターもハンドル先端に配置しているので片手ハンドルを回避しつつレバー操作が可能です(それでもハンドルから少し手を離す必要があります)。

 ブレーキレバーについては後になって気づきましたがレバーを若干外側にしてハの字型で取り付けた方が握りやすいと思います。ドロップハンドルでも下ハンドルが外側に開いたフレアハンドルなるものがありますがそれと同じようなものです。自分が握るであろう掌の角度に合わせて調整するとフィットするでしょう。

パーツやバーテープ・グローブはこだわるべき

 ブルホーンバー だと画像のSTIレバーのブラケットみたいにゴム部分が無いので「対衝撃」の部分では劣ると感じます。これについてはバーテープをクッション性の高いものにしたり、サイクルグローブを厚めのものにするなどの工夫が必要だと感じました。

 お金が出せるならサスペンションステムを導入するという手もあると思います。ミニベロロード乗りだとカーボンフォークを導入されている方もいらっしゃいますが、物理的なクッション機能があるのでそれよりも効果が期待できそうです。

 また、パーツによってもレバーの感触が違ったりするので使用可否はあると思いますが各パーツはこだわって良い部分だと思います。バーコントローラーもデュラエースグレードかそれ以外かでレバーを動かす感触に大きな差があります。ブレーキレバーも探してみるとカラーバリエーションがあり車体色との相性を気にしてみるとオシャレな自転車になるかもしれません。性能も大事ですが操作感や見た目といった「フィーリング」の部分は走る時のテンション、モチベーションに関係する重要な要素だと思います。

 以上、ミニベロのブルホーンハンドル導入について色々と挙げてみました。上で挙げた他にもフラットハンドルよりハンドル幅が狭くなるので街中で走る時に人や物にぶつかる危険性が少なくなったり、下ハンドルが無い分の軽量化ができる利点も挙げられます。ブルホーンハンドルは攻撃的なビジュアルで好みが分かれそうですが、ミニベロでもそこそこの長距離を走りたい方にはオススメのカスタムだと思います。