ダホンのK9Xのタイヤを「VEE TireCROWN GEM for KIDS Natural Wall 16×2.25」に交換しました。16×2.25という太いタイヤ幅で約3,500円で購入できます。16インチ(305)サイズのタイヤは選択肢が限られており、定番どころではシュワルベの「ビッグアップル」か「ビリーボンカーズ」が有名。しかしながらK9Xの影響もあるのか通販でも値段が上がっていく傾向にあり前後2輪購入すると確実に1万円コースです。他に太くてお手頃なタイヤがないか探して本製品に辿り着いたのですが実際に使ってみると思った以上に良いタイヤだと思いました。
「VEE TireCROWN GEM for KIDS Natural Wall 16×2.25」について
「VEE TireCROWN GEM for KIDS Natural Wall 16×2.25」はその名前の通りマウンテンバイクのジュニアクラス競技用のタイヤ。「VEE Tire」というブランドが出している「CROWN GEM」という製品のジュニア版といったところ。
K9X標準タイヤの16×1.5に対して、今回の「CROWN GEM」は16×2.25(ETRTO:57-305)というタイヤ幅です。ビッグアップル、ビリーボンカーズの2.0よりもわずかに太いです。さらにゴツゴツとしたブロックパターンもいかにもマウンテンバイク、未舗装向けであることを想起させます。
対応空気圧は2.0〜4.0BAR(30〜55PSI)です。シュワルベのビッグアップルと同等の対応域です。
タイヤ重量は公式だと410gです。ただ、個体差が大きいようで私が購入したものはそれぞれ440g、500gと重量差がありました。K9X標準タイヤは約290gなのでかなりの重量増と言えます。補足でビッグアップルは380g、ビリーボンカーズは290gということなので軽量性を求めるならシュワルベを選んだ方が無難です。
また、タイヤの太さが大きく変わるのでタイヤチューブ交換は必須。今回は無難にシュワルベの「シュワルベ チューブ 16×1.75-2.50(SV3)」を使用しています。このチューブは16インチ(305)の1.75〜2.4までのタイヤ幅に対応しているので使いやすいです。
K9X標準タイヤと並べると本当に同じホイール径なのかと疑いたくなるくらいにボリュームが異なります。タイヤボリュームの関係から16インチ(305)ながら、ブロンプトンなどの16インチ(349)同等のホイールサイズとなります。ブロンプトンの16インチ(349)にインチアップしたいけど太いタイヤも履きたいという人には刺さるのかもしれません。そういう層がいるのかはわかりませんが。
K9Xはフレームのクリアランスが広く取られているのでタイヤ幅2.0クラスも余裕ですね。
オールマイティに走れるタイヤ
実際にこのタイヤでいろいろなところを走ってみましたが、タイヤの太さも相まって荒れた舗装路や多少の砂利道を含め、幅広い路面環境を安定して走れます。見た目の印象に反して舗装路での転がり抵抗感は少ない方だと言えます。ブロックタイヤパターンですが質感としては少し硬めでドライな走り心地です。ただし、あくまでも見た目の割には……という話です。もし、ロングライドするのであれば標準タイヤかビッグアップルにしておいた方が楽です。
タイヤの質感の影響からかグリップ力は弱いです。ブロックパターンによる走行音とわずかな抵抗を感じますが「路面に食いつく」感覚がありません。シュワルベのビリーボンカーズは細かいノブによるものか「グニュッ」と路面に食い付く(吸い付く)感覚があったのでそれと比べると対照的です。K9Xで強めにガツンとブレーキをかけると文字通り滑るときがあります。こんな感じでグリップ力が弱いので濡れた路面では過信は禁物と言えます。
マウンテンバイクのジュニアクラス競技用タイヤですが、K9X本体のこともあるので積極的にグラベルを攻めたりシクロクロスをする使い方はやめた方が良いでしょう。
タイヤ重量とブロックパターンの関係で登坂はキツイものがあります。下り坂はまだ安心して降りられますが登るとなると大変です。白馬村の野平集落に行った時は途中から押して行きました……。
他に気になることと言えば「走行音」でしょうか。ギュインギュインとけたたましい音を上げながら回ります。鳥の囀りもかき消して静粛性とは無縁の走りを提供してくれます。
16インチミニベロでは貴重なコスパタイヤ
値段も安くてオールマイティーに使っていけるコスパの良いタイヤだと思います。コスパという表現は好みが別れる言葉ですが、ホイールサイズの関係で消耗が早いミニベロのタイヤでは無視できない要素でもあります。あと、スキンサイドとの組み合わせがかっこいいんですね。
ビッグアップル、ビリーボンカーズと比較して重量がありますが、お手頃価格で太いタイヤを履かせて走行安定性も向上させることができるのも大いに魅力的です。