Xiaomi(シャオミ) 「 Redmi Pad SE(4GB+128GB )」レビュー  ネットサーフィン・動画視聴と「割り切った使い方」なら必要十分なコスパの良いタブレット端末

 自分用ではないのですが、Androidタブレット端末Xiaomi(シャオミ) 「 Redmi Pad SE(4GB+128GB )」を購入しました。用途はネットサーフィン・動画視聴と絞られていたので、値段が高くなくて使用に困らないモデルという観点で探して購入。価格が21,800円でありながら11インチサイズで極端に低スペックでもないということでそこそこ人気があるようです。実際に購入したものが届いたので設定がてら簡単な使用感を書いていこうと思います。

きっかけは何回もかかってくる間違い電話(購入理由)

 たまに身内から間違い電話がかかってくることがありました。よくよく聞けばスマホ(シニア向けモデル)でYouTube視聴時に操作ミスで電話がかかるのだとか。実際にそのスマホを見ましたが、ホーム画面のYouTubeと電話アプリアイコンの配置が原因のようです。その辺のカスタマイズ性はシニア向けだからなのか皆無でした。ただ、それ以外にも気になったのが「液晶サイズの小ささ」でした。正直、音質も含めて一昔前のスマホレベルです。年齢に関係なく、これでYouTubeなど見ていれば目や姿勢を悪くするだろうなという代物。特に目や姿勢のことを考えるなら液晶サイズ問わずスマホで見るのは好ましくありません。それならテレビで見れば良いのではと思いますが「テレビはテレビで見たい」という謎理論をかましてきます。お年寄りやテレビっ子に多い「テレビを見ていないけど点けておかないと落ち着かない」の部類でしょうか。

 いずれにしてもそのままにしておくのも良くなさそうなので対応策としてタブレット端末を検討することにしました。タブレット端末はスマホやパソコンと比較してどっちつかずな中途半端な存在で基本的にはオススメしない派です。しかしながら今回のようにエンタメ消費型の用途なら有用だろうと思い検討したわけです。使い道の関係から高価なiPadは選択肢から除外。必然的に格安Android端末から色々検討した結果、価格と性能のバランスで「 Redmi Pad SE」を購入するに至ったわけです。

「Redmi Pad SE」の外観・特徴

 届いたRedmi Pad SEの開封・設定を終わらせてケースも装着したものがこちら。パッケージデザイン、後述の本体デザイン・構成などから完全にAppleのiPadのパク……リスペクトを感じます。真偽は不明ですがパッケージデザイン含めて相当iPadを意識しているのだろうなと思わせます。でも、見本にする対象としては間違っていないですね。

 今回購入したのは本体カラーがミントグリーンのモデル。スペックは11インチのフルHD プラス解像度ディスプレイ(1920 x 1200、207 ppi)、6nm Snapdragon 680採用、メモリ4G、ストレージ128G、8000mApバッテリー、スピーカーはDolby Atmosクアッドスピーカーという構成です。

 タブレット端末の世界において「メモリ4G」がどの程度のものかよくわかっていませんがパソコンの世界では化石も同然な数字ですね。ただ、重い作業は絶望的ということは前情報として仕入れていました。後述しますが実際に使用してみてもそう思わせる挙動でした。ミドルレンジスマホでもメモリが8Gあるのでそういうことなのでしょう。(ネット、電子書籍、動画視聴には十分です)

 本体背面はこんな感じ。本体に直貼りでバーコードが貼られています。これは剥がして良いものなのか……? (使用者の意向でそのままになっています)

 本体の「ミントグリーン」カラーは淡い色合いでくどくないのが好感を持てます。あと、本体のモデル名もさりげなく小さい刻印なのも良いですね。本体カラーについては他にも「グラファイト」と「ラベンダー」がありますが、ラベンダーも淡い紫色で上品な感じがして素敵です。ちなみに購入時はラベンダーが売り切れでした。やっぱりラベンダーカラー人気なんですね。

 本体背面には80MPカメラを搭載。シングルレンズでフラッシュも付いていません。タブレット端末で写真撮る人はいないと思うのでコストカットの意味でも妥当なところ。

 本体上部には電源ボタンとスピーカー。スピーカーはDolby Atmosのクアッドスピーカーを採用しています。音質について先に言っておくと「この価格帯・仕様にしては良いスピーカーが付いている」と言えます。ただ、Dolbyなど固有名詞からの過度な期待は禁物といったレベル。まぁ、音響は筐体サイズと密接に関係するのでやむなし。

本体側面には音量調節ボタン、マイクロSDカードスロット。SIMカードは非対応です。

 本体下部にはスピーカーと充電用USB-Cポート、イヤホンジャック。

 充電用ケーブルとACアダプターが付属。10W充電のようですが8000mApバッテリーだと時間が相当かかりそう。別の方のレビューで確認したところ急速充電には対応しているようなので、別でACアダプターを用意した方が良いかもしれません。

 手に持った時のサイズ感はこんな感じ。本体重量は478gと軽量な部類です。ケースを付けることを考えても片手持ちでも使えるでしょう。

ディスプレイは上々の品質。ただし、「画質設定」に注意!!

 画面は11インチの「フルHD プラス」というもので解像度が1920 x 1200(207 ppi)というう構成です。縦が一般的なフルHDの1080から1200と若干広くなっているのは好印象。4Kじゃないのか……と物足りなく感じるかもしれませんが、11インチという画面サイズに対して解像度がうまく噛み合っていると感じました。ネットサーフィンや動画視聴をしていて特にドット感、ザラつきが気になるということはありませんでした。ただし、「映り込み」はあるので気になる人は液晶フィルムを検討しても良いでしょう。

 製品の売りである「最大リフレッシュレート90Hz」については、設定もいじりましたが恩恵をそんなに感じませんでした。見比べたり言われたりしなければ気付かないかもしれません。なお、設定を「自動」にしておくとほぼ機能しません。バッテリー節約の意味でもわざわざ90Hz設定にする必要はなさそうです。

 あと、個人的に一番の注意点と思ったのが「画質設定」という項目です。YouTubeアプリは画質設定が「自動」になっており、480pなど低画質モードで再生される仕様です。YouTubeアプリで設定しなおしても、次の動画を再生するとまた元の自動設定に戻ります。なぜこんなに不便な仕様にしたのか謎です。

 YouTubeアプリ上でも最初にポップアップが出てきますが、とにかく「画質設定」から「高画質モード」を選択しておかないと再生するたびに設定する手間が増えます。「あれ? YouTubeやAmazonプライムで動画見ていると画質が荒いなぁ」と思っている人は画質設定が問題になっていると思われます。これに気付かないまま使っている人が多そうです。

電子書籍向けの嬉しい機能も搭載

 ディスプレイの設定について補足しておくと、電子書籍を想定した「紙モード」があり、色温度を実際の紙に寄せて目の負担を減らす機能があります。

 色温度を紙に近いであろうところまで調整してくれます。おそらく5000k〜6500k(ケルビン)に近いところをイメージした色味になり、デフォルトより黄色味がかった白になります。さらにペーパー質感を意識したテクスチャを適用することも可能です。これは実際に使う人がいるのか謎ですが、文字ベースの電子書籍には良いかもしれません。

 色調補正機能もついているので自分の用途に合わせて設定すれば見やすくなるでしょう。

動作はややもっさりでクリエイティブ活動やOffice作業には向かない

 本製品はAndroidタブレットですが、OSはシャオミィがAndroidベースでカスタマイズした「MIUI」というものを採用しています。インストールされているアプリはほぼGoogleアプリ、そこに自社アプリを少し追加した構成。Redmi Pad SEと近い価格帯でFIREタブレットがありますが、それよりも自由度が高いのは良いことです。

 さて、先述の端末価格と仕様からお察しの通り、端末の処理能力は高くありません。Officeアプリなどの何かしらの「作業」をするという用途では力不足です。ゲームも論外だと思います。そういう用途も考えるなら4万円、5万円以上のハイエンドモデルでないと実用できないでしょう。ただ、その価格が出せるならiPad、もしくはノートPCが視野に入ってくることも考慮すべきでしょう。

 さらにタッチ性能もiPadや最近のミドルレンジスマホと比較して反応がもっさりしています。エンタメ用途でもこの点は気になるかもしれません。これは端末の造りなのか、Snapdragon 680なのか、OSによるものなのかは不明です。この辺りはやはり「価格相応」なのかなと思います。上を知らなければ「こういうものだろう」となりますが、iPhoneなどそれなりの端末を触ったことがある方にはストレスに感じるかもしれません。

バッテリー持ちも必要十分

 バッテリー関係はバッテリーセーバーや持ち時間を把握できます。本体のバッテリー容量は8000mApとのことで購入したばかりの時点だとバッテリーは約42時間は保つようです。ネットサーフィン、動画視聴などエンタメ用途なら困らないバッテリーの持ちだと思います。

専用ケースも実用できるクオリティ

 本体と一緒に購入した「Redmi Pad SE TPU+PUレザーケース」。メーカー純正ではありませんが専用品です。ケースは好みもあるのでお好きなものを選べば良いと思います。

 背面ケースと液晶ケースがセットになっている構成。見たまんまAppleの風呂蓋ケースのパクリ……。

 特に何も言うことのないケースですが1,400円の割にはしっかりしています。

 風呂蓋液晶カバーが付いているのでiPad同様に畳んでスタンドにすることも可能。この畳んだ部分を掴んで片手持ちも可能。値段と機能を考えたらこれで良いと思います。

割り切った使い方をするなら必要十分なタブレット端末

 気になる点も含めて色々書いてきましたが、ネットサーフィン・動画視聴・電子書籍といった「コンテンツ消費型」のエンタメ用途であれば、端末性能と価格のバランスから十分オススメできる製品と言えます。むしろ、約2万円の価格でこのクオリティのものが手に入ることの方が出来過ぎかもしれません。一方で創作などのクリエイティブ分野、Officeアプリでの事務作業はさすがに荷が重いので別機種、もしくは素直にパソコンを検討しましょう。ちなみにタブレット端末の中から選ぶのであれば「iPad一択」です。それだけの「越えられない壁」というものがiPadとの間にはあるのです。

 私はタブレット端末自体は基本的にオススメしない派ですが、今回のような特定用途に絞る割り切った使い方であれば「最適解」だと改めて再認識できました。