秋葉原のラモーンバイクスさんでジェイミスの2020年モデルを試乗してきました。グラベルロードの新規調達候補で「RENEGADE (レネゲード)」シリーズが候補に挙がっているのですが、公式サイト写真だけでは実際のフレームのカラー等把握しづらい部分があり見に行った次第。
*追記:2020年4月にRENEGADE S2を納車しました。
試乗してきたのはRENEGADE の「S2」と「S3」です。新規調達候補としては「RENEGADE S2」で考えているのですが比較の意味でS3にも試乗しました。Sは「スチール」ということでいわゆるクロモリモデルと言うことになります。(厳密には素材が異なります)
今回試乗しませんでしたが「RENEGADE S4」。シマノのSORA採用なので9速。「Root Beer」というカラーです。
*フレームのカラーリングを確認したいという目的もあり試乗してきたので本記事でも写真の色味は明るさ以外はいじっていません。
RENEGADE S3
「Ano Deep Sea」というカラーリングです。リンクの公式サイト掲載写真と異なり「明るめの青」です。サイトのような「紺に近い青」を期待して注文したら大変なことになります。写真の色味はいじっていないのでこの青と思ってもらって問題ないと思います。実物確認大事!!
RENEGADE S3はシマノのグラベル用コンポ「GRX RX400」という10速ティアグラ相当を採用したモデルです。
昨年の同価格帯モデルはリアホイールがクイックリリース式でしたがスルーアクスルに変更しています 。用途を考えると剛性は重要なので妥当かつ正統なアップデートです。さらに油圧式ディスクブレーキを採用しつつ価格は20万以下です。スペックと価格のバランスが良く一番売れそうなモデルに感じます。というよりもカラーリングと言った見た目に拘らなければS3が間違いなくコスパは良いと思います。
クロモリフレームで「レイノルズ520」という素材を使用。自転車では普及価格帯によく見かける名前です。
試乗したのが54サイズだったのでホイールは700C。タイヤは38Cでした。
「グラベルだけどロードバイクっぽい走行感覚」です。ギア比は軽いものが採用されていますがフロントダブルで細かい変速ができたり、タイヤが700Cというあたりでそう感じたのかもしれません。タイヤを「スリックタイヤ」に換えればさらにロードバイク的な走りに近づけることもできると思います。また、スペックシートでは重量11.3kgということですが走りを含めてあまり重さを感じさせませんでした。
後述のS2よりはロードバイク的に使え値段も20万円以下なので「最初の1台」として購入するには良いかもしれません。また、タイヤ幅や油圧式ディスクブレーキの恩恵から下手なロードバイクより使う場所を選ばず扱いやすいのではないでしょうか。欲張りさんにはオススメのモデルだと思いました。
RENEGADE S2
今回の試乗の本命がRENEGADE S2です。もしも購入するならこのモデルと決めています。
ちなみにこちらのモデルは「Dark Ash」というカラー名が付いていますが実物を見た限りでは「マットシルバー」が近い気がします。
グレー寄りのシルバー・・・でしょうか。公式サイトのシルバーっぽい印象は間違いではなかったということですね。ダート走行でキズや汚れが増えても精神的なダメージが少なそうなカラーです。全体的に無難なカラーとも言えるのでオプション類とのコーディネートもしやすいのではないでしょうか。
S2はシマノのグラベル用コンポ「GRX600」をメインにしたミックスコンポ構成です。ディレイラーやディスクブレーキに810や400が混ざっています。各パーツのグレードによる重量差はありますがブレーキの効き自体は変わらないのだとか。これはグレードではなく「油圧式ディスクブレーキの仕組み故」らしいです。
S3とはギア構成も異なりフロントシングルです。「フロント40T×リア11T~42T」の11変速。KONA ROVE STと同じ典型的なグラベル向けのギア比です。
昨年モデルは105コンポでしたが今回はフロントシングルのグラベル用コンポなのでロードほどギアの選択肢が多くありません。そのかわり操作の簡便さとメンテのしやすさはあるでしょう。
フロントブレーキはケーブル類が内装されスッキリした印象。フレーム自体はDi2にも対応しているそうで実装用の穴があります。
スッキリと言えばカラーや全体のペイントも昨年モデルよりおとなしいです。
昨年モデルはフロントフォークの等高線ペイントに加え「黒ストライプ」や「採用テクノロジーのロゴ」がデカデカと入っていました。あれはあれで好きだったので少し残念。
フレームは「レイノルズ631」を使用しています。クロモリではなくマンガンモリブデン鋼を含有しているので「マンモリ」といったところ。クロモリよりコンフォート寄りで振動吸収性とバネ感のある乗り心地云々…らしいですが素人にはわかりません。どちらかと言えばタイヤ幅やパターンの影響が大きく作用すると思います。強いて言えばマンガンフレームだと剛性があって軽量ということなのでクロモリの柔らかさよりはアルミの方に近いと言えます。
グラベルロードには欠かせないダボ穴はS2(レイノルズ631素材フレーム)では昨年モデルよりも数が増えています。ダウンチューブには3つあるのでフレームバッグ取り付け時にボトルケージの位置を調整することも可能です。
トップチューブのダボ穴はトップチューブバッグの固定が主な用途だと思いますがボトルケージ類はじめ色々応用が効きそうです。
走行してみた感触としては舗装路で流す分には十分すぎる性能です。フロントシングルかつタイヤ幅40なのでS3よりも「グラベル特化型」です。ただ、レースイベントに出ない限りはフロントシングルで困ることは殆どありません。変速トラブル軽減・整備性向上とメリットの方が大きいです(ダート走行ではフロント操作までする余裕はありませんし・・・)。
「650bホイール」のKONA ROVE STと比較すると700cなのでロードバイクに近い軽い踏み心地。グラベルロード全般に言えますが「舗装路主体」で走るなら標準で付いてくるブロックパターンタイヤは過剰なので「スリックタイヤ」に交換すると使いやすくなると思います。「グラベルキング」が定番な気がします。
*追記:2020年4月にRENEGADE S2納車後に「グラベルキング」 →WTB「バイウェイ」という流れでタイヤを交換しています。
JAMISの「RENEGADEシリーズ」はグラベルロード系ですがオンロード・オフロード両方でバランス良く使用できるようにアッセンブリーされているように感じられます。JAMISはRENEGADEシリーズをグラベルロードではなく「アドベンチャーバイク」と呼称していますがそれも頷ける自転車です。1台目か2台目かで選択肢が変わってきますがどちらもスリックタイヤに交換すればロードバイク的用途でも充分通用すると思います。もしも「最初の1台目」で購入するなら価格と仕様のバランスでS3が良いと思います。2台目ならグラベル特化型のS2という選び方なのかなと思いました。でも、グラベル 特化ならもっと他の選択肢もあるかな・・・。値段の問題もありますが。
今回はフレームカラーの確認が主な目的でしたがS3を見るに実物確認は本当に大事だと思いました。JAMISには公式サイトの写真について色味や掲載点数を改善して欲しいです。実物と違いすぎると参考にもなりません・・・。
ところで「KONA ROVE ST持っているのに何故グラベルロードを物色しているのか?」と思われるかもしれませんが、ROVE ST含め運用方法を色々検討しているところで増車する予定でいます。この辺りは追々…。
*私が購入したモデルは2021年から日本限定の「RENEGADE S2 LTD」が同等品と言えます。2021年以降の無印S2は40万円近くになっていてもはや別物・・・。(主にホイールの差らしい)